あなたの周りに、あなたのことを困らせてばかりの人はいませんか?「困らせることはやめてほしい」と言ってもいっこうにやめてくれないどころか、あなたのことを困らせていると認めることすらしないかもしれません。
または、あなたはその人に対して意見を言うことすら許されず、本当は困っているのにやめてほしいと言えない関係かもしれません。
いずれにしても、あなたを困らせている人がいるならばその関係は健全とは言えないのです。
なるべく早くこのような関係から脱しなければいけませんし、相手にいいようにされているあなた自身を守ることが大切です。
今回は誰かを困らせたい人の心理と、そのような人に対しどのように接していけばよいかについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
困らせたい心理とは?
身近な人を困らせたいと思っている人には、どのような心理が働いているのでしょうか。ひとつひとつ見ていきましょう。
相手の気持ちを試したいから
恋愛関係で多いのが、相手を試すことで、相手が自分のことを好きかどうか確認したいというものです。
付き合っている相手に対し「他の人に気持ちが移っているのではないか」と不安になることがある人は多いと思われますが、全員が相手を試すわけではありません。
健全な恋愛関係であれば、日々の関係の中で相手に愛されている実感を得ることができます。また、もし相手の気持ちに不安を感じても、不安と付き合いながら時間をかけて相手と向き合おうとします。
しかし、相手を困らせているにも関わらず、相手が自分の要求にこたえて健気に接してくれる姿に安心するというタイプの人がおり、そのような人は不安になったら即相手を試さないと不安で仕方がないのです。
そのような人の言動で多いのが「私のこと好き?」「本当に私のことが好きなら○○して」といったように相手に自分のことを好きだという証拠を見せるよう要求するというものです。
付き合いはじめはそのような言動がかわいいと思うかもしれませんが、そのような要求がいつまでもやまないと次第に重いと感じるようになるのが普通でしょう。
しかし、相手はあなたが重いと感じているということを察知し、このままでは相手が別れを切り出すのではないかとさらに不安が増長していまい、相手への要求はエスカレートしていきます。
相手を支配したいから
これは恋愛関係だけではなく、親子関係、友人関係、上司と部下などさまざまな関係の中で見られる心理でしょう。
「今から迎えに来い」「今すぐ○○が食べたい」「明日までにこの仕事を終わらせて提出しろ」などと無理難題を言って、相手を従わせるのがこのタイプです。自分に命令し、言うことをきかせることで支配しようとします。
しかし、相手を支配したいと思っている人の場合「相手を困らせたい」と自覚すらしていないかもしれません。
相手に無理難題を押し付けていることを「自分の言うことを聞くのは当然」「相手にとっていいことをしてあげている」とすら思っている可能性があります。
このような関係では、支配される方も最初は理不尽に感じていても、次第に感覚が麻痺してしまい従うのが当然と思い込むようになってしまいます。
理不尽に思い、相手の言動が自分を困らせるものだと理解できているうちに対策を取る必要があります。
心配させたいから
これは特に子供によく見られる心理ですが、相手にもっと関心を持ってほしいということで問題行動を起こし、相手を困らせるということがあります。
例えば、万引きを繰り返す子供によく話を聞くと、親の仕事が忙しく親がほとんど家にいなかったり、兄弟にかかりきりになっており自分はあまり二の次にされていたりして寂しい思いをしているということがあります。
そのため、わざと悪いことをして親が自分のことを気にせざるを得ない状況にしようとするのです。
犯罪行為まで行かなくても、わがままを言う、反抗的になる、生活態度が悪いなど子供の問題を突き詰めていくと寂しいというSOSであることがあります。
「困った子だ」「躾を間違えた」と思う前に、まず子供がどのような気持ちでいるのかについて考える必要があります。
相手のことが好きだから
男性に多く見られる心理ですが、相手のことが好きだからこそ困らせたいということもあります。
好きな人に意地悪をしたい、いじめたいという気持ちは理解できないという人が多いかもしれません。
しかし、わざと冷たく当たったりきつめの冗談を言ったりしたときに相手が困った顔をするのがかわいいと感じるタイプの人がいるのです。
このようなタイプの人にとっては、相手を困らせることこそが愛情表現であり、相手が困れば困るほど満足感を得ることができます。
相手を困らせることでしか自分に対し興味を持ってもらう方法がわからず、素直に好意を表すことも苦手だという意味では不器用な人であると言えるでしょう。
相手を困らせるのが楽しいから
相手を困らせることが楽しいと感じる人もいます。相手をからかったり、やりたくないことを無理やりやらせたりしてあたふたする様子を楽しんでいるのです。
そのようなことをする人は、相手を困らせることはいわゆる「いじり」だと思っており、悪いことをしているとは考えていません。
さらには、相手のことをいじられて楽しんでいると考えており、中には自分にいじられることでいじられキャラとして周りから愛してもらえるのだから感謝すべきだと思っている人さえいます。
ですから、相手から「困らせることはやめてほしい」と言われると「ノリが悪い奴」「冗談でやっているのに真面目に受け取るつまらない奴」などと考え、相手のせいにするばかりでいつまでも相手を困らせることをやめるつもりはないのです。
困らせるのをやめさせるには?
ここまで、他人を困らせたいという人の心理についてご説明してきました。
しかし、心理がわかったからといって相手を許せるというものでもありません。やめてもらうにはどのようにすればよいでしょうか。
気持ちを試されると傷付くと伝える
恋愛関係にある相手が気持ちを試すことばかりしてくる場合には、はっきりと「気持ちを試しているよね?」と聞いてみましょう。
そして「試されると傷付く」「信じてくれないのは悲しい」と気持ちを伝えましょう。
相手を試すようなタイプの人は、自分の不安感だけで頭がいっぱいになってしまっているので、相手を試しているという自分の行動を自覚していない可能性もあります。
また、自覚している場合でも「不安にさせる相手が悪い」と思い、自分がしていることを正当化していることもあります。そのため、試されると傷付くものなのだと理解してもらうことが大切です。
話しても理解できないようなら別れるのも方法のひとつ
相手を試すタイプの人の多くは、自分自身に問題があるせいで不安を感じてしまいます。
例えば、これまでの恋愛で辛い経験をしてきたり、子供のころ親から十分な愛情を受けられなかったりしたことで現在の人間関係で人を信じられなくなっているのです。
ですから、いくらあなたが誠実に接し愛情を伝えても、自分自身が変わっていないのであなたの愛情を理解することはできないでしょう。
また、もしいったんあなたを信じることにしたとしても、今後付き合っていく中で少しでも不安に思う出来事があったらまたあなたを試し始める可能性は多いにあります。
それでもいいと思えないまま付き合っていくのはお互いに不幸になるばかりですので、相手から試されるのが辛い、耐えられないという場合には別れるという選択肢も考えてみてもよいのではないでしょうか。
支配されない
支配欲によりあなたを困らせようとしてくるタイプの人に対しては、「あなたの言うことは聞かない」というように宣言することは危険だと言えます。
相手はあなたを支配していると思っているので、あなたがそのような宣言をすると「歯向かってきた」「反抗してきた」と感じ、怒りによってさらに支配を強めようとします。
そのようなことにならないために、相手を直接刺激するのではなく自分から距離をとっていきましょう。二人で一緒にいる時間はなるべく少ない方がよいですし、恋愛関係であれば即別れるのが望ましいでしょう。
そばにいなくても、例えば「今から迎えに来い」というようにいきなりあなたに連絡し、言うことを聞かせようとしてくると思われますが、連絡をしてきてもすぐに反応しないのがよいでしょう。
数時間後、翌日などある程度時間が過ぎてから「買い物をしていて気付かなかった」「寝ていて気付かなかった」というように、連絡が来ても気付かなかったのは仕方がなかったと言える理由で答えるようにしてください。
あなたが言うことを聞かなかったということで相手は怒ると思われますが、相手の支配から逃れる第一歩ですのでそこは耐え、その後も相手の要求を飲まないようにしていきましょう。
また、支配する人と支配される人という二人だけの関係ができあがってしまっているので、交際範囲を広げていきできるだけ多くの人と接するようにしてください。そうすることで支配されないというメッセージになります。
また、職場で上司から無理難題を押し付けられるという場合にはパワーハラスメントとして職場のハラスメント相談窓口に訴えましょう。
支配しようとしてくる人に正論で反論しても意味がありません。
先ほども述べたように、支配関係から逃れるためには間に第三者を入れることが重要です。二人だけの関係だったものに多くの人が介入することによって、支配するのが難しくなっていきます。
関係を修復する
あなたのせいで相手が精神的に不安定になり、その結果あなたを困らせる行動に出てしまっていたという場合には、あなたが関係を修復する努力をする必要があります。
例えば、先に述べたように子供が寂しさから非行に走っている場合は、子供と過ごす時間を作り、子供と向き合っていかなければなりません。
残業ばかりでほとんど家にいないということであれば、仕事量を調節して家にいる時間を増やし、子供が普段親にしてほしいと思っていることをしてあげます。
また、兄弟ばかりに構っていて自分がないがしろにされていると感じているとしたら、その子と二人きりで過ごす時間を作ってあげるなどして家庭環境を見直すことが必要です。
まずは非行をやめさせるのが先だと思うかもしれません。しかし、原因をそのままにして結果だけを問題視しても何も変わりません。
まずは原因となった親子関係を修復しなければまた形を変え子供の問題行動が起きてくるでしょう。
恋愛関係でも、あなたが相手を軽視するあまり相手が暴走してしまっているということであれば、相手を責めるよりまずあなたが変わらなければなりません。
原因である関係性の問題が解消されれば、相手の行動もおさまってくるはずです。
やめてほしいとはっきり伝える
先ほど、支配関係にあるときには「やめてほしい」と言うことは逆効果だとご説明しました。
しかし、いじりとしてあなたを困らせ楽しんでいるような人に対しては「やめてほしい」とはっきり伝えましょう。
このようにいじりと称していじめをしている人は相手を尊重できず想像力もありませんので、遠まわしに嫌だと伝えても伝わりません。
また「やめてほしい」と伝えても先ほど述べたように「ノリの悪い奴」「冗談が通じない奴」と片づけられ、やめようとはしないでしょう。
しかし、あなたも含めみんなでいじりを楽しんでいるというのは相手の勝手な言い分でしかありません。
「楽しくなんかない」「あなたのせいで迷惑している」とはっきり伝え、あなたの名誉を回復しましょう。
そして、あなたの尊厳を傷つけるような人とは付き合いをやめ、穏やかな日常を過ごすようにしてください。
自分の尊厳を守ろう
相手を困らせたい人の心理と、そのような人にはどうやって接すればよいかについてご説明しました。
相手があなたを困らせてばかりいるとき、あなたにも原因があることがあります。
あなたが相手をぞんざいに扱ってしまい、そのせいで相手が精神的に不安定になってしまうという場合です。その場合には、あなたが責任を持って相手の精神的ケアをし、関係回復に努めてください。
しかし、あなたに一切悪いところがないにも関わらず相手が勝手な考え方をしているせいであなたを困らせるという場合があります。
そのようなときは、あなたは人としての尊厳を傷付けられ、消耗していくばかりでしょう。
相手にも相手なりの事情というものがありますが、あなたに一切悪いところがないというときには、自分自身を大切にし、傷付いた尊厳を回復することに専念しましょう。
傷付けてくる人間とは関わらず、自分を大切にして日々を過ごしていってください。