監視オペレーターに将来性はあるのか？「辞めたい」と思ったら考えるべきこと！
監視オペレーターとは、エンジニアのなかでも銀行や企業などのITシステムが正常に働いているか・問題なく運用されているかを監視する業務に携わる人のことです。
「IT企業で仕事をしている」「エンジニアとして働いている」というと、とてもかっこよく聞こえますが、実は「監視オペレーターを辞めたい...」と思っている人は想像以上にたくさんいます。
ITシステムは24時間365日、不眠不休で動いているため、監視オペレーターの業務も同じく基本的には365日いつでも出勤日になる可能性があります。
また、人生の将来図を描いた時に、「監視オペレーター」としてキャリアアップしていくことは非常に困難であるという点も、監視オペレーターを辞めたい人が続出しているひとつの要因でしょう。
そこで今回は、監視オペレーターの将来性について、監視オペレーターとして長く活躍できる人の特徴、そして監視オペレーターを辞めたいと思った時に考えるべきことなどについて考察していきます。
目次
辞めたい人が続出中？監視オペレーターに将来性はあるのか？
企業の中核を担っているシステムが正常に運用されているかを常にチェックするのが監視オペレーターの仕事であり、大きな責任が生じます。
また、企業の根幹を支えるシステムの監視役ということで、なくてはならない存在であるとも言えます。しかし今、そうした監視オペレーターの仕事を辞めたいという人が増えています。
では、辞めたい人が続出している監視オペレーターという仕事の将来性や、仕事の厳しさなどについて考えていくことにしましょう。
どんな些細なミスも許されないという現実
監視オペレーターは、企業のITシステムの中心的な役割を担っている部分を24時間監視することによって、業務がスムーズに遂行されるように導くのが仕事です。
ですから、「システムに不具合が起きた」と復旧作業を依頼された際には、100％完璧に仕事をこなさなくてはいけません。どんな些細なミスも許されないのです。
作業が完了する前にはもちろん、複数の監視オペレーターが何重にもチェックをしますが、それでも間違いが起きてしまうことは避けられません。
万が一にもミスがあると、企業の存続そのものが危ぶまれるほどの致命的な大損害を与えてしまうこともあるのです。監視オペレーターという仕事は、それほど過酷な現場であると言えます。
つまり、監視オペレーターを続けていく自信がない・辞めたいと思う人が減らないのは、「完璧」を求められることへの重圧感によるところも大きいのかもしれません。
夜勤だらけの勤務体系がつらすぎる
システムが稼働している限り監視オペレーターの仕事は続きますから、監視オペレーターは基本的に決まった休みを取ることはできないと考えられます。
また、「システム監視」という職業上、どうしても必然的に夜勤が多くなりますから、体のリズムを崩しやすく、「辞めたい」という人が減らないのです。
日々何気なく利用している会社のシステムや決済システムなどのすべての技術は、監視オペレーターという「見張り役」がいるからこそ正確に機能しています。
監視オペレーターが365日、1日も休むことなくシステムの状況に異常はないか注視していることによって、私たちは便利なシステムを使いこなすことができているということを忘れてはいけないのです。
キャリアアップは困難！監視オペレーターに明るい未来はない？
IT関連の仕事をしているというと、経験を積むことによってネットワークの構築そのものにかかわることができるようになったり、より大きなプロジェクトに参加できるようになったりするものです。
しかし、監視オペレーターはあくまでも「監視」をすることが仕事でありマニュアル通りの対応が求められますから、キャリアアップすることは実質的に困難と言わざるを得ません。
ですから将来的にIT業界でのキャリアアップを狙っている人などはそうした事実に気づいて早々に、「監視オペレーターを辞めたい...」という気持ちを強くすることがあるようです。
監視オペレーターとして長く活躍できるのはこんな人！
監視オペレーターの仕事はシステムをゼロから構築するのではなく、すでに完成し稼働しているシステムに不具合がないか常にチェックする裏方業務です。
ですから、「表舞台でシステムを作るほうがいい」という人には向いていない仕事かもしれません。それでは次に、監視オペレーターとして長く活躍できる人の特徴について見ていくことにしましょう。
与えられた仕事を真面目にコツコツこなせる人
与えられた仕事を間違いのないようにコツコツとこなしていける人は、監視オペレーターとしての適性があるタイプと言えるかもしれません。
というのも、監視オペレーターの業務は新しくシステムを作ることではなく、すでに完成しているシステムのメンテナンス業務が主だからです。
逆を言えば、メンテナンスに必要な手順・マニュアルの通りに行動できなければ監視オペレーターの仕事は務まりません。ですから、「自己流のやり方で仕事をしたい」という人にはつらい仕事と言えるでしょう。
プライベートよりも仕事を充実させたいという人
前述したように、監視オペレーターの仕事は24時間365日すべてが出勤日になりうるシフト制です。夜勤もありますし、プライベートな時間を確保することが極めて困難な職種であると言えます。
ですから、プライベートな時間よりも仕事を充実させたいという人にこそ向いている仕事なのです。生活の糧を稼ぐために仕事を探している、まず仕事を優先させたいという人にはピッタリでしょう。
また、一度はIT業界で働いてみたかったという人にも、無資格・未経験から飛び込める監視オペレーターという仕事はおすすめです。
困難な課題に直面するほど「燃える」人
銀行や企業のITシステムに不具合・障害が発生するということは、会社やシステムの利用者など、非常に多くの人たちに影響が出る可能性があるということです。早急にシステムを復旧させることが求められます。
そんな時こそ監視オペレーターの出番です。できる限り早くシステムを復旧させるために、不具合の原因を素早く究明し、最短でシステムを回復させるための手段を講じていきます。
「たくさんの人が困っている」という状況の中でおこなう仕事だからこそ、常にプレッシャーがつきまといます。しかし、そうした「重圧感」が逆に心地いいと感じる人もいるのです。
「困難な課題に直面するほど燃える」タイプと言えばよいでしょうか。自分の技術者としての力量が問われる事態を楽しめる人は、監視オペレーターに向いているタイプと言えるかもしれません。
監視オペレーターを辞めたいと思ったら考えるべきこと
なんとなくIT業界に飛び込んでみたくて、未経験でも受け入れてもらえる監視オペレーターという仕事を始めてみたけれど、本当にこのままで良いのだろうかと考え始める人もいるでしょう。
監視オペレーターという仕事に自分は向いていないのではないか、そろそろ辞めたい...と感じることが何度もあるという人もいるかもしれません。
では、ここからは「監視オペレーターを辞めたい」と思うようになった時に考えるべきことについて見ていきます。
監視オペレーターとしてやりがいを感じているか
監視オペレーターを辞めたい...と思うようになったらまず考えたいことは、いま現在「監視オペレーターとしてのやりがいを感じているかどうか」という点です。
仕事へのやりがいを少しでも感じられる瞬間があるという状態であれば、「辞めたい」と思ったのは体の疲れからくる一時的な感情かもしれません。
しかし、仕事へのやりがいをまったく感じないという場合には、辞めたいという気持ちは心と体が出しているSOSのサインである可能性があります。
この先も監視オペレーターという仕事を続けるかどうか、決断の時が少しずつせまっているようです。
生涯「監視オペレーター」として生きていく覚悟はあるか
監視オペレーターという職種でキャリアアップを目指すことは簡単ではありません。むしろ、キャリアアップを望むのであれば、すぐにでも他のIT職種への転職を考えるべきでしょう。
ですから、「監視オペレーターを辞めたい」という気持ちが芽生えたら、自分は生涯にわたって監視オペレーターという仕事をしてくという強い決意があるのかどうか、問いかけてみる必要があります。
「将来のことは気にかかるが、この仕事が嫌いではない」という場合には、早急に辞めるか・続けるかの答えを出すのではなく、しばらくは監視オペレーターとしての現状を維持するのも良いでしょう。
監視オペレーターの仕事は将来的になくなる可能性が高い
監視オペレーターの仕事はシステムにエラーがないか、実際にエラーが起きた時の復旧作業です。人の手によって作られたシステムを人が監視するというものです。
そこで考えてみてほしいことがあります。システムを構築する際には当然、人の手を加える必要がありますが、システムの監視については、必ずしも人間が介入する必要はないのです。
AI技術がめざましい進歩を遂げている現代ですから、やがて監視オペレーターの仕事がAIに取って代わられる日もそう遠くはないでしょう。
ですから、監視オペレーターの仕事は永続的に残り続けるという保証はどこにもないのです。つまり、いつかは職を追われる日が来るかもしれません。
「監視オペレーターを辞めたい」と思った時には、そうした未来を具体的にイメージしてみるのも良いでしょう。
監視オペレーターの仕事は甘くない！辞めたいと思ったら他の業種への転職がおすすめ
監視オペレーターの将来性について、監視オペレーターとして長く活躍できる人の特徴、そして監視オペレーターを辞めたいと思った時に考えるべきことなどについて考察してきました。
IT技術職の中でも参入ハードルが低い監視オペレーターですが、実は夜勤ばかりで体力的にも精神的にも大きく消耗する仕事であることは間違いありません。
「辞めたい」という感情がうずまくようになったのであれば、その気持ちに正直に行動するのも悪くないのではないでしょうか。
監視オペレーターという仕事を従事した経験を活かして、将来性のある他のIT業種やまったく別の職種への転職を考えてみるのが得策かもしれません。