ユーロドル(EUR/USD)の特徴。値動きの傾向と取引する時の注意点。

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FXの通貨ペアは大きく分けてクロス円とドルストレートに分けられています。

クロス円は相場の予想がしづらいという情報を得たため、ドルストレートで取引していこうと考えるトレーダーもいるでしょう。

ドルストレートで真っ先に思いつくのはドル円ですがそれ以外の通貨ペアとして次に有名なユーロドルで取引を考えている方もいませんか。

しかし同じドルストレートでも相場の値動きと内容が大きく変わるため、考えなしに選ぶと痛い目を見てしまいます。

ではユーロドルはどのような特徴を持った通貨ペアで、どのように取引していけばいいでしょうか。

ユーロドルとは

ユーロドルはヨーロッパで使われる通貨のユーロとアメリカで使われるアメリカドルが組み合わさって構成されている通貨ペアです。

通貨ペアとして最も大きな特徴は世界で多く取引されているユーロとドルがペアになっている点でしょう。

アメリカドルは世界で一番多く取引されている通貨であり、ユーロはヨーロッパにおいて複数の国で使われていることもありアメリカドルに次いで多いです。

そのためユーロドルは取引量ツートップの通貨がペアになっており、世界で一番取引されている通貨ペアともいえます。

FXにおいてのユーロドル

ドル円と同じくドルストレートに属しているユーロドルですが、円が含まれていないためドル円とも大きく違いがあります。

スプレッドは国内海外問わず狭い

ドルストレートは余計な取引がないためクロス円に比べるとスプレッドが狭くなりやすいです。

ドル円もそうでしたがユーロドルも基軸通貨同士で取引量の多い通貨ペアなため、スプレッドは狭く設定されています。

実際に業者を見ていても他のドルストレートと比べスプレッドは狭く設定されているのが分かるでしょう。

しかし国内だと業者側でスプレッドを設定できる関係でユーロ円とはほとんど変わらないことも多いです。

ユーロドルの狭さは国内よりも海外業者を利用した時に実感できます。

実際にユーロ円とユーロドルを比べてみると、海外業者では大分離れていることが多いのです。

海外業者は市場で直接取引する関係でスプレッドが広く取られているため、ある程度広がっているのは仕方ありません。

見方を変えればユーロドルであれば海外でもドル円と同じように比較的狭いスプレッドで取引できると考えられるでしょう。

値動きは大きいが、流れは分かりやすい

ユーロ円の値動きは大きいものですが、ユーロドルもユーロが含まれているだけあり値動きは大きいです。

しかしどちらも取引量が多い通貨なためか、動きこそ大きいものの内容自体は素直になることが多くなっています。

ユーロ円でもそうでしたがユーロドルでもトレンドが一度発生すれば、そのまま流れに沿うことが多いです。

そのため値動きが大きくても比較的相場は分析しやすい通貨ペアになっているといえます。

もちろん値動きの大きさはリスクの大きさにも繋がるため、迂闊な取引をしないように気をつけなければいけません。

何よりユーロドルは取引量ツートップの通貨で構成されているため、流動性にも問題ないのが大きいでしょう。

値動きの大きな通貨ペアの中には流動性が低い関係から少しの取引量で動くものもあり、低い故に取引が成立しない時もあります。

ユーロドルの場合は値動きがありつつも取引が成立しない心配をしなくてもいいのです。

スワップポイントは期待できない

FXといえばスワップポイントはありますが、ユーロドルに関しては考えない方がいいでしょう。

金利が高くなったドル円と比べユーロドルはほとんどスワップポイントがないどころか、マイナスになることも多いからです。

そのためスワップポイントで稼ぐという考え自体が思い浮かばない状態になっています。

逆にマイナスが多いため取引する時はどうマイナスと付き合っていくか考える必要があるでしょう。

幸い値動きは多いですがスワップポイントは多くないため、長期でも大きな値動きを取れればスワップのマイナスを帳消しにできます。

あまり拘るとチャンスを逃してしまうため、スワップポイントは最初からないものと考えた方がいいでしょう。

証拠金はドル円より多い

ドル円からユーロドルに移る際気をつけるのが証拠金の違いです。

時期にもよりますが基本的に現在ユーロドルの証拠金はドル円より多くなっています。

スプレッドがドル円より広いこともあり証拠金を意識しないと思わぬロスカット、損失を出してしまう可能性があるでしょう。

どの通貨ペアでも資金に応じた適度な量で取引するのは変わりません。

ユーロドルで取引する時は改めて今の資金からどの程度が適切かを考えましょう。

ユーロとドルの経済指標に気をつける

ユーロドルで取引する場合はユーロとドル、2つの政治、経済の情報に気をつけなければいけません。

ユーロはドイツとフランスの情報に注目

ユーロで注目すべき情報はユーロ円の時と変わらず、ドイツとフランスに関わる情報となります。

EUに加盟している国で最も影響力と経済力があるのはドイツであり、政策金利を決定するECBの本部もそこにあるからです。

ヨーロッパということもあり重要な経済指標はロンドン市場が始まってすぐの16.17時辺りで発表されるケースが多くなっています。

ロンドン市場が始まったからとすぐ取引すると、経済指標による動きに振り回されてしまうでしょう。

取引する前に影響する情報がないか確認し、あった場合は発表されて相場に反映されるまで静観した方がいいです。

特にドイツで気をつけたいのはECBにおける政策金利発表となります。

月に1回しか発表されませんが、それだけにアメリカの雇用統計と同じく相場へ大きな影響を与えやすいです。

発表されるのは午後9時辺りとロンドン市場が始まってしばらくしてからなため、警戒しておかないとユーロドルの動きもあって大きな損失を出す危険があります。

発表される当日は政策金利発表前にポジションを決済するか、発表されるまでポジションは持たないようにしましょう。

ドルはアメリカの重要な経済指標に注目

ドルの場合はアメリカの情報であり、こちらはドル円と同じように雇用統計とFOMCが重要な情報となります。

雇用統計は月初めの金曜日、午後9時30分ぐらいに発表され、FOMCは午前3時程度で年に8回、6週間おきに発表されるのです。

ユーロドルはもちろんですがドル円も多くのトレーダーが取引しています。

重要とされる2つの経済指標は特に注目されることが多く、発表される前にも相場へ影響が出るのです。

ドル円でも大きな値動きが起きるため、それ以上に値動きが大きいユーロドルとなれば相当なものなるでしょう。

大きな値動きから利益を狙えるチャンスではありますが、予想しづらいリスクを考えれば該当する時間帯は取引を控えた方がいいです。

ユーロとドル、どちらにも不安材料はある

ツートップである通貨のユーロとドルですが、どちらも決して安全とは言い切れません。

ユーロに関してはイギリスのEU脱退を始め、加盟している様々な国の経済による問題も出ています。

ドイツも難民による問題があるため今後どう影響を与えるかは未知数でしょう。

ドルもアメリカは安定しているように見えて内部を見ると様々な問題があります。

国内である日本でも社会情勢による問題は出ていますが海外の国でも変わらないのです。

不安とされる問題点がFXの為替相場にどう出るかは表に出てみなければ分かりません。

同じタイミングでどちらも問題が起こればユーロドルは相当な暴落を起こす可能性もあるでしょう。

ユーロドルで取引する場合は何かしら「爆弾」が爆発して相場が急落する可能性も考えておくといいです。

ユーロドルにおける取引のやり方

政治や経済の情報はファンダメンタルとして考えればいいですが、問題となるのはやはり取引のやり方でしょう。

相場の値動きが大きい分、テクニカルという観点から見ると以下を考えて取引していくのがいいです。

取引のタイミングはロンドン市場から

ユーロはヨーロッパ、ドルはアメリカなため活発に動く時間帯はロンドン、ニューヨーク市場であることは分かりやすいでしょう。

ドル円、ユーロ円と違い円が含まれていないため東京市場で動くことはほとんどありません

そのため取引で利益を得たい場合はロンドン市場からが始まりとなります。

夕方取引するのが難しい方はニューヨーク市場で取引しましょう。

それぞれ該当する時間帯は違いますが、午後9時辺りからはロンドンと共にニューヨークのトレーダーも参加するためより動きやすいです。

しかしユーロドルは値動きがあるため、時間帯により値動きが大きくなれば利益が増える分損失も大きくなる危険性が高まります。

リスクを考えて取引したい方はロンドン市場に限定してニューヨーク市場では取引しない、というように決めるといいでしょう。

取引はトレンド相場を狙ってやるのが基本

ユーロドルはトレンド相場で取引するのが基本となります。

トレンド相場が発生するとそのまま長く継続しやすいからです。

普段の値動きが大きいためトレンドではないレンジ相場でも利益を得られる可能性はあるでしょう。

しかしレンジ相場は上下のどちらに行くかを迷っている状態なため、トレンドが発生するとそのまま置いてかれて大きな損失の出る危険があります。

リスクも考える場合は順張りを基本とし、トレンド相場で取引した方がいいのです。

トレンドの発生と転換、終了の判断を理解しておく

トレンド相場で取引をするには今の相場でトレンドが出ているか判断できる必要があります。

FXのチャートにおいてトレンド相場の判断方法は多数あり、どの方法を利用するかはトレーダー次第です。

ユーロドルに限らずトレンド相場の判断方法は取引をしていくにおいて必須といえます。

ドル円からユーロドルへ移るのを考えている方はまずドル円のチャートでトレンド相場が理解できるようになりましょう。

トレンド相場の基本といえばトレンドラインですがユーロドルは値動きが激しいため、すぐさまトレンドを判断できた方がいいです。

そのためトレンド系列のテクニカル指標を利用し、トレンド相場の判断方法を理解しておきましょう。

ユーロドルは抵抗線が強固に働きトレンドが継続しやすいためです。

実際にチャートへ表示させてみれば「トレンド相場の時はどのような状態になるか」を自分の目で実感しやすくなります。

利用するテクニカル指標の種類に正解はないため、自分が見やすいと思うものを使い慣れましょう。

発生だけでなく終わりである転換と終了がどのような情報で表示されるかの確認も忘れないでください。

基本的にトレンドの転換、終了は値動きを支えている抵抗線が突き破られた時となります。

損切りは余裕を持ったところに

トレンド相場での損切りポイントはトレンドが終了、転換する位置となります。

しかしユーロドルで取引する時はある程度余裕を持った位置に設定した方がいいです。

ユーロドルはストップ狩りの行われるケースが多く、あまり浅い位置に設定すると狩られてしまう恐れがあります。

目安の位置は資金にもよりますが損失として許容できる範囲にしましょう。

見方に慣れよう

ドル円からユーロドルに移る際、意外な問題はレートの見方です。

ドル円と違い円単位ではなくドルを基準とした表示になっており、普段は見かけないものになるでしょう。

しかしレートの見方を間違えると取引の時に判断を誤ってしまい損失を出してしまう可能性があります。

レートに関してはとにかく実際の値動きとレートの変換を見て慣れるしかありません。

まず円での0.1銭はドルストレートにおいて少数四桁目となるのを覚えましょう。

業者によって桁の表示も変わるため右端が4桁と覚えてしまうのはいけません。

円単位の通過ペアと違い利益と損失の出方も異なるため、取引する時は確認した方がいいです。

しかしレートは常に変わるものなため、ユーロドルで取引する時は安定した金額の損益が出ないと理解しておきましょう。

ドルストレートはユーロドルから

他のドルストレートに比べユーロドルは取引量が多いため相場が分かりやすいです。

他の種類だと取引量や値動きの激しさといった問題があるため、ドルストレートの入門にユーロドルは適しています。

今後ドルストレートをメインに取引を考えている場合はまずユーロドルで慣れていきましょう。

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