小学校の教室には必ず「整理整頓」という紙が貼ってあります。
整理は「整える」(ととのえる)という意味ですが、同じととのえるでも「調える」という漢字があります。
同じようなイメージのする漢字ですが、意味は全く異なります。
整えるは、きちんとした状態にするという言葉であり、調えるは、必要なものをそろえる若しくはまとめるという言葉です。
整えるとは
整えるの使われる文章には、「棚の荷物を整える」や「服装を整える」などがあります。
つまり、きれいに調和の取れた状態に正すという意味です。
整えるの「整」という文字は、「たきぎを束ねる」の象形と、「分ける」を表す象形、「真っ直ぐ」を表す象形から成り立っています。
それが転じて、「(分けたり束ねたりして)ととのえる」の意味を持つ漢字に変わります。
調えるとは
調えるの使われる文章には、「スケジュールを調える」や「意見を調えてから報告する」などがあります。
つまり、必要な状態にそろえる、まとめる時に使うのが調えるです。
ちなみに、調えるの「調」の文字は、「言(言う)」と「周(行き渡る)」を表す象形から成り立っています。
そこから、隅々にあるものをそろえるという意味の漢字になります。
視点の場所の違い
整えると調えるは、主に言葉の視点が異なります。
整えるが使われるのは、商品を並べたり、靴を揃えたり、身だしなみをきれいにしたりする場合です。
つまり、自分の外側に軸が置かれています。
一方、調えるは、日程を合わせたり、楽器の音程を調節したりする時に使う言葉であり、自分の内側に軸を置くか、自分を中心にして行うことが目的になっています。
乱れと不足
整えると調えるの使い方の主な違いは、整えるが乱れたものをきちんとした状態にする時に使うのに対し、調えるは不足しているものを手に入れる時に使います。
ちなみに、同じ文章でも両方の言葉を使えることがあります。
例えば、「家具をととのえる」で、整えると書くと家具をきれいに並び替えるになり、調えると書くと足りない家具を購入するという意味になります。