現在FXは少ない資金からでも始めることが可能で口座開設をするのと維持にもお金はかかりません。
必要な資金さえあれば誰にでも始められる環境が整っています。
しかしこれからFXを始めようと考える方は「FXは危険なのか」と危険性を考えるでしょう。
実際FXには危険があるため危険性の存在を考えるのは間違っておらず、把握しているだけでも今後の取引に役立ちます。
ではFXにある危険性としては主にどのようなものがあるでしょうか?
目次
FXにある最も有名な危険性は損失によるリスク
FXで真っ先に考えられる危険性は「自分の資産がなくなる」ことでしょう。
始めたばかりの初心者は資産がなくなるのを経験し、FXを危険なものだと判断するケースが多いです。
実際にFXは短時間で多額の利益を挙げられる可能性もあればその逆もあります。
短時間で自分の投入した資金が全部なくなれば危険なものだと判断するのは無理もない話でしょう。
この損失によるリスクは取引とスワップポイント、2つの方面から考えられます。
予想とは反対に動いて生じる損失
FXで取引を続けるのであれば一番多く見ることになる危険です。
買いで入れば相場が下がった時、売りで入れば相場が上がった時に反対方向に行ったと判断でき損失が発生します。
動けば動くほど損失は大きくなり規定の数値まで動けばロスカット、強制決済となるでしょう。
資金にもよりますがロスカットまで動いてしまえば、大抵の場合は相当な損失となります。
特に相場の動きによる損失で危険性を高めるものとしてはレバレッジがあるでしょう。
レバレッジは自分の資金以上に多額の資金を動かせるシステムであり、10倍に設定すれば10万でも100万相当の取引ができます。
多額の資金を動かせば利益が大きくなる反面、損失も大きくなってしまうのです。
無闇にレバレッジを大きくし損失が大きくなったケースは珍しくありません。
現在国内のFXではレバレッジに上限が設けられており最大25倍となっていますが、この上限も今までトレーダーが無闇に設定して地獄を見た結果なのです。
多額の損失が出たという結果は大抵がレバレッジを大きくしていたのが原因となります。
マイナスのスワップによる損失
FXにはスワップポイントというシステムがあり、ポジションを持って市場が閉まれば持っているポジションに応じて金利がもらえます。
もらえる金利は持っている通貨ペアと取引量によって変わり、トルコリラといった特定の通貨が含まれているペアは高く設定されていることが多いです。
どれだけ高い利益でも1日にもらえる金額は取引で得るものと比べれば微々たるものですが、ポジションを持っているだけでもらえるという大きなメリットがあります。
トレーダーによってはスワップポイント目的でポジションを放置している方もいるのです。
しかしスワップポイントは必ずもらえるものではなく、持っているポジションによってはマイナスとなり支払わなければいけない場合もあります。
マイナスとなれば持っているだけで資金が減ってしまうため、早めにポジションを決済しなければいけません。
スワップポイントは情勢によっても変わり、金額が減る増えるだけでなくプラスだったポジションがマイナスへ転換する可能性があります。
放置して利益を得ていたはずのポジションが損失を生み出す存在になっていたケースもあり得るでしょう。
スワップポイントで稼ぎたいと考える場合はマイナスになっていないか確認をする必要があるのです。
またスワップではなく相場の話となりますが、高い金利に設定している通貨は相場が不安定なことが多くなっています。
何も考えずにスワップ目的で持っていると、スワップの利益で補えないくらいの損失が出るリスクもあるのです。
相場の状態によって生じる危険性
FXでは自分とは反対の方向に動くと損失が出ます。
この損失によるリスクを防がなければいけませんが相場がそれをさせてくれないケースがあるのです。
相場の状況によって生じる危険性は以下の2つが考えられます。
流動性の低下による取引の不成立
通貨には流動性と呼ばれるものがあり、種類によってその高さは変わってきます。
基本的に円、ドル、ユーロといった世界で流通している通貨は流動性が高いです。
逆に普段はあまり聞かない所謂マイナー寄りの通貨は流動性が低いことが多くなっています。
取引は買う人間と売る人間、どちらも存在することで成立するものです。
つまり自分が買ってポジションを持った場合、売る人間がいなければ決済ができなくなってしまいます。
決済ができなくなれば利益が出ている時に得られないのはもちろんのこと、損失が出て少なく抑えたい時にもできません。
問題として流動性の低い通貨は相場が安定せず大きく動きやすいものが多くあります。
つまり見るトレーダーによっては「大きな利益の出せるチャンスのある相場」と見れてしまうのです。
これからFXに入る初心者は相場の動きの大きさではなく安定して取引できる通貨かを確認しましょう。
基本的に円、ドル、ユーロは基軸通貨であるため取引が不成立することは何かしらトラブルがない限りありません。
初心者にドル円がオススメされる理由は相場が安定しており、取引が不成立になる心配がないからです。
大きなニュースによる大暴落
為替相場は政治や経済といった国の情報によって動きが左右されます。
そのため経済指標といった重要な経済の情報が発表されると大きく動くのです。
しかし経済指標による動きはまだ常識的な範囲であり為替相場では時に多大な影響、大暴落を引き起こすニュースが出てくることもあります。
大暴落は1円や2円ではなく10円や20円といった数十円動くレベルです。
例として記憶に新しい大暴落のニュースといえば「スイスフランショック」となるでしょう。
これは2015年の1月に起きたものでありスイス側は今までスイスフランが下落しないよう介入していました。
しかしそれを撤廃したため今まで下落の心配がなかったスイスフランの立場が変わったのです。
影響が出た原因は様々ですが、過去にあった事例なためトレーダーとしては「こういうことがあった」というレベルで覚えておけばいいでしょう。
これによってスイスフランが含まれた通貨の相場は激変し、1時間も経たずに40円近く動きました。
FXの為替相場において短時間は愚か、1日で数十円動く日はあり得ません。
逆に言えばそれだけ「あり得ない」ことが起きたのです。
40円が利益側に動いていれば、そのトレーダーは普段は得られないかなりの金額を利益として得られたでしょう。
損失側に動いた場合は一瞬で資金全てがなくなる程の損失を出してしまうのです。
しかし「損失」が出ただけならまだそのトレーダーは幸せでしょう。
逃れられない大暴落による損失
この大暴落で最も恐ろしいのは「損切りとロスカットが発生しない」ことにあるのです。
大暴落は短時間で相場が大きく動くため、設定してある機能が動かない問題が起きます。
損切りを設定していたとしても無駄なものとなってしまい、ロスカットも規定の値に到達したところで行われないのです。
ロスカットがされなければ損失は入金してあった資金がなくなるどころか、マイナスにまで到達する可能性が出てきます。
そうなると業者側がマイナス分の資金を入金するよう追証を求めてくるのです。
これで借金を背負うことになってしまったトレーダーも多く発生し、一部の業者側と裁判にまで発展しています。
業者側が保証するようになっている海外の方では多くのところが倒産しました。
大暴落が起きることは滅多になく今のところは数年に一度のレベルです。
しかしいつ起きるか予測できず損切りとロスカットも通用しないと滅多に起こらない分、危険性は他と比べ物になりません。
これからFXで取引をする方は「こういう騒動が起きる場合もある」ということを理解しておきましょう。
業者によってもたらされる危険性
FXの取引は業者を通じて行います。
そのため危険性に関しては業者によってもたらされるケースもあるのです。
業者によって起こる危険性は主に以下のものがあります。
業者の倒産による資金がなくなる危険性
FXは基本的に業者で口座開設をし、そこを利用して取引します。
つまり業者が倒産してしまえば取引ができなくなってしまうのです。
しかし取引ができなくなるだけならまだいい方であり、一番の問題は口座に入れておいた資金がなくなることにあります。
幸いなことに国内のFX業者は信託保全として預かっている資金を銀行に預けているのです。
これにより例え倒産をしたとしても資金は無事に戻ってきます。
問題は海外のFX業者を利用している時であり、業者によっては信託保全を適用していないところもあるのです。
もし倒産してしまえば資金が戻ってこない可能性が高く、金額によっては相当な損失となるでしょう。
業者の倒産は滅多にありませんが、先程のスイスフランショックでは多くの海外業者が姿を消しているのです。
いつ同じようなことが起こり利用している業者がなくなっても不思議ではありません。
海外業者を利用して取引をする場合、自分の資金が保証されるか確認をして選ぶ必要があります。
そして倒産してしまえば当然取引を続けることはできなくなるため、こうならないようにFX業者は複数持っておいた方がいいのです。
トラブルで取引ができなくなる危険性
業者の提供する取引環境は必ずしも完全で安全なものとは言い切れません。
時にはサーバーやシステムに問題が生じてしまい、ログインできず取引できなくなるケースも発生します。
業者が提供しているのは為替相場で取引ができる環境なため、為替相場側には関係のない話です。
為替相場側は普通に動くため、ポジションを盛っていたらそのまま損失側に動いてしまう危険性があります。
幸いなことにこうしたケースは滅多に起こらず、頻繁に起こすようであれば業者側の運営体制に問題があると判断できます。
もし頻繁にトラブルが起きるようであれば別の業者を考えておくといいでしょう。
自分の環境によって生じる危険性
業者ではなく自分側が問題となるケースもあります。
FXはネットの環境を利用して取引する投資なため、もしネット通信にトラブルが生じて繋がらなくなれば取引できなくなってしまうのです。
業者のトラブルと同様にその間に為替相場が動いて損失の出るケースはあるでしょう。
それ以外にもネット回線が貧弱だと作業を上手く処理できないことも出てきます。
チャートを見るのに不具合が出る程度であればよいですが、取引をする時に影響が出てしまえば自分の環境が原因でスリッページが起こってしまうのです。
FXで取引をする場合は自分のネット環境にも気をつけましょう。
もし問題があると感じたら使うネット回線の変更を考えた方がいいです。
危険性は理解して取引を
単なる取引で生じる損失から取引をするのに問題の出るものまで、FXには様々な危険性が存在しています。
自分の努力で回避できるものもあれば、運悪く回避できずに遭ってしまうものもあるでしょう。
しかし回避できない危険性があったとしても「こういうものがある」と分かっていればその後の対応も変わります。
これから始める方は最初に危険性と対応を理解するところから入ってみましょう。