脱毛サロンやクリニックで施術を受ける際には、ひんやりとした冷却ジェルを肌に塗られることがあります。
冷却ジェルの使用は、あまり気にならない人から、とにかく苦手で何とかしたいと感じる人までいますので、事前にどんなものなのかを知っておくといいでしょう。
場合によっては冷却ジェルを使わずに済む脱毛を選ぶことも必要になってきます。
今回は、脱毛の冷却ジェルについて、気になる点を掘り下げて解説します。
目次
脱毛で冷却ジェルを使う目的は?
そもそも冷却ジェルは何のために使うのかが気になりますね。
ひとことで言えば、冷却ジェルは利用者の安全や肌のことを考えて使われています。
冷却ジェルの使用目的を詳しく見ていきましょう。
高熱から肌を守りやけどを防ぐため
一般的な脱毛は、毛のメラニン色素に熱を与えて毛根細胞に働きかける仕組みです。
部分的には70度ほどの高熱になるため、やけどのリスクがあります。
肌に何も塗らない状態で施術すれば、直接的に熱が加わることになって危険です。
冷却ジェルによって肌をひんやり冷やすことで肌を守り、やけどを防ぐことにつながるのです。
照射時の痛みをやわらげるため
もともとある毛をなくしていく脱毛は、施術時にちくっとした痛みを感じることがあります。
これは、脱毛が高熱によって毛根細胞を焼いているからで、肌が炎症を起こすことで痛いと感じるわけです。
冷却ジェルで冷やすことで痛みの緩和にも役立っています。
肌を乾燥させないため
冷却ジェルには保湿成分が含まれているものもあり、施術時のやけどや痛みを回避する以外にも保湿効果が期待できます。
脱毛は熱が加わることで肌内部の水分を奪うことで乾燥し、施術後の肌トラブルに発展しやすい状態です。
冷却ジェルに含まれる保湿成分で施術後の乾燥を防いでいるのです。
照射時には使わず、仕上げに使うジェルもあります。
仕上げで使うジェルは冷却ジェルほど冷たくはありませんが、少しひやっとすることはあります。
ジェル自体に脱毛効果があるタイプも
ここまでのジェルとは異なり、ジェル自体に脱毛効果があるタイプも存在し、「SSC方式」と呼ばれる脱毛技術で使われています。
正確には脱毛ではなく「制毛」作用をもつジェルですが、従来の光脱毛と同様の効果が見込めるとされています。
通常の冷却ジェルは施術時のリスクを抑えるために使われるものですが、SSC方式で使われるジェルは、ジェルそのものの効果を使って毛にアプローチしていきます。
SSC方式の脱毛とは?
SSC方式では制毛作用がある特殊なジェルにライトをあてることで、ジェルが溶けだし、毛の再生能力を低下させていきます。
通常の脱毛のように毛根細胞を高温で焼くわけではないため、低い熱で脱毛することが可能です。
従来の脱毛と比べて痛みが少なく、やけどなどの肌トラブルのリスクが低いとされる脱毛技術です。
ジェルには制毛成分だけでなく美肌成分も含まれているため、肌がきれいになる脱毛だとも言われています。
現在SSC方式の脱毛を導入している脱毛サロンには、ミュゼプラチナム、脱毛ラボ、コロリーなどがあります。
冷却ジェルにはデメリットがある
冷却ジェルには肌を守る効果があるため、脱毛時には必要なものだと分かりましたが、デメリットもあります。
脱毛では費用や痛みなどに着目されがちですが、冷却ジェルが苦手で脱毛通いが嫌になる人も少なくないため、どんなデメリットがあるか押さえておきましょう。
体を冷やしてしまう
多いのは、冷却ジェルが冷たすぎるのが苦手だと感じるケースです。
やけどや痛みを抑えるためには、かなりひんやりしたジェルを使われていることもあり、広範囲に塗布することで体全体が冷えてしまいます。
ワキや腕だけなどの部分脱毛であればまだいいのですが、全身脱毛ともなれば寒くて耐えられない方もいます。
塗布と拭き取りに時間を要する
冷却ジェルを使う脱毛では、脱毛機を当てる時間だけでなく、ジェルを塗布したり、拭き取ったりする時間がかかります。
脱毛は仕事や家事の都合をつけて通うため、できるだけ短い時間で終わらせたいと思いますよね。
特に全身脱毛の場合は照射だけで数時間かかることもあるため、冷却ジェルを扱う時間がもったいないと感じることがあります。
脱毛後にべたつきが気になる
冷却ジェルは施術後にしっかり拭き取りますが、成分が肌に残ることでベタベタすることがあります。
服についてしまうのが気になったり、脱毛後の予定が入れにくかったりします。
ごく稀にジェルで肌荒れすることも
冷却ジェル自体は保湿効果があり、刺激が少ない成分を使用していることがほとんどなので、ジェルで肌荒れするケースは少ないです。
ただ、もともと肌が弱い方などはジェルで肌荒れを起こしてしまう人もいるようです。
肌が弱い方、敏感肌の方はそもそも脱毛しても大丈夫か、出力パワーはどれくらい下げるのかなど、カウンセリングで相談しておく必要があります。
できれば医師がいるクリニックでの脱毛を選ぶ方が、万が一の肌荒れにも迅速に対応してもらえるため安心です。
冷却ジェルを試してみたいなら脱毛体験がおすすめ
脱毛未体験の方は、自分が冷却ジェルを苦手かどうかイメージがつかないこともあるでしょう。
確かめるには実際に冷却ジェルを使ってみるのが一番です。
冷却ジェルは市販もされていますが、わざわざ買わなくても脱毛体験をすればいいですよ。
無料の脱毛体験ができる脱毛サロンやクリニックを利用して、冷却ジェルの使用感を試してみましょう。
脱毛体験では、冷却ジェルだけでなく、痛みはどうか、スタッフの対応や内装はどうかなど、自分の目で見て確かめられるメリットがあります。
冷却ジェルが苦手ならジェル不要の脱毛も手
冷却ジェルのデメリットが気になる方は、ジェル不要の脱毛を使う方法もあります。
各脱毛サロンやクリニックでは、利用者のジェルが苦手という声に応え、ジェルを使わない脱毛や不快感を減らす工夫がなされるようになりました。
冷却ジェルを使わなくても大丈夫?
冷却ジェルを使わない脱毛では、やけどのリスクがあるのではと不安に感じる方もいるでしょう。
結論から言えば、冷却ジェルを使わなくても安全に脱毛できます。
これは、脱毛機自体が持つ冷却機能を使って冷やしているから。
脱毛機によって、冷却ヘッドがついているタイプ、冷却ガスがでるタイプなどがあります。
いずれにせよ、ジェルでないというだけで、冷却していることに変わりはないため、やけどなどの肌トラブルの度合いや痛みの軽減効果は同じ程度が見込めます。
冷却ジェルを使わない光脱毛
人気の脱毛サロンの中では、キレイモは冷却ジェルを使っていませんので、ジェルが苦手で光脱毛を選びたい方にはおすすめです。
また、ジェル自体は使用しても、常温や温かいジェルを使うサロンもあり、冷やしたものに比べると冷たさは軽減されます。
銀座カラーやシースリーでは常温ジェルを使うなどの配慮がされていますので、キレイモ以外で選ぶならいいでしょう。
クリニックは選択肢が豊富
脱毛サロンで冷却ジェルを使わないところは限られますが、クリニックの方が冷却ジェルを使わないことが多いため選択肢は増えます。
たとえば、湘南美容外科やリゼクリニック、レジーナクリニックなど。
クリニックの場合は複数の脱毛機を扱っていることも多く、肌や毛質にあわせて使い分けてくれるため、どの脱毛機を使うのかカウンセリングのときに聞いておくといいでしょう。
取り扱い脱毛機はクリニックのHPなどでも確認できますが、実際にどれを使うのかは聞いてみるのが一番です。
それによって冷却ジェルを使うかどうかも異なります。
家庭用脱毛器もおすすめ
脱毛サロンやクリニック以外で唯一脱毛効果が期待できるのは家庭用脱毛器です。
家庭用脱毛器は家庭で安全に脱毛できるように出力パワーが弱いため、ジェルを使わなくても保冷材や冷タオルなどで代用できます。
冷やす温度や場所を自分で調整しながら脱毛できるため、体が冷えやすい方でも乗り切ることができるでしょう。
脱毛サロンやクリニックに比べて脱毛完了までに時間がかかりますが、予約の煩わしさや他人に体毛を見られる恥ずかしさがないなど、一定のメリットがあります。
冷却ジェルを使わないメリット
冷却ジェルを使わない脱毛があるのはいいけれど、結局冷やすなら同じでは?と思いますよね。
冷却ジェルを使わない脱毛は、ジェル有タイプと比べてどんなメリットがあるのでしょうか。
ジェルに比べて冷えにくい
脱毛機の冷却機能を使って冷やす場合、施術する箇所だけを局所的に冷やすことになります。
冷却ジェルをずっと塗った状態で施術をおこなうわけではありませんので、ジェルに比べて体が冷えにくい特徴があります。
塗布や拭き取りの時間が不要で脱毛時間が短い
脱毛機に冷却機能がついていると、機械を肌にあてて瞬時に冷やすため、作業効率がぐっと上がります。
冷却ジェルを塗布、拭き取る時間が短縮され、脱毛の全体時間が短く早く帰ることができます。
脱毛後にべたつかず快適
ジェルを使わなければ成分が肌に残ってべたべたする、服につくなどの不快感をもつことがありません。
脱毛後に食事や買い物に行く予定があっても快適に過ごすことができます。
冷却ジェルの有無で脱毛効果に違いはあるの?
冷却ジェルを使わないことで脱毛効果が下がってしまうことはあるのか、気になる方がいるかもしれません。
ここまでご紹介したように、冷却ジェルは肌を守ることが主な目的なので、ジェルの有無によって脱毛効果に影響を与えることはありません。
冷却ジェルの何が苦手なのかに加え、費用や立地などの複数の条件を整理し、トータルで脱毛を選ぶようにしましょう。
脱毛方法による違いはある
冷却ジェルによる脱毛効果に違いはありませんが、脱毛方法による違いはあります。
主には、脱毛サロンとクリニックによる違いです。
両者の大きな違いは出力パワーにあり、医療従事者がいるクリニックではよりパワーの強い脱毛機を扱うことができます。
脱毛サロンは医療従事者がいないため、クリニックと比較してパワーが低い脱毛です。
当然ながら、パワーが強いクリニックの方が脱毛効果は高く、少ない回数で脱毛が完了します。
パワーが強い分痛みは感じやすいですが、脱毛効果を考えるならクリニックがおすすめです。
冷却ジェルが向いている人、向いていない人
ここまでの内容をもとに、冷却ジェルが向いている人、向いていない人の特徴をまとめました。
【冷却ジェルが向いている人】
- ひんやりとした感覚が気持ちいい人...冷却ジェルが苦手な人がいる一方で、ひんやりするのが気持ちいと感じる人もいます。脱毛は何回も通うものなので、自分が心地いいと感じる状態で受けるのが一番です。
- 暑がりで汗をかきやすい人...暑がりで汗をかきやすい人は、施術時に汗をかくのが恥ずかしいと思うことがあります。冷却ジェルで体温が下がれば汗も引いていくため、冷たい方がいいこともあります。
- エステサロンのような雰囲気を楽しみたい人...冷却ジェルを塗る、拭き取ることで、プロの手で自分の体をケアしてもらっている感覚を味わえます。エステサロンで自分磨きをしている気持ちになれて、美意識が高まるかもしれません。
- 部分脱毛をする人...部分脱毛をするのであれば冷却ジェルがそれほどデメリットになることはありません。ただし、お腹など冷えやすい部分を脱毛するときは注意も必要です。
【冷却ジェルが向いていない人】
- 冷え性、寒がりの人...もともと冷え性で寒がりな場合、冷却ジェルの冷たさがデメリットになることがよくあります。冬場だけでなく夏場でも冷えが気になることもあるため、冷却ジェルには向いていないと言えるでしょう。
- 肌が弱くジェルで荒れてしまう人...刺激が少ない冷却ジェルですら肌が荒れてしまうほど、肌が弱い人はジェルなしの脱毛を選ぶ方がいいでしょう。
- 脱毛時間をとにかく短くしたい人...冷却ジェルを塗る時間がもったいないと感じる人は、脱毛時間がかかるとストレスになります。効率重視派は冷却ジェルなしがおすすめです。
- 全身脱毛をする人...全身脱毛では冷却ジェルが負担となって、途中で嫌になることがあります。脱毛箇所が多い人ほど冷却ジェルの有無をよく考えておいた方がいいでしょう。
最後に
いかがでしたか?今回は、脱毛で使われる冷却ジェルについて解説しました。
冷却ジェルは施術時の肌を守るために必要なものですが、ジェル以外の方法でカバーできる脱毛も増えています。
冷却ジェルが苦手で脱毛通いを続けられないことがないように、自分にあうのかどうかを事前に確認しておきましょう。