【遅れる】と【後れる】の意味と使い方・由来や例文

漢字には同じ読み方で、尚且つ同じような意味合いのものが多いため、誤用されることが少なくありませんが、その一つが「遅れる」と「後れる」です。

読み方はどちらも「オクレル」です。

「遅れる」は規定の時間よりもおそくなっているということを表し、「後れる」は他のものよりも後ろ、または他のものが進んでいるのに対して、とどまっている状態を意味します。

遅れるとは

「遅れる」には、以下の2つの意味があります。

1)決められた時間よりおそくなっている状態
2)他のものより進み具合がおそい状態
1)では、出発が遅れているや、会議の時間に遅れるなどと使われます。

2)では、先発隊から相当遅れている、時計が5分も遅れているなどと使われます。

どちらも、時間的なおくれを表現する言葉です。

後れるとは

「後れる」は、他のものが前へ進行しているのに対して、同じところにとどまっていることを意味します。

時間的なおくれとは違い、あるものよりも後ろに位置していることです。

能力に問題があるということではなく、単に後ろに置かれた状態を示しています。

例えば、「最新の流行からは後れている」や、「彼らから後れをとった」などがあります。

遅と後の成り立ち

「遅」という文字は、進むことを表す「?(しんにょう)」と、動物の「サイ」を意味する「犀」で成り立っています。

サイは歩くのが遅いことから、「遅」は遅いことを表します。

「後」という文字の成り立ちは、道と糸と足の象形です。

足に糸が絡まり、道を歩くのがおくれることを意味します。

歩くのが遅いわけではなく、取り残されていることを示します。

時間と位置

遅れると後れるの基本的な違いは以下のことです。

・遅れる:時間的に遅れること、他より進み具合がおそいこと
・後れる:後ろの位置にとどまること、後ろからついて行くこと
例えば、『電車が10分遅れたから、仲間から後れをとってしまった』とあったとします。

その場合は、電車が決められた時間より10分遅れたため、仲間は行ってしまい、取り残されたということです。

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