離乳食に必要な食材や栄養素とは何か。
母乳から幼児食に移行する過程を離乳と言います。満5か月頃、或いは7kg程度から開始するのが適当です。
但し、発育が良ければ、満4か月から開始する事も出来ます。
開始時期は遅くても、満7か月頃に行わなければなりません。
離乳食は各時期によって、使える食品が異なります。
ここではその時期にあった離乳食の取り方や食材などをご紹介します。
目次
離乳食の進めかた
離乳初期(5~6か月)
離乳食を1日1~2回、ドロドロ状から舌で潰せる固さの潰し粥を30~40g、卵黄を2/3以下、豆腐25g又は乳製品55g又は魚5~10g又は肉は5~10g、野菜や果物各15~20g、油脂や砂糖等の調味料が各0~1g使えます。
アレルギーを気にかけて、お粥や白身魚から開始します。
また、離乳初期や中期には、そば、鯖、烏賊、蛸、海老、蟹、貝類等は控えます。
離乳中期(7~8か月)
1日2回となり、舌や歯茎で潰せる固さの粥を50~80g、卵黄~全卵を半分~1個、豆腐40~50g又は乳製品80~100g又は魚15~18g又は肉は15~18g、野菜や果物各25g、油脂や砂糖等の調味料は各2~2.5g利用できます。
この時期から、豆腐の代わりに納豆や潰した煮豆を用いる事が出来ます。
離乳後期(9~11か月)
1日3回になり、母乳が段々少なくなるので、ビタミンKを多く摂る必要があります。
また、歯茎で潰せたり、歯茎で噛める固さの硬い粥~軟飯を80g、全卵を半分、豆腐50g又は乳製品100g又は肉18g又は魚は18g、野菜や果物各30~40g、油脂や砂糖等の調味料各3gが使用できます。
離乳完了期(12~15か月)
には母乳やミルクが不要になり、1日3回の歯で噛める固さの軟飯~ご飯を80~90g、全卵を半分~2/3個、豆腐50~55g又は乳製品100~110g又は魚18~20g又は肉18~20g、野菜や果物は各40~50g、油脂や砂糖等の調味料を各4g食べられます。
また、離乳後期以降は鉄が不足しやすくなるので、赤身の魚やレバーを多く使用すると栄養バランスが保てます。食材に悩んだ時は、ベビーフードで強化する方法もあります。
但し、乳児ボツリヌス症予防の為に、蜂蜜は満1歳まで使えません。
時期別おすすめ献立
離乳初期の食事
母乳やミルクを好きなだけ飲めるので、乳児(1歳までの赤ちゃん)の食欲に合わせて控えめに作ります。
- 南瓜粥(五分粥、潰した南瓜5g、出汁汁)
- 固ゆでした卵黄、湯がいたブロッコリー10~15g
- すりおろしたリンゴ、プレーンヨーグルト
簡単で問題ありません。味覚が発達しているので、薄味でも味を感じてくれます。
離乳中期の食事
- 卵粥(卵黄半分、全粥25~40g、しらす0.7g)、ほうれん草のみぞれ煮(ほうれん草10g、
大根15g、片栗粉0.2g、出汁汁25g) - ヨーグルト和え(プレーンヨーグルト80~100g、バナナ25g、砂糖1.5g)と全粥25~40g、豆腐のくず煮(絹ごし豆腐40~50g、キャベツ5g、人参2g、絹さや1g、片栗粉0.3g、出汁汁40g、薄口醤油0.3g)
母乳やミルクが1日3回程に減り、少しずつ栄養が必要になる時期です。
また、全粥を軟らかく煮たうどんに代えたり、鶏ひき肉や笹身を使用したりする事も有効です。
離乳後期の食事
段々母乳やミルクを減らしていく時期なので、栄養を強化しましょう。
- 硬粥~軟飯25g、煮豆5g、ワカメサラダ(乾燥ワカメ1g、入り卵半分、胡瓜15g、しらす0.3g、青じそドレッシング2g)
- 桃15~20gと硬粥~軟飯30g、マグロのマヨネーズ焼き(マグロ18~20g、食塩0.2g、マッシュルーム4g、油2g、マヨネーズ2g、スキムミルク2g、パセリ1g)
- 湯がいたブロッコリー15gと硬粥~軟飯25g、チンゲン菜の和え物(チンゲン菜20g、しらす0.5g、上白糖0.2g、濃口醤油0.2g、出汁汁20g、片栗粉0.2g)、キウイフルーツ15g
離乳完了期の食事
- 軟飯~ご飯25~30gゆで卵サラダ(レタス5g、胡瓜10~20g、トマト10g、卵半分~2/3、マヨネーズ4g)
- 軟飯~ご飯30g、豆乳グラタン(絹ごし豆腐30g、食塩0.2g、マッシュルーム5g、玉葱10g、有塩バター4g、食塩0.6g、牛乳50g)葡萄25g
- 軟飯~ご飯25~30g、はんぺんとほうれん草の煮物(ハンペン20~25g、ほうれん草5g、上白糖1g、濃口醤油2g、出汁汁70g)林檎15~25g
栄養源の大部分が食べ物から摂取でき、通常、満1歳で離乳は完了します。
一日に必要なカロリーと栄養素
離乳期の乳児(5か月~12か月まで)の場合
体重1kg当たり100kcal
脂質量は脂肪エネルギー比率で30~40%
蛋白質量は体重1kg当たり2.7g、ビタミンE3mg、ビタミンK10υg、ビタミンB1が0.3mg、ビタミンB2が0.3mg、ナイアシン4mg、ビタミンB6が0.1mg、葉酸50υg、ビタミンB12が0.2υg、ビオチンが6υg、パントテン酸2mg、ビタミンC40mg、鉄6mg、リン280mg、マグネシウム30mg、カリウム700mg、銅0.7mg、ヨウ素50υg、マンガン1.2mg、セレン20υg、亜鉛4mg、クロム0υg、モリブデン0υgです。
離乳期完了期(12~15か月)の場合
一日に1050kcal
脂質の脂肪エネルギー比率が25~30%27.7g~33.3g
蛋白質量35g、ビタミンE5mg、ビタミンK15υg、ビタミンB1が0.5mg、ビタミンB2が0.6mg、ナイアシン8mg、ビタミンB6が0.5mg、葉酸70υg、ビタミンB12が0.8υg、ビオチン8υg、パントテン酸2.4mg、ビタミンC45mg、鉄7mg、リン600mg、マグネシウム60mg、カリウム900mg、銅0.8mg、ヨウ素70υg、マンガン1.8mg、セレン25υg、亜鉛5mg、クロム16υg、モリブデン6υgになります。
共通するのは、ビタミンA300υgRE、ビタミンD10υg、カルシウム500mgが必要になる所です。
まとめ
少しくらいなら、野菜を多目に摂っても構いません。個人の成長速度や体調に合わせて変えていって下さい。
また、無理に調味料を入れ過ぎる必要はありません。適量の日や少ない日があっても大丈夫です。
他には、夏になると水分不足になりやすいので、果汁やスープを適宜加えて下さい。
このように手作りを基本とし、疲れた時には市販の離乳食も
売られいるので使ってみて下さい。