ルート営業のきつい仕事内容とは?向いてる人、向いていない人の特徴

求人広告に「未経験可!ルート営業の仕事」という文言を見つけたことがある人は多いでしょう。ルート営業とは、すでに付き合いのある顧客や企業にアプローチしていく営業方法のことです。

提供中のサービスなどについて不満な点はないか、追加してほしい内容がないかなどを確認することによって、顧客満足度を高めるきっかけづくりをするための重要なポジションと言えるでしょう。

新規顧客を獲得することを目的とした一般的な営業と違い、きついノルマがないことや、飛び込み営業をする必要がないことなどから、未経験からでもチャレンジしやすくなっています。

しかし、やはり営業の仕事の基本は「新たなチャンスの獲得」ですからノルマがないからといって安心してはいられません。競合他社に負けないように、日々努力していく必要があり、仕事がきついと感じられることもあるでしょう。

そこで今回は、ルート営業の仕事のきついところやルート営業に不向きな人のタイプ、ルート営業に向いている人のタイプについて、くわしく解説していきます。

知っておきたい!ルート営業のきついところ

一般的な営業と違い、厳しすぎるノルマが課せられないことが多いのがルート営業という仕事の特徴的なポイントです。しかし、完全にノルマがゼロなのかというと、そうとも言い切れません。

「営業」とは、あくまでも売り上げを獲得することを目的とした仕事ですから、やはりある程度の売り上げ目標を達成することは必要でしょう。

それ以外にも、ルート営業には「きつい」と言われれる部分が少なからず存在します。では、ルート営業という仕事を選ぶ前にぜひ知っておきたい、ルート営業のきついところについて、見ていくことにしましょう。

知識量ではお客様にかなわないことがある

ルート営業という仕事は、すでに付き合いのあるお客様に対してのアフターフォローや新たなサービスや商品の提案などが主な仕事になってきます。

「新規に顧客を獲得しなければいけない」というプレッシャーとは無縁ですが、「すでに自社商品について知り尽くしている」既存のお客様と付き合っていくことは、想像以上にきついものです。

特にルート営業担当になって間もない頃というのは、自社の商品やサービスについての知識が乏しく、お客様にとってプラスになるような提案ができないこともあるでしょう。

むしろ「自分よりもお客様の方が商品やサービスについて詳しかった...」ということを肌で感じて落ち込んでしまうこともあるかもしれません。

中途半端な知識しか持ちあわせていない状態で新しい提案をすれば、やはり中途半端な結果しか残せず、かえってお客様の信頼を損ねてしまうことになるので注意が必要です。

お客様との信頼関係を築くのが難しい

ルート営業の場合、先輩社員から既存のお客様についての引継ぎを受けることがあります。一見すると「すでに信頼関係ができあがっている顧客を担当できてラッキー」だと感じるかもしれません。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。すでに信頼関係が構築されているのは、あくまでも先輩社員とお客様との間のことです。あなたとお客様との間には何の関係性も築けていないという点に注意しましょう。

時には引き継いだお客様と性格的に合わないと感じてしまうこともあるかもしれません。お客様から「以前の担当者のほうが分かりやすかった」と、お叱りを受けてしまうこともないとは言えません。

最悪の場合は、「担当者を変えてほしい」と、お客様からクレームが入ることも想定しておく必要があります。このように、お客様との関係性を築くのが難しいという点は、ルート営業の中でも特に「きつい」部分でしょう。

ノルマがゼロというわけではない

「ルート営業の仕事はきついと言うけれど、それでも一般的な営業のようにノルマがない分ラクなのでは?」「想像しているよりもずっと負担が少ない気がする」と、安易な気持ちでルート営業の仕事に就く人がいます。

しかしそうした人たちのほとんどは、予想していなかった「ノルマ」の存在に驚いて、次第に仕事を続けることがきついと感じるようになってしまうものです。

確かにルート営業には新規の顧客獲得についてのノルマは課せられませんが、営業職であることには変わりありません。ですから、一定以上の売り上げを確保することが必要になってきます。

すでに顔見知りのお客様のところに訪問してご用件を伺うだけで良いのであれば、これほど簡単な仕事はありません。しかし、ルート営業の仕事はそんなに単純なものではないのです。

自社商品やサービスのさらなる向上を目的としたヒアリングから始まり、お客様に最適と思われる商品やサービスを提案して売り込みをかけ、会社の売り上げに貢献していくことが求められます。

ですから、「ルート営業=ノルマがない」というふうに勘違いしてしまうと、仕事を始めてから「こんなはずではなかった」「イメージしていた以上にきつい仕事だった...」ということになりかねないので注意が必要です。

「きつい・辞めたい」ルート営業に不向きな人のタイプ

ルート営業という仕事は、営業職の中でもノルマの達成が最大の目的ではないことから、これまで営業経験のない人でもチャレンジしやすい職種であると言われています。

だからと言って誰にでもできる仕事かと問われたら、必ずしも「イエス」と答えられないことも事実です。ルート営業は他の営業職と同じように、お客様との信頼関係の構築が何より大切になります。

ですから、お客様のことを第一に考えることができる人でないと、どうしても「きつい」と感じてしまうことになるでしょう。それでは、ルート営業に不向きな人のタイプについて具体的に見ていきます。

お客様に「学ばせてもらう」という意識がない

ルート営業の仕事をするにあたって大切なことは、お客様が「いま・何を望んでいるか」「自社に求められているのは何か」ということを正確に把握することです。

そうしたお客様の要望をきちんとキャッチするためには、お客様の話にしっかりと耳をかたむけていく必要があります。何事も「お客様目線」で考える気持ちが重要です。

また、ルート営業の仕事を始めたばかりの新人のあいだは特に、「お客様に学ばせて頂いている」という姿勢で仕事に取り組みましょう。

「自分はサービスを提供しているのだ」という意識ではなく、「お客様にサービスを使って頂いているからこそ会社が存続できるのだ」という、お客様への感謝の気持ちを忘れないようにすることも忘れてはいけません。

お客様に対する敬意の気持ちを持って仕事をしている人は、そうでない人に比べてお客様からの信頼度も成績も上位であることが多いということをぜひ、覚えておいてください。

ヒアリング能力が重要!お客様の要望をくみ取ることができない

営業の仕事といえば、何度お客様に断られてもへこたれない強靭な精神力や、押しの強さを持っていなければつとまらないと思われがちですが、実はそうとも限りません。

むしろお客様の話をきちんと聞くことができる人のほうが、ルート営業の仕事に向いていると言えるでしょう。というのも、こちらの要望ばかり押し付けることが、必ずしもお客様の利益につながるとは限らないからです。

つまり、お客様は現在どんなことに困っていて、今後どのようなサービスを望むかなどについて、積極的にヒアリングできる能力を持っている人でないと、きついと感じるばかりで、実りある営業活動をすることはできないでしょう。

「楽しくて仕方がない!」ルート営業に向いている人のタイプ

自社のサービスや商品を売り込んで成績を上げることだけが営業の仕事ではないということ、自分の利益よりもお客様の利益を優先することこそ、「ルート営業」という仕事のポイントです。

ここまではルート営業のきつい部分や仕事に不向きなタイプの人について言及してきました。では次に、ルート営業の仕事を心から楽しむことができるタイプの人にはどのような特徴があるのか、探っていくことにしましょう。

自社商品やサービスについて貪欲に学ぶ姿勢がある

ルート営業を仕事にしたいと考えている人は、人と接する仕事・積極的に働きかけていくことを得意としている人が多いでしょう。しかし、「接客が得意」というだけではルート営業の業務をこなすことはできません。

自社商品やサービスについてしっかりと学ぶ態勢ができていることが重要です。知識があれば、お客様を前にした時に自信を持ってプレゼンテーションをすることができます。

その結果は毎月の売り上げ実績となって現れてくるでしょう。ですから、「学びの姿勢」がある人ほど、きついルート営業という仕事を楽しくこなせる素質があると考えて良いかもしれません。

営業以外の事務仕事もこなせる

一般的に営業は「きつい」ものだとよく言われますが、ルート営業というのは、単純にお客様のところへ出向いて要望を伺う・新しい製品を売り込むだけが仕事ではありません。

どのようにすれば売り上げアップにつながるかを考えたり、お客様から依頼された注文の見積書の作成や資料を作成したりといった細々とした事務仕事もたくさんあります。

時には事務作業が追いつかないために残業や休日出勤をすることもあるでしょう。このように、「営業だけできればOK」ではなく、事務仕事も同時にこなせるタイプの人は、楽しくルート営業という業務をこなせるでしょう。

ルート営業の仕事は甘くない!きつい・精神的に追い込まれていると感じたら転職も考えよう

ルート営業の仕事のきついところやルート営業に不向きな人のタイプ、ルート営業に向いている人のタイプについて、くわしく解説してきました。

きついとされる営業職の中でも比較的ノルマが厳しくないルート営業ですが、明確に「向き・不向き」がわかれる仕事であることは間違いありません。

もしもルート営業の仕事に就いてみて「きつい・精神的に追い込まれている」と、感じた際には、無理をせずに転職を考えることも必要でしょう。

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