ポンドドル(GBP/USD)の特徴。値動きの傾向と取引する時の注意点。

FXにおいてポンドは相場の値動きが激しい通貨として有名であり、それだけに短期間で多額の利益を得られる魅力を持っています。

多くのトレーダーはポンドで取引を考えた場合、ポンド円を選ぼうと考えるでしょう。

しかしポンドで取引できる通貨ペアとして他にポンドドルがあります。

ドルストレートの通貨ペアであるためクロス円であるポンド円とはまた違った特徴があるのです。

ではポンドドルはどのような通貨ペアであり、どのように取引していけばいいでしょうか。

ポンドドルとは

ポンドドルはイギリスが取り扱う通貨であるイギリスポンドとアメリカドルが組み合わさって構成された通貨ペアです。

アメリカドルはFXにおいて説明不要と言える程最も取引されている通貨であり、基軸通貨として世界に出回っています。

一方ポンドはかつて基軸通貨だったのですがイギリスの衰退もあり、現在は基軸通貨から外されてしまいました。

そのためポンドドルは昔と現在の基軸通貨が合わさった通貨ペアといえるのです。

ポンドは基軸通貨から外されたものの、取引量としてはドル、ユーロ、円に次いで4位を誇ります。

取引量という観点から見ても多い同士の通貨ペアになっているのです。

しかし取引量こそ多いですがポンドは流通量が少ないため、相場の動きが激しくなっています。

ドルの取引量は多いですが、ポンドとペアになっている関係で相場は穏やかになっていません。

それ程ポンドがもたらす相場への影響力は強いといえるのです。

ポンド円と何が違うか

ポンド円との違いは関係する通貨の数です。

ポンド円は一見ポンドと円だけで取引しているように見えますが、実はドルの取引もされています。

そのためポンド円は実質ポンド、ドル、円が相場の流れに関わってくるのです。

ポンドに限らず円とペアになっているクロス円と呼ばれる種類はドルの存在も意識しておかなければいけません。

一方でポンドドルはドルストレートに分類され、ドルで直接取引される通貨ペアとなっています。

そのため相場の流れに影響を与えるのはポンドとドルの2種類だけです。

円が含まれていないため分かり難いと思われがちですが、実は相場の流れという点ではポンドドルの方が分析しやすくなっています。

にも関わらず円が含まれているためかポンド円で取引するトレーダーは多いため、これもFXで大半が負けている原因ともいえるでしょう。

FXにおけるポンドドルの特徴

ポンドドルはポンド円と違いドルストレートの通貨ペアです。

値動きの激しさこそ変わりませんが、それ以外の面でポンド円とは違った特徴があります。

必要証拠金の多さはポンド円と変わらない

ポンド円は必要証拠金が通貨ペアの中でも多くなっています。

同じポンドが関わってくるポンドドルも違いはなく、同じドルストレートであるユーロドル以上の金額が必要です。

証拠金は取引量を増やす段階になると僅かな違いでも大きく変わってきます。

ポンドドルで取引する時はポンドドルと同じように相応の資金を用意する必要があるでしょう。

値動きの激しさも変わらない

ポンドといえば値動きの激しい通貨として有名ですが、ポンドドルでも変わりません。

円とレートの表示が違うため分かり難いですが、円で例えれば銭ではなく円単位の動きは珍しくありません。

同じドルストレートのドル円は20、30銭の範囲で動くことが多いため如何にポンドの値動きが激しいか分かるでしょう。

短期間で大きな利益を得られる分、大きな損失で一気に資金がなくなってしまうリスクも高いのがポンドという「殺人通貨」です。

如何にリスク管理をするか、決済と損切りはどう判断するかトレーダーの判断が試されるのもポンド円と変わりません。

ドルストレートなためスプレッドはポンド円より狭い

ドルストレートは直接ドルで売買を行うため、円で構成されたクロス円に比べるとスプレッドは狭くなりやすいです。

そのためポンド円と比較してポンドドルはスプレッドが狭くなっています。

しかし国内のFX業者は自分達でスプレッドの設定を決められるため、中にはポンド円と変わらないかむしろ広くなっているところもあるのです。

ポンド円とポンドドルによるスプレッドの差を実感できるのは国内ではなく海外業者で取引する時でしょう。

海外業者による取引は直接市場と行うためスプレッドも市場に影響されてきます。

そのためクロス円は広く、ドルストレートは狭く設定されているのです。

実際に適当な海外業者でポンド円とポンドドルを比較すれば、大きく離れているのが分かるでしょう。

見方を変えればポンドドルで取引する場合は海外業者を視野に入れた方がいいといえます。

スワップポイントは売りで発生する

ポンド円と最も違う点としてはスワップポイントの特徴にあります。

ポンドが含まれる通貨ペアはそこまでスワップポイントが低くないものの、値動きが激しいため狙ってポジションを保持を考えるトレーダーは少ないでしょう。

しかし長期取引を考えるとスワップポイントによる増減が影響してくるため、ポンドの取引でも意識しなければいけません。

ポンド円は買いのポジションで入るとプラス、売りで入るとマイナスとなりました。

しかしポンドドルはドルがペアになっているためか逆になっており買いで入るとマイナス、売りで入るとプラスになるのです。

違いが分からないと思わぬ損失が出てしまうため、買いがマイナスになると理解しておきましょう。

ポンドドルの相場はどう動くか

ポンドとドルの通貨ペアなため見るべき情報はイギリスとアメリカに関わるものと理解するのは簡単です。

動く時間帯はロンドンとニューヨーク市場

為替相場においてロンドン市場はヨーロッパのトレーダーが、ニューヨーク市場はアメリカのトレーダーが参戦してくる時間帯です。

ポンドはイギリスの扱う通貨なためロンドン、ドルはアメリカの扱う通貨なためニューヨーク市場で値動きが活発となります。

ポンドドルは午後の夕方あたりから値動きが大きくなってくると考えましょう。

昼に仕事をしている方は丁度仕事が終わる時間に活発となる時間帯と重なるため、ポンドドルは副業として取引したいトレーダーに向いているといえます。

イギリスとアメリカの経済情報に注目

ポンドとドルが関わるためイギリスとアメリカ、両方の経済指標を確認しなければいけません。

どちらの経済指標でも共通する重要な情報は政策金利です。

イギリスはBOE、アメリカはFOMCが政策金利に関わる発表をします。

イギリスの方は午後5時30分と普段取引する時間帯に発表されますが、アメリカの方は深夜の3時辺りと取引に縁がない時間帯になっています。

どちらも発表されれば大きく動くのはもちろんですが、何より発表される時期も月の上旬と時期が被っているのです。

FXで取引するトレーダーであれば当然政策金利に関わる情報は注目するため、上旬の頃は発表が終わるまでポンドドルの相場に影響を与えるでしょう。

予想がし難い時期でもあるため発表される期間はポンドドルから手を引いて相場を静観するのも一つの手です。

共通して重要な経済指標としては雇用や生産に関わる情報もあります。

特にアメリカの雇用統計は大きな影響をもたらす経済指標なため、発表される月初めの金曜日は意識して取引する必要があるでしょう。

一方でイギリスの雇用関係は月の中旬に発表されます。

アメリカに遅れての発表になるため油断していると情報による急激な変動にやられてしまうでしょう。

どれにしてもアメリカ、イギリスどちらの経済指標も重要なものは抑えておいてください。

どちらの国も脅威が与える相場の影響に気をつける

一方でアメリカ、イギリスとどちらの国も脅威、テロといった事件による影響も無視できません。

最近では大きなテロがニュースになりませんが、アメリカで2001年に起きたテロは歴史に残る事件となっています。

イギリスも土壌の関係でテロに遭いやすいです。

テロが起これば相場が暴落する可能性が高く、実際にかつてのテロでもドルの暴落が一時的に起きました。

テロを始めとした災害は予想できるものではありませんが、ポンドドルで取引する以上は与える影響に関して理解しておきましょう。

ユーロの影響にも気をつける

ポンドを取り扱っているイギリスはヨーロッパの国です。

現在はEUを脱退し、当時相場に大きな影響を与えたようにイギリスは他のヨーロッパに所属する国から影響を受ける国でもあります。

ヨーロッパで使われている通貨といえばユーロであり、実際にユーロの値動きはポンドにも影響を与えるのです。

ポンドドルでも例外ではなくEU脱退している今でも影響はあります。

ポンドドルで取引する時はユーロの相場も確認しましょう。

ポンドドルでどう取引していくか

基本的な取引のやり方はポンド円と変わりませんが、違いもあるためそれを意識してやっていかなければいけません。

ポンド円と同じで初心者は手を出さない

ポンドの関わる通貨ペアは値動きが激しいため、大きな損失を出すリスクがあります。

ポンド円もそうでしたがポンドドルも同じなため、取引を始めたばかりトレーダーは手を出さないようにしましょう。

ポンド円にもいえることですが、殺人通貨と呼ばれるポンドはリスクは高い物の管理して取引できれば殺人と呼ばれるまでの事態にはなりません。

しかしリスク管理の基本は損切りであり、始めたばかりの初心者トレーダーで適切な損切りをするのは難しいです。

そのため現在もポンド円に手を出して大怪我をするトレーダーが多くなっています。

ポンドドルでも違いはないため手を出したいのであればしっかりリスク管理ができるようになった時にしましょう。

逆に言えばリスク管理のできないトレーダーはポンドドルだけでなくポンドに関わる通貨ペアへ手を出さない方がいいということです。

取り扱っている業者を探す

ポンドドルで取引をする場合はまず業者探しをしなければいけません。

ポンド円は比較的多くの業者で取り扱っていますが、ポンドドルだと取り扱っていない業者も出てくるからです。

取り扱っていない業者を選ぶとどう取引するか以前の問題となるため、取り扱っているか確認して選びましょう。

海外業者でも同じですが、海外の場合は有名どころだとポンドドルを取り扱っていることが多いです。

海外業者は問題のある業者も少なくないため、ポンドドルの件を考えなくても有名どころを選ぶのが無難といえます。

もちろん単にポンドドルが使えるだけでなく他の情報も比較して選んでいきましょう。

短期取引は約定力の高い業者を選ぶ

値動きが激しいため短期取引でやっていこうと考えるトレーダーも多いでしょう。

短期取引の場合は約定力が高い業者を選んだ方がいいです。

約定力は取引が注文通りに成立するかを表す情報であり、低いとスリッページが起こって望まないレートでの約定になってしまいます。

特にポンドドルは値動きが激しいため、他の通貨ペア以上にスリッページの起こる危険性が高く約定力は重要になるのです。

約定力という点で考えると海外業者を選ぶのがいいでしょう。

海外は約定力の高い業者が多く、国内と比べ圧倒的に早いと感じた体験談もあります。

同じ海外でも細かな違いはあるためスプレッドを始めとした他の情報とも比較して判断しましょう。

長期取引は流れができているのを確認して順張り

値動きが激しく変動するポンドドルですが、長期取引ができないわけではありません。

ポンドでも強いトレンドが発生すると一直線にしばらく流れる可能性が高いからです。

大きな流れに乗ればその分多額の利益を得られるため、トレンドを狙って取引するのもいいでしょう。

トレンドの分析から取引のタイミングは他の通貨ペアと変わりません。

基本ができている必要があるため。取引の意味でも初心者は手を出さない方がいいのです。

スワップポイントも含めて決済を考える

ポンド円と違い買いでマイナスになるため、上昇トレンドで入るとしばらくマイナスのスワップポイントが発生してしまいます。

相場の流れによってはマイナス分を補える利益になりますが、停滞するとその分マイナスの影響が響いてくるのです。

相場を見て動きがないと感じたら決済するかの判断をしましょう。

プラスとなる売りで入った時も関係のない話ではありません。

基本的に相場は上昇より下落の方が短期間となることが多くなっています。

下落が止まりトレンドが終わったと感じたら決済を考える必要があるでしょう。

取引するかはトレーダー次第

ポンド円と同じくメインで取引するか、一切手を出さないか判断するのはトレーダー次第です。

短期による利益は魅力的ですが大きな損失を出すリスクの可能性も無視できません。

円が含まれているためポンド円ばかりに意識が行ってしまいがちですが、同時にポンドドルの取引に関しても考えておきましょう。

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