持ち合い相場での取引方法。レンジ相場の動きとテクニカル指標の使い方

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FXの為替相場は大きくトレンドとレンジの2パターンに分けられます。

基本的にトレンドを狙いますが、相場の大半はレンジで構成されているのです。

そのためトレンドだけでなくレンジでも取引をしようと考えるトレーダーも少なくないでしょう。

ではレンジ相場ではどのように取引していけばいいでしょうか。

レンジ相場は持ち合い相場

トレンドの対としてレンジと呼ばれることも多いですが、別の呼び名として持ち合い相場として呼ばれることもあります。

呼称はトレーダーにより違いますが内容は同じなため「レンジ相場=持ち合い相場」と理解すれば問題ないでしょう。

レンジはトレンドと違い方向が定まらず上下に行ったり来たりしている状態の相場です。

チャートを見てローソク足が上下に動いて一直線に偏っていない状態であればレンジとなります。

持ち合いという名称から分かるように方向性を探っている状況です。

相場はレンジ相場で方向性を見定め、トレンド相場で定めた方向に動く、という流れを繰り返します。

トレンドからもう一方のトレンドへ移る場合もありますが、基本はレンジからトレンド、トレンドからレンジという形式になるのです。

長期的になっているトレンドもチャートを見てみると途中でレンジ相場を挟んでいる場合も珍しくありません。

相場の大半は持ち合い相場なため、FXで取引をしていくトレーダーであれば長時間見ることになる場面になるでしょう。

レンジ相場はどう動くか

方向感のない動きとなるレンジ相場ですが、持ち合いでも一定の法則はあります。

取引を考えていく場合は流れの特徴を理解しておかなければいけません。

一定の範囲を基に動く

方向性もなく上下に動いているレンジですが、持ち合いという名の通りランダムに動いているわけではありません。

どのレンジ相場も基本的にある一定の範囲を基準にして推移しているのです。

推移の大きさは相場ごとに変わり、狭い範囲もあれば広い範囲で動く時もあります。

FXの為替相場はトレーダーの取引により動きが左右されるため、どの程度の範囲になるかは参加しているトレーダー次第です。

残念ながら決まりはないためチャートを分析して動く範囲を自分で見定めなければいけません。

トレンド相場の場合は流れに応じて抵抗線を引けばいいため難しくありませんでしたが、レンジ相場は動きから自分で上限と下限を見極める必要があるのです。

そのためレンジはトレンドに比べ取引するのは難しく、初心者が手を出す相場ではないといわれています。

ブレイクすると大きく動き、トレンドへ移る

基準となる範囲が決められているように、持ち合いとなるレンジ相場が終わるのは範囲外へ動いた時です。

トレンドも永遠に続かない以上、レンジ相場も時間は状況により変わりますが終わりの時が来ます。

持ち合い相場という名の通りトレーダーの大半は取引せず、トレンドが始まるのを見ている方も少なくありません。

そのため範囲外へブレイクすれば取引が多くなり、それが相場を大きく動かす要員になるのです。

そのため範囲外へ動いた時はレンジ相場を打ち破ったとみなされるため、一気に破った方向へ動く可能性が高くなります。

レンジが終わったと見られれば破った方向にそのままトレンド相場へ移るのです。

もしブレイクした時にレンジ相場を狙って取引をしていれば損失が大きくなる可能性が高いでしょう。

レンジ相場での逆張りでリスクが高いといわれるのは、ブレイクによる大きな動きが関係しています。

時間と値幅が大きい程トレンドの継続も長くなる

ブレイクした後のトレンドがどれだけ動くかはレンジと同じように相場の状況次第です。

しかし基本的に持ち合いであるレンジ相場がどれだけ長く続き、値幅がどれだけ広く推移したかである程度予想はできます。

持ち合い相場はトレーダーが方向感を見定めている状況です。

そのため長く続けば、値幅が大きく動けばそれだけ上か下のどちらに行くか迷っている状態でもあります。

長く大きく迷った分一度方向性が決まりトレンドへ移れば反動が大きくなり、トレンドが大きく長く続きやすくなるのです。

レンジ相場でどう取引していくポイント

トレンドと違う状況なため、同じ手法は通用しません。

レンジ相場で取引する方はトレンドの感覚を捨て、相応のやり方で取引していく必要があるのです。

基本は抵抗線を目安にしての逆張り

レンジ相場は方向感なく上下に動いている状態なため、値動きに乗って取引できる場面ではありません。

レンジ相場は範囲を決めて上下に動いているため、上と下のどちらにも範囲を形成している抵抗線があるのです。

抵抗線を突き破ればレンジ相場は終わりますが、継続すれば反発するポイントになります。

そのためレンジ相場の取引は抵抗線で反発したところを逆張りで取引するのが基本となるでしょう。

気をつけたいのは逆張りだからと本当に抵抗線の部分で取引をしてしまうことです。

トレンド相場の時も同じですが、抵抗線はブレイクして相場が変わるか反発して継続するかの境目となります。

ブレイクしてしまえば今の相場が終わり一気に動く可能性があり、保ち合いであるレンジ相場も同じです。

一気に動けば損失も大きくなってしまうため、取引する時は必ず反発を確認した後に入りましょう。

ブレイクを狙って順張りの取引

一方でレンジ相場はブレイクすればトレンドへ移り、一方に流れやすい相場となる前触れです。

逆張りで取引していく関係上、保ち合いの中で取引をしていくのはリスクがあります。

そのためリスクを考えた場合は保ち合い中は取引せず、ブレイクのタイミングを狙って取引するのがいいでしょう。

ブレイクのタイミングは範囲内から抵抗線を突き破ったところです。

しかし問題としては抵抗線を突き破ったところで必ず相場が転換し保ち合いが終わるとは限らない点があります。

抵抗線や範囲という基準はあるものの、明確に決まっていないためトレーダーの判断によってはブレイクしたとみなされない時もあるでしょう。

自分の目線からはブレイクと判断できても、他のトレーダーは判断していないためレンジが継続するケースも考えられるのです。

他にも様々な面からブレイクしたと見せかけて戻ってしまう「だまし」が存在します。

残念ながらだましを完全に見抜く方法はないため、レンジ相場の継続時間や情報から予測して取引するしかありません。

「だましに遭うのは仕方がない」という心持ちで取引するのも必要です。

いつレンジ相場からブレイクするか分からないため、トレーダーによっては相場を見てられないケースもあるでしょう。

その時はブレイクした後に少し離れたレートを指値注文として入れておくといいです。

もちろんだましの可能性もあるため、同時に逆指値で注文も入れておいた方がいいでしょう。

レンジ相場における逆張りの方法

ブレイクを狙わない場合は逆張りで取引していきますが、問題は抵抗線をどう見極めるかでしょう。

主に以下の方法があります。

自分で高値と安値に平行線を引く

最も基本的なのは自分でどの範囲動くか線を引くことです。

チャートを見ていると一定の値で反発している部分が見られるでしょう。

特に何度も同じ場所で反発している場合は抵抗線として機能していると考えられます。

そのため反発している最高値と最安値を目安にして平行線を引きましょう。

気をつけたいのは平行線を引くことでありトレンドラインを引くことではありません。

普段トレンド相場で取引をしてトレンドラインを引いているトレーダーも多いでしょう。

平行線と違いトレンドラインでは横に引くとズレてしまうため、保ち合いにおいて抵抗線としては機能しません。

チャートのツールでもトレンドラインと平行線は種類が分かれているため、間違えないように気をつけましょう。

平行線を使った取引で問題なのは反発を何度か確認しないと、明確に抵抗線と判断できない点です。

そのためレンジ相場が短期間だと利用できず、長期間でも取引に入るまで時間がかかってしまいます。

ボリンジャーバンドのバンド幅を利用した逆張り

逆張りの取引でよく使われるテクニカル指標といえばボリンジャーバンドでしょう。

ボリンジャーバンド自体はトレンド系列であり、トレンドで使うテクニカル指標なのですが表示される情報から逆張りとして使われることも多いです。

ボリンジャーバンドは上下にバンド幅と呼ばれるものが出てきます。

バンド幅は相場においてどれだけ値動きが推移するかを示す情報であり、外側のバンド幅になる程超える可能性は少なくなるのです。

最初のバンド幅である1aは約70%とされており、まだ超える可能性は考えられる確率になっています。

しかし2aになると約95%とほとんど100に近くなり、滅多に超えることはない確率になるのです。

3aもありこちらは約99%とほぼ100%に近い数値となりますが、逆張りの取引で使う場合は2aのバンド幅で十分でしょう。

チャートによってはバンド幅の表示も自由に設定できるため1aと3aを消して2aだけ表示させるのもいいです。

高確率で反発するようにレンジ相場においては2aのバンド幅を抵抗線として取引していきます。

しかしボリンジャーバンドは相場の状況に応じて形が変わっていくものです。

相場がトレンドになるとバンド幅が流れている方向へ向いてしまうため、逆張りをしてしまうと損失の出る可能性が高くなってしまいます。

そのため逆張りで取引をする場合はバンド幅と真ん中のミドルラインが上下に偏っていないか確認しましょう。

逆に言えばバンド幅とミドルラインからトレンドに入ったかの判断もできるため、逆張りだけではなくブレイクを狙った取引のチャンスにもなります。

他にもバンド幅は縮小して見た目的にも狭くなる時があり、この時は拡大して相場が大きく一方に動く前触れです。

下手に逆張りを狙うと流れでやられてしまう危険性があるため、手を出さない方がいいでしょう。

RSIの天井と底を利用した逆張り

逆張りでよく使われるオシレーター系列のテクニカル指標がRSIでしょう。

RSIは値動きとは別のところに0から100%の範囲で推移する線が表示されるものです。

情報としては相場において買いと売り、どちらの力が強いかを示すものであり100に近い程買い、0に近い程売りが強いといえます。

レンジ相場は買いと売り、どちらもあまり強いと反発しやすくなるでしょう。

RSIにおいては70、80辺りが買われすぎ、20、30辺りが売られすぎとみなされます。

そのためレンジ相場では該当する数値を目安にして逆張りをしていけばいいでしょう。

しかしRSIはトレンド系列を見極める力がないため、単独で使うとブレイクした時の流れにやられてしまいます。

レンジ相場が終わりトレンドが発生したかを見極めるためにトレンド系列と並行して使いましょう。

表示される情報に違いはありますがRSIではなくRCIの方でも同じような使い方で逆張りできます。

どちらを使うかはトレーダー次第なため、自分が見やすい使いやすいと思う方を使うといいでしょう。

一目均衡表の雲を使った逆張り

少し変わった逆張りのやり方としては一目均衡表の雲を使ったものがあります。

基本的に雲は抵抗線となるためトレンド相場における取引の目安として使うのが基本です。

一方でレンジ相場においては値動きが雲の中で推移する時もあります。

雲が薄い場合は何度も雲を突き抜けて推移する動きになることが多いです。

雲の中で推移する状態の時は雲自体を範囲として考え、出ようとするところを目安として取引できます。

厚い雲程突き抜けると大きく動くため、ブレイクの順張りを狙った取引にも使えるでしょう。

最も逆張りという観点から見ると他のテクニカル指標を使った方が効率はいいです。

普段一目均衡表を使っているトレーダー向けといえるでしょう。

リスクを理解して取引する

トレンド相場と比べれば保ち合いであるレンジ相場の取引はリスクがあります。

そのためある程度のリスクを覚悟して取引しなければいけません。

トレンド相場と並行して取引を考える方は、トレンドと比べて取引量やレバレッジを少なくする等してリスクを抑えましょう。

リスクがあるため取引しないという選択も正しいです。

特に初心者が手を出して痛い目を見るケースは多いため、トレンドで勝率が保てるまでレンジ相場に手を出すのはやめましょう。

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