ウソをつくことが日常化している人は要注意!虚言癖を治す方法とは?
本来「ウソ」というとマイナスのイメージを持たれがちですが、「嘘も方便」という言葉があるように、ウソをつくことによってビジネスをうまく軌道に乗せたり、良好な人間関係を保てることがあります。
ただし、ウソが日常化していたり、ウソをつくことで誰かに不快な思いをさせていると、人から「あの人は虚言癖がある」といって敬遠されてしまいます。
とはいえ、人は誰でも進んでウソをつきたいと思っているわけではありません。
そこで今回は、虚言癖はなぜ起こってしまうのか、虚言癖がやめられない人の特徴、さらに虚言癖を治す方法などについて考察していきます。
目次
「本当はウソをつきたくないのに」虚言癖が起こるはなぜか?
本当はウソなんてつきたくないのに、なぜか口から出てくるのは「ウソ」ばかり...という人がいます。また、小さなウソがどんどん大きなウソに発展していってしまうこともあるでしょう。
では、虚言癖が起こってしまうのはなぜなのか、その理由について見ていくことにしましょう。
もっと自分に注目してほしいから
もっと誰かに注目してもらいたい、自分のことを見てほしいという「自己顕示欲の強さ」から、虚言癖が起こることがあります。
ウソをつくことによって今まで自分のほうを見向きもしなかった人が話しかけてくれるようになったり、ウソをついたことで注目を浴びたりすると、それが快感=クセになってしまうのです。
「もっと注目してほしい」「もっとチヤホヤしてほしい」といった気持ちも芽生えてくるため、虚言癖がどんどんエスカレートしていくこともあります。
誰にも嫌われたくないから
「嫌われるのが怖い」という理由で虚言癖が起こることも考えられます。通常は、本当の自分・素の自分をさらけ出すことで人間関係が深まっていくことがほとんどです。
しかし虚言癖のある人は、ありのままの自分を相手の前にさらすことに恐怖を感じます。「本当の自分を知ったら相手は幻滅するのではないか」「自分から離れてしまうのではないか」という幻想を抱くのです。
そのため、本当の自分とはかけ離れた「自分像」を作り上げ、あたかもそれが本物の自分のように語りはじめます。すると、最初は周りの人に「この人には虚言癖がある」と気づかれないこともあります。
自分に自信がないからウソで固めようとする
「どうせ自分はダメな人間だ」「いてもいなくても同じ存在だ」など、自分に自信が持てずにネガティブな感情で支配されている場合にも、虚言癖は起こりやすいようです。
「自信がない原因を追求して自分を変えよう」という意識が乏しいため、ウソにウソを重ねてしまいます。やがて「虚言癖」という、ウソをつくことでしか自分自身を保てない状態になっていくのです。
人は誰もが自分に自信をもって生きているわけではありません。虚言癖がある人は、誰だって人に言えないコンプレックスのひとつやふたつ抱えていることを知る必要があるでしょう。
虚言癖がやめられない人の特徴
ウソばかり言っていると、次第にそれが自分にとっての「真実」になってしまうことがあります。しかし、虚言癖は本人以外の人を混乱させ、戸惑わせる原因になります。
では、できるだけウソに振り回されないためにも、「虚言癖」を持っている人によくある特徴について見ていくことにしましょう。
ウソがバレていることに気がつかない
虚言癖がある人は、「自分はウソをついている」と自覚していないことがほとんどです。ですから、そもそも「自分には虚言癖があるから治さなければ」という概念もありません。
ウソをついているという自覚がないぶん、他人は自分の言っていることを信じていると思い込んでいます。そのため、ウソはどんどんエスカレートしていきます。
しかし周囲の人にはしっかり「ウソ」が露見しているのです。「なぜそんな、すぐにばれるようなウソをつくのだろう?」と首をかしげている人もたくさんいるはずです。
「ウソをつくのは悪いこと」という意識がない
最初はウソをつくことに抵抗があったとしても、ウソをつくことが日常化していくと、ウソに対する感覚が少しずつゆるくなっていきます。
ウソをつくことが生活の一部になってしまっているため、虚言癖がある人の心の中では、「ウソをつくのは良くない」という意識がないのです。
ウソをつくことによって心の平安が保たれるのですから、それは当然と言えば当然のことです。だんだん、「ウソをついても誰にも責められない=自分は間違っていない」という気持ちになっていきます。
いつも心に「寂しい」気持ちを抱えている
治すべき虚言癖をもつ人の多くは、いつも心に「寂しい」という感情を抱えていることが多いようです。
たとえば、子供の頃に親にあまり構ってもらえなかった、ウソをつくことでしか親の気を引くことができなかったという場合など、ウソをつけば誰かが振り向いてくれるという気持ちが根底にある可能性があります。
「寂しい」という感情から生まれたウソは、やがて虚言癖という形になって定着していきます。
虚言癖は治すべき性質のものですが、本人からすれば「自分をなんとか見失わずに生きていくための杖」である場合もあり、一概に治すことが良いとは言えないケースもあるので注意が必要です。
焦らないことが大切!虚言癖を治す方法
ウソをつくことが日常化してしまい、人から信じてもらえなくなることが多くなったという人は少なくないかもしれません。
では、ウソをついてしまう自分から脱却するためにはどうしたら良いのでしょうか。虚言癖を治す方法を探っていきましょう。
ウソをついても「何も得られない」ことを知る
虚言癖を治すためには、「ウソをついて得することは何もない」ということを知る必要があるでしょう。どんな小さなウソでも、積み重ねていけば大きなウソになりますし、信用を大きく失うことになります。
人を傷つけないために仕方なくついてしまったウソに害はありませんが、ただ単に真実をねじまげるためだけにつくウソには有益な部分がひとつもありません。
ですから、虚言癖を治すためには、虚言癖のある本人が「ウソをついても何も得られないのだ」ということに少しでも早く気がつくことが重要になってきます。
努力してウソを「本当のこと」にしてしまう
どうしてもウソをつくことがやめられない、虚言癖を治すことができない場合、ウソを「本当のこと」にしてしまうというのもひとつの方法です。
ウソで言ったことを現実にするためには、相応の努力をする必要が出てきます。
「あの人は虚言癖があるから」と、周囲からささやかれるのをどうしても止めたいのであれば、ウソを真実にする努力も「治療」のひとつと考えましょう。
自分には虚言癖があることを真正面から受け止め、「このままでは、自分はただの嘘つき以外の何者でもない」と、認識することから始めなくてはいけません。
カウンセリングに通い現実を見つめる
自分には虚言癖があると自覚していても、どんなに頑張っても虚言癖を治すことができないという場合には、思いきって他者の力を借りてみましょう。
カウンセリングを受けることで、虚言癖との向き合い方や、虚言癖の症状を治すためには具体的に何をすべきなのかということがわかってくるはずです。
虚言癖が日常化してしまった原因を掘り下げて見つめ直し、「虚言癖は治すことができる」と信じて前向きに対処していくようにしましょう。
虚言癖のある人とのつき合い方
虚言癖のある人と話をしていると、「またこの人はウソをついている...」ということが言葉の端々から透けて見えてしまい、うんざりしてしまうことがあります。
しかし、人間関係をあっさりと切り捨てるわけにもいきません。では、虚言癖がある人との上手な付き合い方について考えていきましょう。
「反応は最小限に」大げさなリアクションを取らない
虚言癖がある人は、相手の反応をよく見ています。自分の話した話題に相手が「乗ってきたな」と感じると、さらにウソを重ねていく傾向があります。
ですから、虚言癖がある人を傷つけないためにムリに大げさなリアクションで対応しなくても良いのです。むしろ、「ウソだな」と感づいた時点で、反応は最小限にとどめるようにするのがベストです。
「それは間違っている、ウソはよくない」と真正面から反論しない
「なぜそんなことを言うの?間違ってるよね」「ウソをついたらダメだよ」といった正論で立ち向かうことは、虚言癖がある人を刺激するだけですから、やめておきましょう。
虚言癖がある人はそもそも、自分が間違っている、ウソをついているという意識が希薄ですから、真正面から否定されると大きなダメージを受けます。
「なぜそんなことを言うんだ」と言って泣き出したり、傷ついて心を閉ざしてしまったりすることもあるので、虚言癖がある人と真っ向から対峙しようと考えるのは控えたほうが無難です。
なるべく距離をとって親しく付き合わない
虚言癖がある人と真正面から向き合いながら付き合っていくと、精神的にも肉体的にも消耗してしまいます。
ですから、「虚言癖がありそうだな」「虚言癖を治すつもりもないらしい」と感じたら、自分をこれ以上すり減らさないためにも、迷わず距離をとるようにしましょう。
虚言癖がある人は相手にしてもらえないとわかると、また別の「話を聞いてくれる人」を探すようになりますから、必要以上に「悪かったかな...」と、心配する必要はありません。
虚言癖を治すことはできる!ゆっくり時間をかけて対処していこう
虚言癖はなぜ起こってしまうのか、虚言癖がやめられない人の特徴、さらに虚言癖を治す方法などについて考察してきました。
虚言癖を治すことは簡単ではないかもしれません。周囲の人も巻き込んでしまうため、「治すのは不可能だ」と、あきらめそうになることもあるでしょう。
しかし、ウソをつくことが日常化してしまっている本人が、「自分には虚言癖がある」と自覚をもつことができれば、時間はかかりますが少しずつ事態を好転させてしていくでしょう。