FXでは稼いでいる人間より損失を出している人間が大半です。
ネットの発達もあり誰でもFXを簡単に始めることができ、知識も勉強もなしに入ってしまう方が多くなったのも原因でしょう。
利益を出している一流のトレーダーはサイトやSNSといった媒体を利用し、FXに対するテクニック、情報を配信している方も珍しくありません。
一方で利益を出すどころか大損してしまった方も、その気持ちを吐露したいのか体験談としてネットに掲載している方もいるのです。
ではネット上にあるFXの大損している体験談にはどのようなものがあり、取引するトレーダーはそこから何を考えればいいのでしょうか。
目次
他人の大損した体験談を見る意味
「他人の大損した体験を聞いて何になるのだろうか」と考えるトレーダーの方もいるでしょう。
大損した体験談は特にこれからFXを始めるトレーダーには重要な情報となります。
未来の自分が体験する可能性もあるからです。
トレーダーが大損した原因は様々であり中には本人ではどうしようもないケースもあります。
しかし大半の大損した体験談は何かしら本人のやり方に原因があるのです。
原因は決して特殊なものではなく、FXで取引していれば誰しもが体験する可能性があります。
まだ始めたばかりの初心者が原因に当て嵌まってしまう可能性は極めて高いのです。
トレーダーがこうした大損の体験談を見る意味は反面教師、教訓の面が強くなっています。
「自分はこうならないようにしよう」と理解するためなのです。
ある有名な言葉に「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があります。
FXでは他人が大損した体験談という「歴史」から学び、自分が愚者として「経験」しない必要があるのです。
FXで起こる主な大損する体験談
実際にFXで大損する体験談としてどのようなケースがあるでしょうか。
ビギナーズラックからの大損という地獄へ
特に初心者トレーダーが体験するケースとして多いのがビキナーズラックに関わるものです。
ビキナーズラックとは経験も知識もないトレーダーが取引をして偶然勝ててしまう現象を指します。
FXは為替相場で取引する投資であり、単純に考えると為替相場は上に動くか下に動くかの2択しかありません。
何も考えずに取引をしたとしても、運よく勝ててしまう可能性は意外と低くないのです。
しかしFXは何の知識もなく勝てる甘い世界ではありません。
取引している人間が天性の運を持っていれば話は別ですが、まずそのような人間は世の中にいないでしょう。
運よく勝てていたとしても長く通用するわけではなく、適当に取引していれば確実にどこかで損失へと移ります。
しかもこうしたビキナーズラックで勝っている人間はリスクを考えないためレバレッジを高くし、取引量を増やしてハイリスクの取引をしているケースが多いです。
ビキナーズラックでも大きな利益が出れば味を占めてしまい、損失が出たとしても抑えるという発想が出難くなってしまいます。
結果的に一度損失へ移ればその後はズルズルと膨れ上がってしまい大損だけが残る結末です。
損切りしたくない、損切りの恐怖から大損へ
FXでは取引をしている以上、必ず負けて損失が出てしまう時が来ます。
しかし人間というのは思った以上にリスクを嫌がる存在であり、損失も中々許容できないことが多いのです。
例え自分の持っているポジションがマイナスになったとしても、決済してしまえばそのまま資金が減ってしまいます。
決済しなければマイナスではあっても相場が自分の良い方向に戻れば損失がなくなり、利益の出るチャンスが出てくるのです。
「待っていれば損失のなくなる可能性がある」という現象が厄介であり、根拠もなく信じてしまうトレーダーも珍しくありません。
FXの相場はトレンドとレンジの2種類で構成されており、マイナスが増えている場合は大抵トレンド相場となっているでしょう。
トレンド相場となっていれば一方に進む力が強いため、マイナスのポジションを持ってしまえばそのまま膨れ上がる可能性が高いです。
その結果損失が増えていき最終的にはロスカットという形で大損を迎えてしまいます。
酷くなるとロスカットになるのが怖くて資金を増量してしまい、尚のこと損失が増えてしまうケースもあるのです。
都合の悪いことから目を背ける、進歩のない取引は損失を出す
FXによる損失は少なからず精神に影響を与えます。
大金となれば尚更であり、取引画面すら見たくないとショックを受けてしまう方が出るのも珍しくありません。
中にはとにかく今出た損失ではなく、ここまでに出た損失を見たくないと目を背けてしまうトレーダーもいるのです。
FXで取引する為替相場に絶対はないため、負ける時があるのは仕方がありません。
しかし仕方がない時以外は必ず負けてしまう原因が取引している本人にあります。
失敗には原因があり理解して対処しなければまた繰り返すでしょう。
FXも同じであり、自分の損失が出た原因を理解しなければ同じ失敗をして損失が増えてしまうのです。
どれだけ知識、経験を積んだとしても根本的な失敗を改善できなければ損失が減らず増えるのは当然でしょう。
リスクを考えない取引は破滅を生む、ハイレバ取引の末路
FXの為替相場に絶対はなく、政治や経済の情報で時には自分の思いつかない予想外の動きを見せます。
予想外の動きは大きな変動を生む場合が多く円単位での動きも珍しくないでしょう。
利益側に向かえば多額の利益を得られますが、損失に向かえば逆に大損してしまいます。
予期せぬ大きな動きで大損してしまうのが、無闇にハイレバで取引してしまっているケースです。
ハイレバとはハイレバレッジのことであり上限に近い、高いレバレッジで取引することを指します。
現在はレバレッジが25倍までとされていますが、昔は50倍や100倍と今では考えられない高倍率で取引もできたのです。
レバレッジは少ない資金で多額の利益が出せる一方、損失もその分大きくなるハイリスクハイリターンを生むシステムになっています。
ハイレバで相場が大きく動きマイナスへと向かえば…後は想像するのに難しくないでしょう。
初心者が無謀にやるのはもちろんですが、意外にも初心者ではない知識と経験を付けたトレーダーがなるケースも多いです。
それだけレバレッジによる高倍率は魅力的であり、破滅の多さによって現在の上限にまで下がったといえるでしょう。
予期せぬ悪夢、ショックによる相場で借金地獄
先程為替相場は思いつかない予想外の動きをすると書きましたが、究極系がリーマンショック、スイスフランショックといった現象でしょう。
ショックの起きる原因は様々ですが、起こってしまえば為替相場に大きな影響をもたらすのは変わりません。
例えば有名なリーマンショックの時は20、30円といった普段では考えられないレートが動きました。
マイナス側へ動いてしまえば損失はここまで紹介してきたケースの比ではないでしょう。
何よりショックは事前に予想できないのであり、普段から中々勝てないトレーダーだけでなく勝っている中堅以上のトレーダーも地獄へ落としました。
どれだけ知識、経験を持った熟練のトレーダーでも起こりえるのです。
しかもショックによる急激な動きは本来機能する損切りやロスカットも無視してしまいます。
その結果資金がマイナスとなってしまい、追証が必要となり借金をせざるを得なかったトレーダーも現れたのです。
多くの大損による体験談はトレーダー側の原因でしたが、このケースに関してはどうしようもありません。
例え損失を防ごうと損切りを設定したとしても意味がなく、リスク管理すら自分でやりようがないのですから。
唯一滅多に起こらないのが幸いな点といえるでしょう。
大損の出る体験談から考えること
様々な大損の体験談から考えるのは以下の点となります。
損切りは設定しておく
多くの大損による体験談が原因として損切りを設定しておかなかったことにあります。
損切りは損失が出ている状態で決済しますが増えるのを防ぐ行為です。
大損ではなく利益を出しているトレーダーは全員リスクを考え損切りを徹底しています。
ポジションを持った後はすぐに損切りを設定しましょう。
しかし損切りは単に設定すればいいものではなく、適当に設定すれば損失を膨れ上げる原因にもなってしまいます。
損切りは現在の相場と自分の取引スタイルを考えて設定しましょう。
無闇なハイレバと取引量での取引を控える
初心者ではない人間でもハイレバと取引量を多くし、大損してしまうケースもあります。
ハイリターンな取引はハイリスクにもなってしまい、1回のハイリスクによる損失が致命的になるのはFXで珍しくありません。
FXで取引する為替相場に絶対はないため、どれだけ分析をし予想をしても負けてしまう時はあります。
負けてしまう時にどれだけ損失を抑えられるかがポイントなのです。
負けてしまうリスクを考え、普段はレバレッジと取引量を抑えて損失が気にならないレベルで取引しましょう。
トレンド相場の発生といった相場の動きが分かりやすい時はチャンスなため、このような場面ではレバレッジを上げて利益を狙うといいです。
自分の取引を記録し、分析していく
FXは知識だけで勝てる世界ではなく取引を経験していかなければいけません。
しかし何も考えずただ経験するだけでは何の進歩もないでしょう。
取引をした時はその内容を記録し後で見返せるといいです。
記録することで失敗した時は原因を分析でき今後の参考にできます。
失敗だけでなく利益が出て成功した場合も今後のやり方として参考にできるでしょう。
記録していくことで自分の取引ルールも確立でき、勝てるようになるのです。
自分で大損の体験談を見回ってみる
ネット上では多くの場所で大損した生々しい声が掲載されています。
個人ブログで公表しているケースもあれば、掲示板等の交流場に書き込んでいるケースもあるのです。
FXの勉強をする時、余裕があればそのような体験談を探してみましょう。
実際に自分の目で見ればFXの難しさ、恐ろしさを実感できます。
また将来的に自分がもし大損してしまった場合、体験談を書くのを考えてみましょう。
自分で失敗の経験を書くことで自覚し、今後の取引へ役立つからです。