コーヒーの吐き気の原因とは?体の不調を示すサインと対処法。

コーヒーが好きなのに吐き気がすることがあれば、さまざまな原因が考えられます。

特に気を付けたいのは、胃や自律神経などの体調によるものです。コーヒーの吐き気は、普段の体の不調を知らせてくれているかもしれません。

コーヒーの種類から考えられる吐き気の原因

ブラックコーヒーはカフェラテよりも濃くて苦味があるため、より吐き気のリスクがあるように見えます。吐き気はコーヒーの種類が関係しているのでしょうか?

ブラックコーヒー

コーヒーの主な成分はカフェインとポリフェノールです。近年この2つの成分は健康によいと言われていますが、場合によっては吐き気の原因になることもあります。

この2つの成分がより多く含まれるブラックコーヒーは、ミルクを入れたカフェラテよりも吐き気のリスクが高くなります。

昔はコーヒーは眠気覚ましや低血圧を改善する薬として飲まれていて、1日に何杯も飲むものではありませんでした。これは現代でも言えることであり、飲む量やタイミングによっては薬が害となるのと同じと言ってよいでしょう。

カフェオレ

カフェオレはコーヒー1:ミルク1で作るため、ブラックコーヒーほどコーヒーの成分は多くありません。ただしミルクに含まれる乳糖が吐き気を引き起こすことがまれにあります。乳糖を分解する酵素がないと、大腸に直接乳糖が送られて消化不良の原因になります。

ミルクを飲むとたいてい吐き気がする、または下痢になる人は、ブラックコーヒーを飲んだ方がよいこともあります。

吐き気から考えられる症状

コーヒーを飲むと吐き気がする原因は、何らかの症状があって副次的に吐き気がすることがほとんどです。この症状を放置するとさらに悪化する恐れがあります。

胃痛

吐き気の原因の多くは胃の不調によるものです。なぜコーヒーを飲むと胃腸が悪くなるのかと言うと、コーヒーのpH(水素イオン活量)が酸性であるためです。

胃の中では常に一定の酸性度が保たれていますが、この胃酸で胃の中に入った微生物を殺菌するためです。そこにコーヒーの飲み過ぎなどでさらに酸性の飲食物が体に入ると、胃酸が過剰分泌します。これが胃の荒れる原因です。

貧血

ポリフェノールの1種、タンニンは、鉄分の吸収を妨げることがあります。鉄分不足になると貧血になります。

貧血とは、全身に酸素を運ぶ赤血球の数が減少することです。赤血球内のヘモグロビンが正常時の30%以下になると、吐き気を催す恐れがあります。

自律神経の乱れ

自律神経は、体の働きを活発にする「交感神経」とそれらを休める「副交感神経」の2種類があります。カフェインには交感神経の働きを高めますが、飲み過ぎると自律神経は乱れ、吐き気の原因になります。

内的原因の吐き気

コーヒーを飲むと吐き気がする原因で最も多いのが、自身の体調・体質によるものです。

空腹時

空腹時に飲むと、胃が荒れて吐き気を催すことがあります。空腹状態の胃は酸性度が強く、コーヒーを飲むことで胃酸が過剰に分泌されて胃が荒れるのです。

空腹を避ければ、健康な弱アルカリ性の体内を保てます。極端な空腹時にコーヒーだけを飲むのはやめましょう。

コーヒーアレルギー

コーヒーアレルギーは摂取してから数日後に症状が表れる遅発型アレルギーです。遅発型とは、すぐに症状が出るのではなく、摂取してから翌日以降に症状が表れます。

コーヒー豆が古いわけでも、飲み過ぎでも、体調不良でもないのに吐き気がする場合は、コーヒーアレルギーが考えられます。IgGアレルギー検査でコーヒーアレルギーかどうかが判別できます。何度か吐き気がある場合は、かかりつけの病院で相談して下さい。

カフェインを制限中

コーヒーに含まれているカフェインは覚醒作用がある刺激物です。よってホルモンバランスに影響を与える恐れがある妊娠中の女性は注意が必要です。

個人の体質によりますが、1日3杯までが限度と言われています。しかしコーヒー1杯でも吐き気を催すことがあれば、飲むのを控えましょう。

外的原因の吐き気

体調が良好で体質に問題がなくても、習慣やコーヒー豆の状態によっては、コーヒーを飲むと吐き気がすることがあります。

飲み過ぎ

いくら体調がよくても、コーヒーの飲み過ぎは体によくありません。成人の1日摂取量の目安は、カフェイン400mlまで、コーヒーカップ6杯までとされています。体が小さい子供は、胃腸の機能が発達していないので、さらに減らす必要があります。

カフェインはコーヒー以外に、緑茶や紅茶にも含まれています。コーヒーをあまり飲んでいないのに吐き気がする場合、1日の飲み物のカフェイン量が及ぼしていることもあります。

品質不良

コーヒー豆自体が吐き気の原因になることもあります。乾燥しているので基本的に腐りにくいものではありますが、コーヒー豆は摘み取り後から徐々に鮮度が落ちているのです。これを酸化と言います。酸化は、空気中の酸素と結びつき味や成分が変質していくことです。

買ってから3ヶ月以上経ったもの、湿度が高い場所に置いてあるコーヒー豆は酸化しやすくなります。

コーヒーの成分

コーヒーに含まれるポリフェノールの1種、クロロゲン酸も酸性物質です。過剰摂取をすると吐き気の原因になります。

吐き気の治し方

これまで述べた、体質やコーヒーの飲み方で吐き気を覚えた場合の治し方をご説明します。ただし吐き気を超えて、嘔吐を繰り返すようであれば、病院で診察を受けて下さい。

安静にしてカフェインを抜く

カフェインを摂取後、体内から除去できるのは6時間かかります。その間は胃腸に負担がかからないように、睡眠をとる、椅子に座るなどして安静にして下さい。

胃腸を温める

吐き気を催す原因となる胃の荒れを改善するために、温かい飲み物を飲みましょう。体温が上がると、基礎代謝は12%アップして胃腸の機能が改善します。

200mlのお湯に生姜汁・片栗粉・はちみつ各小さじ1杯を入れた生姜湯を10分程かけてゆっくりと飲んで下さい。もし生姜湯が作れなければ、60℃ほどの熱すぎない白湯でも構いません。体の芯から温まります。

軽いストレッチをする

吐き気が軽度で体が動かせそうであれば、深呼吸をして軽くストレッチをしましょう。血行がよくなれば、副交感神経が正常に働き自律神経が整います。

体質を見直してみよう

コーヒーを飲んで吐き気がするのは、日頃の体質を見直すきっかけになります。いつでもコーヒーを安心してコーヒーが飲めるように、体質改善をしてみましょう。

腸内環境を整える

コーヒーは覚醒作用や利尿作用が働く刺激物でもあります。しかし普段から胃腸が丈夫であれば、吐き気の心配はありません。

吐き気を感じやすい人は、腸内環境を整えましょう。アルカリ性の食品、野菜、果物を意識してたくさん食べると、胃が酸性に傾きすぎず、コーヒーを飲んでも吐き気がすることもありません。

夏は冷たいものばかり食べたり飲んだりすると、体温が低くなり代謝が悪くなります。体を冷やさないことを常に意識して、温かい食事をとり胃腸の機能を高めましょう。

血行を促進する

コーヒーをおいしく感じる冬は特に、同時に体内の血の巡りが悪い人が多く、コーヒーを飲んで思わぬ吐き気に襲われることもあります。

血行をよくして自律神経を整えると、いつでもコーヒーが楽しめるほど体調が安定します。日頃から軽い運動を取り入れて、体内の血行を促進させましょう。

デカフェコーヒーを飲む

近年ではコーヒーの成分の健康効果が注目されています。カフェインが90%以上除去されたデカフェを飲むと、カフェイン以外の成分を摂取できます。

またコーヒーの香りにはリラックス効果があり、自律神経も安定します。デカフェコーヒーを飲み続ければ、将来的には吐き気もなく普通のコーヒーが飲めるようになるかもしれません。

コーヒーがおいしいのは健康の印

いつもはおいしく飲めるコーヒーで吐き気を覚えるのは、体調によるものがほとんどです。すぐに治まるようでしたら軽度の不調、嘔吐するまでなら病院の受診が必要です。

今後はコーヒーを飲むたびに、ぜひ体の声にも耳を傾けてみて下さい。

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