ムースは「泡」という名前の通り、泡立てた生クリームにフレーバーとなるフルーツなどを加えて固めた洋菓子です。
一方ババロアは、「バイエルンの」という意味の名前で、アングレーズソースを泡立てた生クリームと合わせてゼラチンで固めた洋菓子です。
どちらも生クリームを使った生地を冷やし固めたお菓子という点が共通です。
ムースの特徴
ムースは泡立てた生クリームに、フルーツやチョコレートなどを合わせて固めます。
まさに泡のようなふわふわな食感が醍醐味で、
トマトなどを使った甘くない物は、デザートではなく前菜などに提供される事もあります。
チョコレートのように濃厚な素材を使う場合は、味わいを軽くするため、さらにメレンゲ(泡立てた卵白)を併用する事もあります。
ゼラチンを使わず、素材の力だけで固める物もありますが、
しっかりと形を保つためにゼラチンを使うレシピも非常に多いです。
インターネット上で見かけるレシピの場合、むしろゼラチンを使わない方が珍しいでしょう。
ババロアの特徴
ババロアは、基本的に卵と牛乳を加熱して作るアングレーズソースが入る事が特徴です。
食感は、ムースに近いふわっとした食感の物もあれば、プルッとした弾力を感じる物もあります。
ゼラチンでしっかりと固める事を生かして、形が複雑なお洒落な型で固める事もあります。
しかしいちごババロアのように、アングレーズソースを使わない物もババロアと呼ばれる事があり、
ムースとの区別はとても曖昧です。
ただ、ムースは甘くない物も存在するのに対して、ババロアには(少なくとも著名な物は)存在しないという違いはあります。
ムースとババロアの両方がある物
バニラ・チョコレート・いちご・オレンジのように、ムースにもババロアにも使われる素材もあります。
材料や製法に特別な違いがない場合もあり、その区別に統一したルールはありません。
作り手のイメージで決めている事も多いです。
逆に、アングレーズソースを使う方がババロアで、入らない方がムースという区別をつける場合もあります。
ムースとババロア、現代では区別は曖昧
ムースとババロアは、基本の材料と製法が共通している事もあって、とても良く似たお菓子です。
バニラのムースとバニラババロアのように、材料を見ると何も違いがない物も珍しくはありません。
材料も製法も共通している物がある以上、当然世界で共通する厳密な区別は出来ません。
そうなった理由としては、美味を求める過程で製法や使われる素材が変化した事が挙げられます。
結果として、現代では両者の違いは厳密に定義する事が困難となっています。