子どもが引きこもりになってしまった時、どうして、なんで、と大きな不安を感じてしまいますよね。それは、子を持つ親なら考えて当然の事です。
しかしその心配が大きくなりすぎて、
- しっかり育ててきたはずなのに、なぜ
- うちの子に限って、引きこもりなんて信じられない
- 引きこもりは直ってもらわないと困る
- このままでは将来が不安、なんとかしないと
と引きこもりの原因や疑問を一生懸命考え、不安を全てを子どもに押し付けてしまったり、解決を急いでしまうという事がよくあります。
その結果、子どもの引きこもりと上手く付き合えず、さらに将来が不安になってしまう親も多いのです。
今回は、引きこもりの子どもと、上手く付き合えていない親に共通している事、そしてその解決策を紹介していきたいと思います。
目次
引きこもりの子どもと上手く付き合っていない親に共通する事
引きこもりになってしまった子どもと、うまく付き合っていない親は、以下の点で共通している事が多いです。
子どもの気持ちを理解しているつもりでいる
引きこもりで悩む親に多いのは、「子どもの気持ちを理解しているはず」と思っていることです。
本人は理解していると思っているので
「前はいい子だったのに、こうなってしまったのは~のせいに違いない」「~が原因であるはずだ」
と、原因を断定する言葉が自然と増えてきます。これは親からすれば、子どもを理解している、と思いこんでいるが故に言ってしまっているのです。
しかし、子どもからすれば「そうじゃない、私・僕の話を聞いて。勝手にそう思わないで。断定しないで。」となるわけです。
そして「やっぱり自分の事は、家族でも理解してくれないんだ」と余計に心を閉ざす原因になっています。
そしてそういった思いから「この人たちに話しても無駄」と思うようになり、その結果、親に悩みを話すことができず、親子の関係がギクシャクするきっかけになっています。
子どもの将来を悲観的に考えてしまう
引きこもりの子どもと上手く付き合えていない親の中には、「子どもの将来を悲観的に考えてしまう」人も多いです。
子どもが引きこもりになってしまった時、ほとんどの親は不安に感じます。これはあって当たり前。何も不思議な事ではありません。
しかし異常に不安になってしまって、引きこもり=未来がない、と思ってしまっている場合。
子どもはこう言った親の考えを読み取ることができます。
なので口に出して言わなくても「自分の未来は絶望しかない」「もう誰からも期待されていない」と、自分自身で思ってしまうのです。
親が引きこもりに対して、あまりにも悲観的に考えていると、その意識は子どもにも伝わり、引きこもりを長引かせたり、親がいないと生きていけないようになってしまう負の連鎖になってしまう事も多いです。
引きこもりは直さないといけないもの、と強く思っている
「引きこもりは絶対に直さないと」と強く信じているが故に、実際に子どもの引きこもりが直らないと、それが焦りに発展してしまう事もあるのです。
その焦りから「どうして部屋から出てこないの」「お兄ちゃん、お姉ちゃんは~なのに、どうしてあなたはいつまでもこうなの」「いいから、出てきなさい」と強く言ってしまいます。
すると子どもは「自分は悪いことをしている」とさらに自分を責めてしまいます。
そして親といても叱られるだけ・・という感情が芽生え、相談を親にしなくなってしまいます。その結果、子どもとの間に溝が出来てしまうのです。
引きこもりの子どもを恥じている
そして中には、子どもが引きこもりであること
を恥じている人もいます。
こう親が思ってしまう事で、子どもは「引きこもりである自分は恥なんだ」と感じ、余計に罪悪感が生まれてしまいます。
そして、引きこもりの自分を親が恥ずかしがっていると感じた子どもは『こんな恥ずかしい自分なんて、愛してくれない』と思ってしまうんです。
自分を愛していない家族に相談しても意味がないと思い、徐々に家族との接触も減少してしまうケースもあります。
どうして引きこもりの子どもと上手く付き合うのが難しいのか
親自身に引きこもりの経験がない
親がどうしても子どもを理解できないのかの理由の1つに、自身が引きこもりになったことがない、という事があげられます。
意外に、引きこもりになってしまった子どもの親ほど、引きこもりと無縁の生活をしてきた事が多いです。
そのため引きこもりという状態に、ある程度までは理解ができるのですが、根本には「なぜ」という疑問を常に抱えています。
そしてこのなぜ、という部分に目を向けてしまう親ほど、長く引きこもりを続けている子どもに対して「いつまで引きこもってるつもりなの」「出てきなさい」と強く言い続けてしまいます。
しかしこれは、親が悪いとは一概には言えません。なぜなら親自身はなったことがないので、「どうして出てこれないのか、という部分が分からない」のです。
他にも、「引きこもりって、時間がたてば直るでしょ。」と軽く考えていたり、「そうやってこもり続けるから、外へ出られなくなるのよ」と、子どもを責める考え方をしてしまったりします。
その結果、子どもは「この人たちに言っても理解されない」「本当の気持ちは誰にも分かってもらえないんだ」と、余計に心を閉ざしてしまうのです。
引きこもりは心の甘えと考えている
親の中には「引きこもりは心の甘え」と思ってしまっている場合もあります。
その理由は様々ですが、引きこもりを心の甘えと考える親の中には、親自身も引きこもってしまいたいと思っていた過去があり、しかし両親から無理に外に出されていたという経験を持っている場合です。
さらに今現在、何不自由なく暮らせている親ほど、この経験があると、「引きこもりになってはいけない。引きこもりにならなかったから、私たちは今がある」と強く信じすぎてしまう傾向があります。
なので余計に、子どもが嫌だと言っても「出てきなさい。あなた、自分が何してるか分かってるの。」と言ってしまったり、子どもがリビングに出てきても、「あなたの年頃の子は今勉強してるのに、あなたは家でゴロゴロして」というような言い方をしてしまいます。
引きこもり=未来がない、と思っている
そして一番多いのが「引きこもり=未来がない」と思っている親です。
そのため、引きこもりになってしまった事を受け入れてしまうと、子どもの将来が無茶苦茶になってしまうのではと、常に不安にかられています。
しかしこれにも理由があり、親自身が引きこもりになったことがないので、引きこもりになった後にどうすると将来良くなるのか分からないから、不安に感じてしまうのです。
そしてその不安から引きこもり=未来がない、と考えています。こう言った考え方をしていると、強い手段を取ってでも、引きこもりをやめさそうとしてしまい、さらに子どもとの接し方が難しくなっていってしまいます。
子どもを信じ接してあげる事が、解決への第一歩
引きこもりを解決するには、親が「この子なら大丈夫」と信じ、寄り添ってあげることが大切です。
私たちは絶対に見方でいる、という事を子どもに分かってもらう事も大切です。
焦らず、子どもの気持ちに寄り添ってあげる
まずは、子どもが引きこもりだと将来が・・ということは忘れ、今の子どもの様子に目をむけてみましょう。
そして子どもの気持ちに親が寄り添ってあげることが大切です。
引きこもりの子をよく見てみると、実は毎日計算ドリルをやっていたり、朝はしっかり起きていたり、していることがあります。
これは、引きこもっている罪悪感からそうしている場合が多いです。
こういった行動が見られた場合、本人自身、引きこもっていることは自分にとって良くない、と自覚しています。なので、親がさらに焦りに拍車をかけるのではなく、「この子なら大丈夫」とまず今の状態を受け入れ、そこから子どもの気持ちに親が寄り添ってあげる事が大切なんです。
軽いコミュニケーションから始めてみる
親子関係がぎくしゃくしていると、子どもは親と話す時に、何を言われるんだろうと緊張しています。
特にこれまで怒られてきたり、関わらないように接してこられた子どもは、親から怒られるのではないか、外にでろと言われるのではないかとビクビクしています。
なので、「~しない」「~するべき」という言葉はおいておいて、他愛もない話をし続けましょう。
最初は子どもは警戒しています。しかしずっと話していると子どもも親には何でも言えるんだ、と気づくことができます。
親が引きこもりに対する意識を変えるだけで、物事は好転していく
なのでまずは親が、子どもの考えを受け入れる事が大切です。
「どうすれば引きこもりが直るのか」だけに目を向けるのではなく、子どもの気持ちに寄り添ってあげることが解決への一番の近道です。
親が子に寄り添うことで、子どもにポジティブな気持ちが生まれる
引きこもりの子どもに一番必要なのは、自分の事を分かろう、理解しようとしてくれる人の存在です。
その存在があることで、子どもは安心することができます。
最初は部屋から出てくるまで時間がかかります。
しかし子どもに寄り添おうという気持ちをずっと持っていると、子どもはそれに気が付きます。
なのでまずは親であるあなたが、子どもに寄り添いましょう。そうすることで、子どもは自分にも信じてくれる人はいる、この人のために頑張ろうと前向きになれます。