朝から晩まで、毎日どこかで必ず使用している「水」ですが、いつも下水処理のことまで考えながら水を使っているという人はほとんどいないでしょう。
下水処理場には、トイレや家庭の生活用水、町工場やホテル、商店などといった各種の施設から排出される汚水や雨水を地価の水路などに集約して消毒する役割があります。
さらに汚水の中に含まれる有機物を分解して水質を保ったり、大量の雨水を下水道に流して水害を防いだりするといった役割も担っています。
このように下水処理場は私たちの生活に欠かせないものですが、そうと意識せずに毎日を過ごしているのが実情であり、下水処理場で働くことについて考えることも、あまりないかもしれません。
下水処理場で働くことは、汚水を扱うこともあり臭気が気になることを含めきついことばかりであることから、仕事を始めてもすぐに辞めてしまう人が後を絶ちません。
そこで今回は、「きついだけではない」下水処理場で働くメリットや下水処理場で働くことのデメリット、そして仕事をしていくうえで重要な「ストレス解消法」について、くわしく紹介していきます。
目次
「きついだけではない」下水処理場で働くことのメリット
下水処理場で働くというと、「服に臭いが染みつきそう」「毎日下水の処理をして生活するのはイヤだ」など、さまざまなことが脳裏に浮かぶかもしれません。
確かに下水処理場で働くことを「きつい」と感じることも少なからずあるでしょう。しかし、下水処理場の業務を単純にきついだけの仕事だと思っていたら大間違いです。働いていくうちに、様々な利点が見えてくることもあります。
ではさっそく、これから下水処理場で働くことを考えている人に向けて、下水処理場で働き続けることによって得られるメリットについて考えていくことにしましょう。
「人々の生活の役に立っている」という誇りが持てる
「下水処理場で仕事をする」というと、正直なところあまりポジティブなイメージが浮かばないかもしれません。しかし、下水処理場は人々の生活になくてはならない存在だということを思い出してください。
下水処理場でさまざまな汚水を浄化し、浄化した水を海に返すという機能が働いているからこそ、海をクリーンな状態に保つことができます。下水処理場がなければ、海は汚れ放題になってしまいます。
また、人々の暮らしを守ることに貢献しているのも下水処理場で仕事をする人々です。日々の生活の中で使っている生活用水の処理はもちろん、下水処理場でおこなっています。
また、台風や大雨など災害時には下水の量を調整することで街に暮らす大勢の暮らしを守っているということも、忘れてはいけません。
このように、地味ではありますが、人々の暮らしを根底から支えている存在が下水処理場であり、下水処理場で仕事をする人々なのです。
資格を取ってキャリアアップできる可能性がある
下水処理場で仕事をするために、特別な技術や能力は必要ありません。だからこそ、「チャレンジしてみたい」と思ったら誰でもトライできるのも下水処理場の仕事です。
ただ、下水処理場では水質管理の仕事もおこなっていきますから、職務内容に応じた資格を取得することで、さらなるスキルアップを目指すこともできるでしょう。
「公害防止管理者」や「環境測量士」といった資格もそのひとつです。日々の仕事をこなしながら勉強して資格を取ることで、給料アップにつながる可能性もあります。
このように、下水処理場での仕事は自分の努力次第でどんどん幅を広げていくことも不可能ではないのです。一般的に「きつい」と言われる下水処理場での仕事ですが、まずは現場を知ってみてはいかがでしょうか。
この先も仕事がなくなる心配がない
「会社の経営が傾いたらクビになるかもしれない」「仕事がいつなくなってしまうか分からないから不安...」そうした仕事を失うかもしれない恐怖とは無縁と言っても過言ではないのが下水処理場です。
人々は生活をしていく限り水を使い続けます。人の暮らしと水は切っても切れない関係ですから、人が存在し続ける限り、下水処理場の仕事がなくなることはないのです。
時には「きつい」と感じられることも多い下水処理場での仕事ですが、この先も安定した雇用が約束されていることを考えると、下水処理場での仕事も悪くないのではないでしょうか。
「きつい以外の何物でもない!」下水処理場で働くことのデメリット
「排水の臭気がきつい」「服に臭いが染みつきそうで不安...」といったマイナスの要素があることから、進んで下水処理場で仕事をしたいと思う人は少数派のようです。
中には「下水処理場で働くことはきつい以外の何物でもない!」と言う人もいるかもしれません。それほどまでに大変な仕事とは、一体どのようなものなのでしょうか。
では、下水処理場で働くことのデメリット、具体的にどのようなところが「きつい」のか、掘り下げて考えていくことにしましょう。
体調が悪くなることも!排水の臭気がきつい
下水処理場というと、一般的に「汚い」「臭い」といったイメージを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、下水処理場の求人を見ると「クリーン」なイメージを打ち出している会社がほとんどです。
確かに現在の下水処理場はできる限り臭気を抑えられるようなシステムにはなっていますが、それでもやはり排水の臭気は気になるでしょう。
また、管理システムを操作するデスクワークに似た仕事もありますが、時には汚い仕事もあります。下水処理場の中にシャワーが設置されているところもありますが、やはり臭いは気になるところです。
「最初はきついかもしれないが、そのうち臭いには慣れるから大丈夫」という人もいますが、それでも体調が悪くなってしまうことも考えられます。
下水処理場に休みなし!24時間のシフト制
人の生活が365日・24時間、途切れることなく続いていく限り、下水処理場は1年中・休むことなく稼働を続けることになります。下水は24時間、絶え間なく流れてきますから、基本的に休みはありません。
ですから、勤務体系は当然、24時間のシフト制ということになります。もちろん夜勤もありますから、体力に自信がない、不規則な生活を強いられるのはきついと感じる人にとってはつらい仕事です。
下水処理場で働くことを決めたのであれば、下水の臭気に慣れることに加え、体調管理にもしっかり気を配るようにすることが必要でしょう。
ただ、残業はそれほど多くないため、仕事の時間が終わればプライベートの時間をしっかりと確保することができるというのは、良いところかもしれません。
慣れると単調な作業の繰り返しになる
下水処理場での仕事は基本的に、決まった作業をとどこおりなく、スムーズにこなしていくことが大切です。特に刺激的な内容ではありません。
それでも最初は覚えることも多く、退屈だと思える時間はないかもしれません。しかし次第に作業に慣れてくるにつれて、単調な作業をくり返す毎日に飽きてしまう可能性も考えられます。
そのため、クリエイティブな仕事をしたい、新しいことにどんどんチャレンジしていきたいと考える人にとっては、下水処理場の仕事は少し退屈・きついと感じられるでしょう。
きつい下水処理場での業務をするうえで重要なストレス発散方法
下水処理場で働くということは、排水の臭気や単調な仕事、24時間のシフト制という業務体系を受け入れることが必要になってきます。
勤め始めたばかりの頃は仕事を覚えることに必死でがむしゃらに働くことができるかもしれませんが、業務に慣れてくるにつれて、下水処理場で働くことに違和感をおぼえるようになることもあります。
ということでここからは、「きつい」と言われる下水処理場で業務をしていくうえで大切な、上手なストレスの発散方法について紹介していきます。
ストレス発散の基本!たくさん食べてたっぷり眠る
ストレスを効率よく発散するためには、まずは体をベストな状態に近づけることが重要です。食事は1日3食きちんと摂るように心がけ、夜更かしをせずにたっぷりの睡眠をとるようにしましょう。
必要な栄養素をバランスよく体内に摂り入れて、しっかりと睡眠時間を確保することで体は内側から修復されていきます。体のコンディションが整えば、自然に心の状態も良い方向へ向かっていくはずです。
「下水処理場での仕事に疲れてしまった」「業務がきつい」という時はぜひ、特別なことをしなくてもストレスは発散できるのだということを、覚えておくと良いでしょう。
自分を思いきり甘やかす日を作る
下水処理場での仕事は想像以上にきついことが多いものです。「もっと楽しく働ける職場に移りたい」「大変なことばかりで疲れてしまった...」ということもあるでしょう。
そんな時にはぜひ、いつも頑張っている自分を「思いきり甘やかしてあげる日」を作るようにします。ご褒美として美味しいものを食べたり、欲しいものをひとつ購入してみたり、旅に出て非日常を味わうのも良いでしょう。
休日にしっかりと下水処理場での仕事を忘れることができれば、心も体もリフレッシュして、また「頑張ろう」という意欲がわいてくるかもしれません。
下水処理場の仕事は想像以上にきつい!辞めたいと感じる時は心の声に従おう
「きついだけではない」下水処理場で働くメリットや下水処理場で働くことのデメリット、そして仕事をしていくうえで重要な「ストレス解消法」について、くわしく紹介してきました。
人々の暮らしになくてはならないのが下水処理場であり、やりがいのある仕事であることは間違いありません。努力次第ではキャリアアップも目指せるでしょう。
しかし、下水処理場で働くことがきついと感じられる場面も多々あることも事実です。いろいろなストレス解消法を試しても効果が得られない場合もあるかもしれません。
ですから、下水処理場での仕事が「きつい」「辞めたい...」と感じる時には無理をせず、自分の正直な気持ちを優先させ、思いきって転職を考えるようにしましょう。