空調設備の仕事は文字通り、家庭用の一般的なエアコンから大型施設の空調配管の設置や撤去、メンテナンスといった幅広い業務を担当します。
その中でも特にエアコンの工事を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。夏や冬など、エアコンをフル稼働させる季節に修理に来てもらったことがあるという人もいるでしょう。
現代社会になくてはならない空調設備ですが、需要はあるのになかなか人が集まらないという現状もあります。それは、「空調設備の仕事はきつい」といって、早期に辞めてしまう人が多いためです。
そこで今回は、空調設備の仕事がきつい・大変な理由や空調設備の仕事の良いところ、そして空調設備の仕事で疲れた時に試したい、疲労のリセット方法などについて詳しく紹介していきます。
目次
間違いなくきつい!空調設備の仕事が大変な理由
空調設備というと、まず思い浮かぶのはエアコンの室外機でしょうか。見るからに重たそうですが、この機械を最終的には人の手で現場まで運ばなければいけません。
また、空調設備はいちど設置したらそれで半永久的に動き続けるものではありません。定期的にメンテナンスが必要になりますし、時には空調設備そのものを交換することもあります。
そんなふうに空調設備の仕事が「きつい」と感じられる場面は多くありますから、辞めていく人が減らないのも無理はありません。それでは、空調設備の仕事が大変だと言われる具体的な理由を見ていくことにしましょう。
体力的に限界まで追い込まれることがある
空調設備の仕事が大変だ・つらい」と言われる最も大きな理由のひとつが、体力的に相当きついという点です。空調設備そのものや、配管自体にそれなりの重量があることを考えてみてください。
体力に自信がない人はすぐにギブアップしてしまうでしょう。また、空調設備の仕事をする際に使用する工具についても、ふだん使わない筋肉を動かすため、コツをつかむまでは筋肉痛との戦いです。
このように、空調設備の仕事は体力的に限界まで追い込まれる可能性が高く、日常的に体力づくりに励んでいるという人以外にとっては、かなりきつい業務であることは間違いありません。
きついと分かったうえで、これから空調設備の仕事を始めようという人は、ある程度の覚悟を持って空調業界に飛び込むようにする必要があるでしょう。
繁忙期には休みが取れない
空調設備の中でも最も需要のあるもののひとつと言えば、「エアコン」です。一般家庭はもちろん、ありとあらゆる施設にエアコンは設置されていて、わたしたちに快適な空間を提供してくれます。
そんなエアコンの需要が特に高まるのは真夏と真冬です。エアコンの故障によって熱中症になる・寒さがしのげなくなるなど深刻な状態に陥ることもありますから、空調設備の仕事は多忙を極めることになります。
また、夏と冬の繁忙期にはエアコンの修理やオーバーホールなどの依頼が各所から殺到しますから、空調設備の仕事にたずさわる人は満足に休みを取ることもできません。
そして土日も祝日も関係なく、働きづめになる毎日が続きます。プライベートな時間がほとんどなくなるため、「きつい・もう空調設備の仕事は続けられない...」と、感じ始める人も多いようです。
危険できつい仕事なのに給与が安い
重量のある空調設備や配管などを取り扱う空調設備の仕事は危険がともなう重労働です。そうした大変さがあるにもかかわらず、給与はそれほど高くありません。
また、真夏や真冬などの繁忙期には空調設備にまつわる仕事の依頼が次から次に舞い込むために稼ぎはかなり良くなりますが、それ以外の季節にはぐっと需要が落ち込み、それほど稼げるわけではありません。
このように、危険できつい仕事であるのに給与水準はそれほど高いわけではなく、そして収入に波があるとすれば、なかなか空調設備の仕事を長く続けようという人が現れないのも仕方がないことなのかもしれません。
そもそも空調設備にかかわる仕事がしたくてこの業界に入ったという場合を除けば、空調設備の仕事はどうしても「きつい」仕事になってしまうでしょう。
きついけど楽しい?空調設備の仕事の良いところ
ある程度の体力が求められ、繁忙期には休みも満足に取れないほど多忙を極める空調設備という仕事は、とにかく「きつい」ことで知られています。
「空調設備の仕事がこれほどまでに大変だとは思わなかった」「もう体がついていかない...」と、現場から去って行く人は少なくありません。
しかし、空調設備の仕事は「きつい」という人ばかりではないのもまた事実なのです。では、「空調設備の仕事はきついけど楽しい」と感じられるポイント、空調設備の仕事の良いところについて探っていくことにしましょう。
いろいろな資格を取ってスキルアップすることができる
空調設備の仕事は、実はいろいろな資格を取ることによって少しずつスキルアップすることができる職種でもあります。資格手当がつく職場も多く、給与に反映されやすいのもポイントです。
「第二種種電気工事士」という国家資格を資格を持っていると、エアコンやコンセントの設置、アース線や建物内の配線の施工に関する工事をおこなうことができるようになります。
「電気施工管理技士」は現場を監督する専任の技術者であり、現場で働く作業員を管理する立場になりますから、会社側からも重宝がられる存在です。
エアコンの配管をつなぐ際に必要になる「ガス溶接」に関係する資格も、持っておいて損はないでしょう。このように、空調設備の仕事はきついですが、頑張り次第ではそれなりの給与アップも見込めるのです。
仕事をしているだけで体が鍛えられる
いつものように仕事をしているだけで、自然と体が鍛えられるというのも、空調設備の仕事ならではの「特典」と言えるかもしれません。
空調設備の仕事をスタートしたばかりの頃は、どのように体を使ったらよいか分からず、むやみに体を痛めてしまうことも多いですが、仕事に慣れてくると筋肉の使い方が上達してきます。
そのため、まるでジムに通っているような引き締まった体を手に入れることも夢ではありません。空調設備の仕事はきついですが、こうした「見返り」もあるということを覚えておきたいですね。
体力にあまり自信がないけれど、空調設備の仕事をしてみたいという人は、体を作る意味も込めて、思いきって空調設備の業界に飛び込んでみるのも良いかもしれません。
暑さ・寒さに左右されない!作業環境はそれほど悪くない
空調設備の仕事はエアコンの室外機の設置など、屋外でおこなう仕事もたくさんありますが、その他の空調設備については屋内に設置されていることも多いため、作業環境的にはそれほど悪くはありません。
季節を問わず屋外作業が求められる土木関係や建設現場などと比べると、空調設備の現場はそこまで過酷を極めるということはなさそうです。
とはいえ、屋内仕事であっても空調が効いていない場合もありますし、仕事の内容的にはきついと感じられる部分も多いため、必ず「恵まれた環境で作業ができる」とは限りません。
これから空調設備の仕事に就くことを考えているのであれば、どのような現場で働く機会が多いのかという点についてもしっかりリサーチしたうえで就職先を選ぶ必要があるでしょう。
空調設備の仕事に疲れたら!溜まった疲労をリセットする方法
体力を極度に消耗することが多いのが空調設備の仕事です。仕事から帰る頃には疲労はピークに達し、きついと思わずにはいられない日々が続くでしょう。
上手に疲れを取ることができなければ、蓄積した疲労によって仕事に対するモチベーションが下がってしまうことも考えられます。
ということで、ここからは空調設備の仕事で溜まった疲労をリセットする方法について考えていきます。
バランスの良い食事を心がける
空調設備の仕事に限ったことではありませんが、疲労を回復するためにまず取り組みたいのは、「バランスのとれた食事をとる」ということです。
疲れた体が欲している栄養素を適宜おぎなっていくことによって、疲労によって蓄積された乳酸は少しずつ減っていき、損傷した筋肉の回復も早くなります。
特に疲労回復に効果があるとされるビタミンB1を多く含む食品をメインに摂取するように心がけると良いでしょう。ビタミンB1は豚肉やレバー、豆類などに多く含まれています。
ビタミンB1は水溶性の栄養素なので加熱時間をできるだけ短くすること、煮込み料理に使う場合には煮汁も一緒に食べるようにすると、さらに健康効果がアップするのでおすすめです。
体を温めて血行を良くする
疲労した体に適切な栄養素をおぎなうことができたら、今度は体をしっかり温めて、血行を良くすることを意識してみましょう。
40℃前後のお湯に10分ほどつかっているだけで、全身の筋肉疲労はかなり回復します。空調設備の仕事がきつい・疲れた...という時は、シャワー浴で済ませるのではなく、ぜひ全身浴をしてみてください。
全身の血行が良くなっている入浴後に軽いストレッチをするのも、仕事で疲れた体をほぐすのに役立ちます。代謝がアップして体のゆがみも取れるなど、良いことずくめです。
寝る前にほどよく体を動かすことによって深い眠りに入ることができるため、疲労の回復度合いもさらに高まるでしょう。
決して楽ではない空調設備の仕事!体がきついと感じたら転職することも考えて
空調設備の仕事がきつい・大変な理由や空調設備の仕事の良いところ、そして空調設備の仕事で疲れた時に試したい、疲労のリセット方法などについて詳しく紹介してきました。
資格を取得してスキルアップを目指すことが可能なことや、仕事をしながら体力増強できることなど、きついと言われる空調設備の仕事には良い面もあります。
しかし、空調設備の仕事は決して楽にこなせるものではありません。「体がきつい・これ以上は持たないかもしれない」と感じた時には迷わず、転職も検討していくようにしましょう。