普段生活していくにおいて依存症と呼ばれる病気は恐ろしいものです。
アルコール、薬物、ギャンブル…今も依存症に苦しんで克服を目指している方も少なくないでしょう。
こうしてネットで情報を見ている方の中には「ネット依存症」となってしまっている方がいるかもしれません。
FXでこれから取引をする方も決して他人事ではなく依存症へ陥る可能性もあり得るのです。
ではFXにおいて依存症とはどのようなものであり、対処するにはどうすればいいでしょうか。
目次
まずは依存症について知る
FXの前に依存症そのものについて理解しておきましょう。
依存症というのは自分の生活に悪い影響を与えているにも関わらず、該当する行為を自分の意思でやめられない状態を指します。
健康に悪い、家族から止めるように言われても、仕事へ影響が出ても飲酒を止められない状態であればアルコール依存症と考えていいでしょう。
ネットでいえばオンラインゲームに集中し生活を始めとした様々な事柄に影響が出ていれば、ネット依存症と考えていい話となります。
悪い影響が出ているにも関わらずやめられないのが判断基準となっているため、悪い影響が出ていなければ依存症と考えなくてもいいでしょう。
依存症と該当するものは様々であり、中には窃盗といった犯罪行為をやめられない深刻なケースもあります。
依存症になってしまう原因
人間というのは苦痛に耐えられず、快楽を求めるようにできています。
そのためストレスが溜まったり気分が落ち込んだ時は何かしら紛らわせる行為を行うのです。
依存症は対策を続けてしまった結果、今度は対策していた行為そのものが脳に刺激、快楽を与えるためにやめられなくなってしまうのを指します。
更に人間は毎日同じ物を食べると飽きやすいように、刺激や快楽も同じように感じていると感覚が鈍くなってしまうのです。
感じるためにアルコールであれば飲酒量を増やし、ギャンブルであればより頻繁に賭博を行うか賭け金を増やす状態へ陥ってしまいます。
依存症によるエスカレートはこのように脳の働きが原因であり、ここまで行くと自分の意思で抗うのが難しくなるのです。
依存症を克服するには
もちろん依存症になってしまえば死ぬまでそのままではなく治療は可能です。
簡単に言えば依存症になってしまう該当行為を止めることなのですが、当然本人の意思で対策するのは困難を極めます。
止めるためには周囲の力が必要となるでしょう。
逆に言えば周囲を拒絶し孤立している方の場合はいつまで経っても改善を見込めない状態になるといえます。
しかし自分の意思でどうにかできない関係上、依存症であると自覚がない方も珍しくありません。
自分が依存症かもしれないと疑惑を持った方は専門の医療施設へ行き医師へ相談しましょう。
依存症の判断はどのようにすればいいか
体に直接影響の出る症状ではないため、単純に依存症と判断するのは難しいです。
明確に依存症と判断するには医師の診断を必要としますが、自分側で判断できなければ病院へ行くという考えも出てこないでしょう。
ネット上では依存症に対してマークシートやチャートといった形で確認できるサイトがあります。
不安に感じればそれらを利用して自分が陥ってないか判断してみるといいでしょう。
他にも周囲から該当する行為に対し注意され、それでも止められない場合は依存症の可能性も考えられます。
もし隠れて行っていれば危険信号が点っていると考えてもいいでしょう。
該当する行為を咎められて攻撃的になる場合も同じように考えた方がいいです。
FXにおける依存症とは
以上が基本的な依存症となりますが、FXにおける依存症はどうでしょうか。
まずFXにおいて依存症と呼ばれるものは存在しません。
そのためFXで依存症と疑問が出てくれば、大抵はFXとしてではなくギャンブルとしての依存症と考えた方がいいです。
FXはギャンブルと呼ばれることもあり、やり方次第では本当にギャンブルとなってしまいます。
以下のような点が考えられる場合、FXにおいてギャンブル依存症になっていると考えた方がいいでしょう。
大きく儲けること「だけ」を考えている
FXにおける利益は為替相場の動きによって決まります。
他の方がこまめに決して得た取引30回分の利益を1回の利益で得ることが可能です。
FXの相場に絶対はないため100%の勝利はありません。
勝率を上げて小さな利益を出すよりは負けた時に出た損失を補えるぐらいの大きな利益を出した方がよいのです。
そのため大きく利益を出すと考えるのは間違っていません。
問題は大きく儲けること「だけ」を考えており損失に対して全く意識が行っていないケースです。
損失へ意識が行っていないと出た時のことを考えられないため、逆指値で損切りポイントを設定していないケースが多いでしょう。
FXにおける相場は上に行くか下に行くかのどちらかしかないため、考え通りに行けば儲けられ、外れれば損失が大きくなります。
多額の利益を狙って賭けに出る取引のやり方は正にギャンブルといってもいいやり方です。
最初だけであればまだいいですが、何回も負けて勝つか負けるかの取引を続けている場合は依存症になっているのを疑った方がいいでしょう。
とにかく相場を見ていなければ気が済まない
FXの為替相場は土日の休日を除けば24時間動いています。
そのため一日中相場を眺めて値動きを見ることも可能です。
動いている時間が多いということは取引の機会が多くなればそれだけ利益を増やせると考える方もいるでしょう。
しかし相場は時間帯や時期により値動きが違うため、一日中見ているのは効率が悪いです。
むしろ目や体の疲れが出てしまうため取引に支障を出してしまうでしょう。
にも関わらず取引の機会を伺うため相場を見続けるのは危険な状態といえます。
しかし現在利益を多く出しているプロトレーダーの中には、勝つために長時間相場のチャートを見続けた方もいます。
そのため相場を長時間見続けているだけだと本当に依存症となっているかは判断しづらいです。
依存症へと考えられるのは何も考えず「とにかく相場を見ていなければいけない」という判断になってしまった時でしょう。
何も考えず相場を見ても取引で勝てるとは限らず、相場を見るという行為自体に意識を持っていかれている可能性が高いです。
行為が刺激へ繋がっている可能性が高く依存症になっていると疑った方がいいでしょう。
特に今ではパソコンだけでなくスマホを利用してチャートを見ることも可能です。
相場を見る機会が多くなっているため、無意識に相場を長時間眺めてしまっている方も多いでしょう。
ポジポジ病になっている
FXではポジポジ病と呼ばれるものがあり、とにかく取引をしてポジションを持っていなければ済まない状態をいいます。
実際にFXではポジションを持たないと利益を出せません。
ポジポジ病は「とにかくポジションを持てば利益に繋がるだろう」という思考になっているのが原因と考えられます。
もちろんFXではポジションを持てば利益が出ると限らず、逆に不用意な取引は損失へ繋がる可能性が高いです。
適切な取引ができないと利益が出せないのですが、ポジポジ病になっている方はとにかく所持したいため相場を考えず取引してしまう状態に陥っています。
そのため利益よりも損失が出てしまうケースが多いのです。
しかし損失が出てもポシポジ病が続いてしまう場合はギャンブル依存症のような状態になっていると考えていいでしょう。
資金を何度も入金している
FXは資金がなければ取引できないため、資金がなくなってしまえば取引するために必要な金額を入金するしかありません。
しかし入金しなければならないというのはそれだけ資金が減るような取引を続けている証拠でもあります。
ショックを始めとした理不尽な値動きにより資金がなくなってしまった場合は仕方ありませんが、そうでない場合は取引のやり方を考えなければいけません。
にも関わらず負けて何度も資金がなくなり、入金している場合は危険信号が出ているでしょう。
お金がなくなり何度も投入するのはギャンブルと同じような状態であり、ギャンブル依存症になっている可能性が高いからです。
この場合は負けることではなく「取引自体」に刺激、快楽を求めている状態と考えられます。
特に資金がなくなった結果、生活に影響の出るお金へ手を出せば高確率で該当すると考えた方がいいでしょう。
とにかくFXのことばかり考えている
依存症として気をつけたいのは取引している時だけではありません。
していない時でも普段の生活でやたらとFXのことを考えている場合は危険信号が出ていると考えた方がいいです。
取引に向かわなければ問題ないと思ってしまいがちですが、思考の大半が支配されると生活どころか仕事に影響が出る可能性は高いでしょう。
休憩時間や何もする時でない場合に考えるのは問題ありませんが、大事な場面や一日の大半においてFXが頭に出る場合は依存症と疑問に思った方がいいです。
依存症になりやすいFXの恐ろしさ
依存症へならないように気をつけて取引しなければいけませんが、FXはギャンブルじみた取引をしやすく依存症になりやすい内容になっています。
レバレッジによる少ない資金で大きな利益
FXではレバレッジという少ない資金でも多額の資金を動かせるシステムがあります。
少ない資金でも取引して一定の利益を出せるのは大きいですが、見方を変えれば大きな利益を出そうと考えやすい土壌になっているといえるでしょう。
そのためレバレッジを高くして大きく儲けようと考えてしまうトレーダーが出やすいのです。
いつでも取引できる
FXは24時間取引できるため、自分の生活スタイルに合わせて好きな時間帯に取引できます。
しかしいつでも取引できるという環境は問題であり、見方を変えれば好きに取引「できてしまう」のです。
トレーダーは止め時が見つからず取引に熱中してしまい、結果的に損失が増えてしまう可能性も高くなってしまいます。
ギャンブルと違う投資という認識
FXはギャンブルではなく投資ですが、そう思える認識自体が心理的に厄介となっているのです。
完全に運頼みではなく為替相場の流れを分析し、取引を行えば勝率を高くできます。
それだけに負けたとしても「ギャンブルではないため、そのうち勝てる」と思ってしまい、無謀に取引を続けてしまう土壌ができているのです。
FXで依存症を対策するには
トレーダーとして取引をする以上、FXで依存症にならない対策を考えるのは当然の話です。
依存症にならないための対策としては以下のような方法があります。
取引する時間帯を決める
長時間相場へかじりつかないために取引する時間帯を決めましょう。
相場を見続けないようにするためだけではなくメリハリをつてけ適切な取引をできるようにする理由もあります。
取引可能な時間帯は個々の生活により変わるため、まずは自分の生活を振り返って取引できると思われる時間帯を確認しましょう。
どの程度の時間を取るかはトレーダー次第ですが2、3時間辺りが適切と考えられます。
特に初心者の方は熱くなりやすいため、1時間といった短時間に設定した方がいいです。
適切な取引をできるようにする
ポジポジ病や負けの可能性が高い取引は適切に取引する知識のないことが問題です。
そのため適切に取引できるよう相場の分析方法を始めとしたFXの勉強を行う必要があります。
単に勉強ばかりだと机上の空論になってしまうため、時には相場で取引して経験する必要もあるのです。
初心者のうちはレバレッジを高くしていると損失の大きな負けをしてしまう可能性が高いため、レバレッジも低い倍率に設定しましょう。
余裕を持って取引をする
精神的に焦っている状態だと余計なのめりこみやすくなってしまいます。
特に負けて資金を入金するパターンの原因になりやすいケースです。
資金もあまりギリギリだと精神的に追い詰めてしまうため、少しの負けでは問題ないと思える程度の金額で取引しましょう。
取引をする時は心を落ち着けた状態で始められるようにした方がいいです。
もし精神的に厳しい場合は相場を離れて、自分が持っている趣味に打ち込めるといいでしょう。
無理にFXをやらない
FXは多額の利益を得られる投資ですが、何もFXをやらなければ稼げないわけではありません。
取引していくうちに焦ったり向いていないと感じたらFXから離れるのも選択の一つです。
とにかく自分を追い詰めず、視野を広げられて多くの選択肢を自覚できるようにするのが一番といえます。