最近はダイエット方法として糖質制限ダイエットが流行っていますね。
確かに糖質を限りなく制限すれば体重は減っていくでしょう。しかし筋トレとの相性は、それほど単純なものではないようです。
糖質制限とは
世の中でいわれている糖質制限とは、糖質の摂取を限りなく減らしていき、最終的には一食につき糖質20gくらいまで減らしていくのだそうです。
そして脂質やたんぱく質はいくら摂っても良くて、カロリーも無制限だとか。
最初に聞いたときは、正直「こんなもんで痩せるのか?ていうか身体に悪いんでは?」と思いました。
その感覚は今でも変わりませんが、糖質をある程度制限すること自体は、人によってはロリーコントロールをするうえで効果的だと思います。
糖質制限の効果
糖質を制限しようが脂肪を制限しようが、体重はカロリー収支(「摂取カロリー」-「消費カロリー」)によって左右されます。
カロリー収支がマイナスであれば体重が減りますし、プラスであれば増えます。短期的には糖質制限をすれば体重が大きく減るかもしれません。
それは水分とグリコーゲンの減少、そしてグリコーゲンの枯渇からくる糖新生のエネルギー源として中性脂肪や筋中のたんぱく質が分解されたせいだと思われます。
糖質制限をやりだせば、初めのうちにこういった反応が起こるので、ものスゴい効果があるように思ってしまいます。
確かに、長期的に見ればカロリー収支をマイナスにしていれば、内容はどうであれ体重は減っていきます。
糖質制限をしていれば、どんなにカロリーをとっても体重は減っていく…わけありません。
試しにバンバンカロリーをとって糖質制限をしてみてください。絶対太りますから。
糖質よりも飽和脂肪酸をとりすぎるほうが健康を害すると思うのですが、どうなんでしょう。
ともあれ、体重だけを短期に減らしたい方は糖質制限で減らすことはできますが、極端な糖質制限は筋肉の減少も引き起こす可能性が多いのであまりお勧めいたしません。
糖質制限とカロリー
ただ、カロリー過多の人が摂取カロリーを削っていくうえで、糖質の摂取量を制限することは必要だと思います。
筋トレをする人たちは体脂肪を落として筋肉をつけたいわけですから、カロリー制限の主役はもちろん脂質であるべきです。まずは脂質の摂取を抑えましょう。
しかし、一般によく食べる人は糖質をより多く摂取している傾向にあります。ラーメンとチャーハンとか、うどんにかやくご飯とか、パスタとピザとか…その手のメニューは世の中にゴロゴロと転がっています。
脂身をどんぶり鉢いっぱいに食べるのと、白米をどんぶり鉢いっぱいに食べるのとでは圧倒的に白米のほうが食べやすいですよね。そうです、糖質はたくさん食べやすいのです。
ですから糖質の摂取を意識して減らし、その分を筋肉の材料となるたんぱく質に置き換えても、糖質ほど大量には摂取しづらいので結果的に総摂取カロリーは減りますよ、という理屈です。
筋トレと糖質
だからといって極端に糖質を削ることもよくないです。先に挙げた通り、極端な糖質制限は筋肉の分解につながりますし、筋中のグリコーゲンがなくなってしまうと思いっきりトレーニングができません。
人体にとって最も効率の良いエネルギー源は糖質です。特に筋トレのような瞬発的パワーを必要とする場合は、そのエネルギーのほとんどを糖質から生み出します。
その糖質が足りないと、本人は追い込んでいるつもりでも、筋肉を限界近くまで使うことはできません。先に疲労してしまいます。
筋トレはいかに筋肉を限界まで追い込むことができるか、が大事になりますので、少なくともトレーニングをする際には十分な量の糖質が必要不可欠なのです。
そして、たんぱく質を合成する際にも糖質が必要となりますので、筋トレ後の回復期にも糖質は重要な栄養素の一つとなります。
まとめ
昨今のダイエットでもてはやされているような極端な糖質制限は、短期的な体重減少には貢献するかもしれませんが、相乗効果的に筋トレ効果を押し上げるものではありません。
ただ、身体を絞り込むために糖質の摂取量を制限して、総摂取カロリーのコントロールに役立てることは有効な手段だと思います。
それでも筋肉の健康的な発達のために、トレーニングの前後には糖質の摂取はかかせません。
筋トレを頑張ってカッコいい身体を手に入れたい人は、総カロリー摂取量に気を付けながら、糖質の摂取量をうまくコントロールすることが大切だといえるでしょう。