警察官というと、皆さんはどのようなイメージを持ちますか?交番勤務のお巡りさんや刑事ドラマの殺人捜査官を想像するでしょうか。
正義感があってたくましい、そんな警察官像を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、実際のところ警察官という職業は、見た目ほど華やかなものではありません。
どちらかというと地味でコツコツ仕事の繰り返し、忙しすぎて家に帰れない日もあるという大変な職業なのです。そのため、警察官を辞めたいと感じている人の割合はかなりの数にのぼります。
そこで今回は、警察官を辞めたい人が減らない理由や過酷な労働状況、警察官に向いている人・向いていない人の特徴などについて解説していきます。
目次
過酷な労働状況!警察官を辞めたい人が減らない理由
警察官は国家公務員の中でも特に「辞めたい」と感じている人が多いと言われている職業のひとつです。立派な志をもって警察官を目指したにもかかわらず、短期間で退職していく人は大勢います。
「せっかく就いた警察官の職を手放すなんてもったいない」と考えるかもしれませんが、警察官の勤務実態・過酷な労働環境を考えれば、それも納得という感じに思えるようになるでしょう。
それでは、警察官を辞めたい人が減らない理由、その過酷な労働状況の実態をくわしく見ていくことにしましょう。
こんなはずではなかった?プライベートが犠牲になる
警察という組織はいろいろな部署に分かれています。刑事課や犯罪組織課、生活安全課や交通課、交番勤務やパトカー勤務、内勤といったものです。
どの部署に配属されるかは、警察学校を卒業してみるまで分かりません。しかし、どの部署に配属になった場合でも、大抵は泊まりでの勤務が頻繁に発生します。
そんな中、事件が発生すれば解決の目途がたつまで帰れない、処理が終わるまで帰れないというのもよくあることです。仮眠も満足に取れない日が続くこともあり、「辞めたい」と考えるようになるのも無理はありません。
このように、警察官という仕事は昼も夜も関係なく続く仕事であり、独身者・既婚者に関係なく、どんな時でもプライベートが犠牲になることを覚悟しなければいけないのはつらいところです。
不透明な職場?心身のバランスが崩れる
警察というと、国民の安全を守るという立場でありながら、非常に閉じられた組織であるという印象を持っている人が多いようです。
年功序列型で上層部からの命令は絶対、逆らうことは許されないというイメージを持っている人も少なくないでしょう。警察というところは「不透明」な職場であり、職務に従事する警察官も同じような目で見られがちです。
警察という決して小さくはない組織の中の一員である警察官は、日々そうした細々としたルールの中でがんじがらめになり、心身のバランスを崩してしまうこともあると言います。
また、「せっかく警察官になったのに理想としていた仕事内容とは程遠いものだった」と、現実とのギャップに苦しむ人も多いようです。
どんなに貢献しても給与が思ったほど上がらない
警察官という仕事は国家公務員ではありますが、どれだけ地域や組織に貢献しても、思ったほど給与が上がらないという事実があります。
キャリアを積み昇進試験をパスするなど、数字として現れるような成果を出してはじめて給与が大幅にアップしていくという点も見逃せないポイントです。
何かミスをして警察内の出世街道から外れてしまったという場合は、その後の大きな給与改定は見込めないと考えた方が良いでしょう。
このように、警察官は日々とても厳しい状況下で仕事をしているにもかかわらず、それほど恵まれた環境で働いているとは言い難いのが現状なのです。
警察官に向いている・辞めたいと思わない人によくある特徴
警察官という仕事は想像している以上に激務であり、信念や理想を持っているだけでは務まらない職業であるということをお伝えしてきました。
しかし、中には警察官に向いている。警察官を辞めたいと思ったことが一度もないという人も存在するのも事実です。それでは、警察官という職業にピタリとはまる人の特徴について見ていくことにしましょう。
「世のため人のために働く」という使命感を持っている
理想だけでは警察官の仕事は務まらないのは事実ですが、それでも「自分は世のため人のために働きたい」という使命感を持っている人は、警察官に向いているタイプと言えるでしょう。
警察内でどんなに納得できないことが起こっても、理不尽だと思う待遇に嫌気がさしても、最終的に「自分は人々の安全を守るために働いているんだ」という大きな目標がある人は、「辞めたい」とは言いません。
警察という組織のやり方に納得はできなくても、組織に逆らっても良いことはない・逆に行動を制限させてしまうだけだということをよく理解しているのでしょう。
与えられた職務・理想とする仕事をまっとうするために警察官という仕事をしているのだという自負のある人は、警察官として長く務めることができるでしょう。
「簡単にへこたれない」好奇心が旺盛で打たれ強い
警察官という職業は、配属された部署の仕事に限らず、さまざまな部署と連携して仕事を進めることが多い点も特徴的です。
また、部署によっていろいろな人がいますから、ある程度のコミュニケーション能力も必要になります。そのため、何か気になることがあっても簡単にへこたれない気持ちを持っていることは大切でしょう。
また、現場の状況を確認しに行くような場面に遭遇する可能性もありますから、好奇心が旺盛で打たれ強い人の方が「辞めたい」と感じる確率も低く、警察官としての職務を遂行しやすいかもしれません。
誰にでも平等に接することができる
この人に対しては親切に接するけれど、あの人に対しては適当な扱いをするといった、不公平なふるまいは警察官としてあってはいけない態度です。
特に一般の人からいろいろな質問を受ける機会も多い警察官ですから、いくら面倒に感じてしまうような案件であったとしても、人々の気持ちに寄り添った対応をとることが大切になってきます。
そのように丁寧に対応した結果、「ありがとう」「助かったよ」といった感謝の言葉をもらえた時には、警察官としての深いやりがいを感じ、「警察官を辞めたい」などと思う気持ちは限りなく小さくなっていくのでしょう。
警察官に向いていない・早期に辞めたいと思う人に見られる特徴
警察官に向いている人がいる一方で、警察官としての資質に欠けている、警察官に向いていない・早期に辞めたいと思う人がいるのもまた事実です。
仕事のイメージだけで警察官になろうと決意した場合などは特に、理想と現実のギャップに耐えられなくなって警察官を辞めたいと思うようになるケースが多くなります。
ではここからは、警察官に向いていない・早い段階で「辞めたい」と思う人に見られる特徴について確認していくことにしましょう。
真面目すぎて融通がきかない
警察官という職業に限らなくても、真面目に日々の職務をこなすことは大切です。また、警察官は「人々の安全を守る」という職業柄、「規則を徹底して守る」ということも求められます。
ですから、何事にも一生懸命に取り組む姿勢を持ち、ルールを順守できる姿勢を持つことが警察官として大切になってくるでしょう。
しかし、あまりにも真面目すぎて融通がきないとなると、スムーズな業務の遂行・他部署との連携が困難になってしまうこともあります。
規則を守ることは大事ですが、その時々で物事に柔軟に対応できるようになることも必要です。さもないと近い将来、「警察官を辞めたい」と考える日がやってくるかもしれません。
仕事とプライベートの切り分けができずストレスを溜めやすい
警察官という仕事は、場合によっては24時間いつでも呼び出しがかかる可能性がある職業のひとつです。そのため、仕事をしている時間とそうでない時間の区別をつけにくいという難点があります。
そのため、勤務時間が終了してもずっと「仕事モード」のまま頭を切り替えられず、プライベートの時間も仕事のことばかり考えてしまうような人は、警察官には向いていないと言えるかもしれません。
仕事をしている時間とプライベートの時間の切り分けができないというのは大きなストレスです。「警察官を辞めたい...」と、感じるようになるのも時間の問題でしょう。
警察官という仕事を今後も続けていきたいと考えるのであれば、職場から一歩外に出たら自分の時間なのだと意識して区別する必要があります。
すぐにカッとなる・感情的になりやすい
警察官である以上、ある程度の自制心は必要です。ですから、すぐにカッとなって人に詰め寄ってしまう、感情的になりやすいといったタイプは警察官としての資質を問われやすいと考えられます。
そもそも人々の安全な暮らしを守るために存在している警察官が、人々の生活をおびやかすような存在になってはいけません。
「自分の中にある衝動を抑えられなくなってきた」ことにより、警察官を辞めたいと思うようになったという人も、少なからずいるようです。
警察官を辞めたいと思ったら!心と体が限界を超える前に転職を考えるべき
警察官を辞めたい人が減らない理由や過酷な労働状況、警察官に向いている人・向いていない人の特徴などについて解説してきました。
警察官は長時間労働に加え賃金の低さや職場環境に溶け込む難しさなど、さまざまな問題をクリアしてはじめて長く勤められる職場と言えるのかもしれません。
警察官を続けたいと思う人が多くいる一方で、早く警察官を辞めたいという人も続出しているのです。つまり、向き不向きがハッキリしている職業であるとも考えられます。
ですから、「警察官を辞めたい...」少しでもそのように思うことがあれば、決して無理をしないことです。心と体が限界を超えてしまう前に、なるべく早く転職を検討することをおすすめします。