消防団を辞めたい!きつい理由やうまく退団するコツを紹介。

消防団とは火事や緊急時に消防車に乗って駆けつけてくれる一般的な消防隊員のことではありません。各地域の市役所が窓口になっていますが、簡単に言うと地元民によって作られた独自の消防組織のことです。

実際に消防活動をおこなうというよりは、災害が起きたときの救助活動をサポートしたり、周辺地域のパトロールなどが主な仕事になっています。

ただ、日中は別の仕事を持ちながら消防団としての活動をおこなっているため、どうしても「辞めたい...」と考える人が増えてきているのも事実です。

そこで今回は、消防団を辞めたいと感じる理由や消防団員としての活動を楽しめる人の特徴、さらにスムーズに退団するコツなどについて紹介していきます。

「消防団を辞めたい」と感じる理由が知りたい

都会ではあまり消防団という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、都市部を離れるほど「消防団」という組織に対する意識が高く、多くの住民が参加していることが多いようです。

有志による活動、自由参加という場合がほとんどですが、実際はその地域に住む人は半ば強制的に消防団に参加することが決められている場合もあります。

ですから、消防団にぜひ参加したいという人よりも、仕方がなく消防団に所属しているという人の方が多いのかもしれません。

ではさっそく、そうした消防団への参加背景をふまえ、多くの人が「消防団を辞めたい」と感じてしまう理由について見ていくことにしましょう。

自分の時間・家族との時間が確実に減る

消防団に参加している人のほとんどは、日中は別の本業を持っています。朝早くから会社で働き、そのうえで消防団としての活動もこなさなければいけないというのは、想像以上にハードなことです。

消防団の活動によって自由な時間、自分らしく過ごせる時間を削られてしまうことで、仕事に対する意欲は確実に低下していきます。また、家族の不満も高まるなど良いことはありません。

自分の時間はもちろん、家族と過ごす時間も減りますから、「自分は一体何のために消防団に参加しているんだろう」「すぐにでも辞めたい...」と、感じてしまうのも無理もないことでしょう。

だからといって辞めたいと申し出ればすぐに受理されるという単純な仕組みになっていないのも消防団の特徴です。地元に根差した組織であるからこそ、消防団を辞めるのは簡単ではないのです。

苦労が多いのにもらえる報酬は少ない

消防団の活動は火事が起きた際の救助支援活動だけにとどまりません。地域住民に対する災害への注意喚起や周辺地域の見回りなども消防団員の仕事です。

さらに定期的に開催される消防訓練などにも参加しなければいけません。平日は仕事に追われ、休日も消防団の活動に参加必須となると、相応の報酬が欲しくなるところですが、実際はそうもいきません。

消防団でどれだけ苦労をしても、個人に支払われる報酬はわずかなものです。給与と呼べるようなものではなく、謝礼と表現したほうが近いかもしれません。

苦労が多いのに報酬がほとんどもらえないとなると、消防団員として活動することに嫌気がさしてしまうのも当然と言えるでしょう。

突然の呼び出しにも応じる必要がある

基本的に、消防団からの連絡・呼び出しには即座に応じる必要がある場合が多いようです。仕事から帰ったばかりでも、夜これから休もうという時でも、呼び出しがあれば即対応が基本です。

消防署に勤める消防隊員ということであれば、それが本業・本職であるため、いつ呼び出されるか分からないという事態を受け入れることも納得することもできるでしょう。

しかし、あなたは地元のいち消防団員にすぎません。それなのにプライベートを犠牲にしてまで消防団の活動に参加するということに、たしかな意義を見出せるでしょうか。

「消防団を辞めたい、もう辛抱できない」「消防団を続ける意味がわからない...」という声が多いのは、ある程度は仕方のないことなのかもしれません。

消防団員としての活動を楽しめる人の特徴

「消防団を辞めたい」と強く願う人がいる一方で、「消防団に入って良かった!」と、消防団員としての活動を楽しんでいる人も少なからず存在します。

会社で働くよりも消防団として活動している方が自分の性格的には合っているという人もいるようです。では、消防団員としての活動を楽しめる人たちの特徴について探っていくことにしましょう。

地元愛が強く心から地元に貢献したいと思っている

消防団は地元住民を守る立場であり、周囲から頼られる存在になります。そのため、生まれてからずっと地元で育ってきた人、地元に対する思い入れが強い人は、消防団に向いていると言えます。

地元の安全に少しでも貢献できることを喜びだと感じ、日々精力的に消防団の活動を続けられるのであれば、「消防団を辞めたい」という発言をすることもないでしょう。

また、たくさんの人をまとめることが得意なリーダータイプの人や、細々とした地道な仕事をこなすのが苦にならないという人も、消防団員として活躍できるタイプかもしれません。

報酬の有無にかかわらず人の役に立つことが生きがい

消防団を辞めたい・すぐにでも退団したいと考える人の多くは、活動内容に対して報酬が少なすぎる点に不満を持っています。どれだけ頑張っても、その結果が評価されることはないのです。

しかし、消防団を辞めたいと思わない、消防団に入団し何年も継続して活動を続けている人というのは、報酬の有無に着目していません。

「消防団で活動しているのは決してお金のためではなく、誰かのために役に立つことができるのが嬉しい」という思いからであるため、消防団を辞めたいという考えそのものが思い浮かばないのです。

体調が悪くて消防団の活動に参加できなくなってしまった時など本当に切迫した理由がない限り、消防団の中心メンバーとして活躍していくことでしょう。

消防団の一員としての役割に自信を持っている

消防団員としての自分の役割に誇りを持っている・消防団での活動に自信を持っているという人も、消防団に長く所属できるタイプと言えます。

会社の歯車となって身を粉にして働くよりも、地元や地元住民に感謝されながら働くことができる消防団という組織に魅力を感じるのかもしれません。

また、言われたことをこなすだけの会社の仕事とは違い、消防団でおこなう仕事は個人のアイディア・意見が重要視されるという部分も、消防団で働く醍醐味です。

会社で働きながら消防団員としても活動するわけですから、ダブルワークをしている状態になり体力的にも大きな負担を強いられることもありますが、そんなデメリットを超える「やりがい」があるのでしょう。

消防団を辞めたい!できるだけスムーズに退団するコツ

「消防団の仕事が好き」「消防団で働くことが楽しい」と感じる人もいますが、やはり「消防団を辞めたい...」と感じている人もたくさんいます。

しかし、地元に根付いた組織であるだけに、いちど入団すると簡単に退団することができないのも消防団の特徴であり気になる部分です。

では、消防団を辞めたいと思った時に、できるだけスムーズに退団するためのコツについて考えていくことにしましょう。

本業が忙しすぎて消防団の仕事にまで手が回らないと訴える

消防団に所属しているからといって、本業をおろそかにするわけにはいきません。会社で重要な役割を任されたり、残業をしたりすることもあるでしょう。時には消防団の活動に参加できないことも出てくるはずです。

「会社での仕事より地元の消防団の活動を優先できるはずがない」という気持ちになるのは当然ですが、消防団に長く在籍しているベテラン団員にはそうした意見は通用しません。

だからと言って無断で活動を欠席することは他の団員からの信頼を失うことになり、地元で嫌がらせなどを受けるきっかけになる可能性もあります。

ですから、決して折れない気持ちで「本業が忙しすぎて消防団の活動への参加は難しい・辞めたい」旨をキッパリ伝えることが大切です。

引っ越しをして物理的に消防団への参加が不可能な状態にする

消防団を辞めたい理由は人それぞれですが、綺麗サッパリ消防団の活動から手を引くためには、引っ越しをして物理的に消防団への参加を困難にするのが良いでしょう。

「たかが消防団を辞めるためにそこまでしなくても...」と思うかもしれませんが、そこまでしなくては消防団を辞めることができない、それが現実なのです。

場合によっては「引っ越し先から駆けつけてくるように」言われることもあるようですが、それは実質的に不可能ですから、しっかりと拒否するようにしましょう。

自分の代わりに消防団に入ってくれる人を探す

あなたが消防団を辞めると、ひとり消防団員に欠員がでます。すると消防団から「ただでさえ人手が足りないのだから、いま辞められては困る」と言われて辞められないことがあります。

そうした事態を見越して、自分の代わりに消防団に入ってくれる人をあらかじめ探しておくというのも、消防団をスムーズに退団するコツと言えるでしょう。

消防団に入りたいという人を見つけるのは大変かもしれませんが、あきらめずに探し続けていればきっと適任者が見つかるはずです。消防団を辞めてスッキリするための努力は惜しまないようにしましょう。

消防団への入団は強制ではない!辞めたいと思ったらその意思を貫こう

消防団を辞めたいと感じる理由や消防団員としての活動を楽しめる人の特徴、さらにスムーズに退団するコツなどについて紹介してきました。

地元では消防団に入団することは半ば「あたりまえ」のことだと認識されていたとしても、強制的に参加が義務付けられているわけではありません。

ですから、強い勧誘にあって断り切れずに消防団に入ったけれど、しばらくして「辞めたい」という気持ちが強くなってきた時は、その意思を貫くことが大切です。

消防団という小さな組織から解放されて自分らしい生活を取り戻すため、家族との楽しい時間を満喫するため、ぜひ負けずに頑張ってみてください。

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