[育児の体験談]
愛知県 39歳女性 ユキコさん 6歳息子 4歳息子
長男が生後9ケ月の時の事です。
熱が出て風邪かなぁと思い小児科を訪れました。そこで先生から「ちょっと子供さんの顔色が良くないね、こんなにいつも青白いの?」と言われ、急な質問に「もともと主人も色白なので」と答えていました。
まさか長男の色白が貧血によるものだったなんて考えてもいなかったのです。
赤ちゃんでも貧血になる?
生まれてから母乳だけで育児をしていたのですが、離乳食期になってもなかなか食が進まない状態でした。
それでも私自身も貧血ではなかったし、母乳育児は貧血になる恐れがあるなんて全く知りませんでした。
訪れた病院で早速採血による血液検査が行われました。当時まだ赤ちゃんだった長男は、ベッドの上に縛り付けられて採血をされたようで、母親の私は採血時には入室禁止でした。
待合室から聞こえる、自分の子供の尋常でない泣き方に何度も涙したのを今でも覚えています。
貧血決定。どうしたらいい?
採血の結果は先生の指摘されたとおり「貧血」でした。原因は母乳による体重増加と、離乳食の遅れということでした。
正直、母乳育児を頑張っていたのでショックは隠せませんでした。
病院からは貧血の診断後に鉄が含まれたシロップを出してもらいましたが、そのシロップの鉄臭いことといったら。大人でも飲むのを拒否してしまうような匂いでした。
当然、長男も必死で飲むことに抵抗し、挙句の果てには食後に飲ませる鉄分供給のシロップのせいで嘔吐してしまうこともありました。
私も子供がかわいそうやら、貧血を早く治してあげたい気持ちで焦ったりしていました。
ゆっくりいこうねの言葉に励まされて
私はうまく鉄シロップを飲ませられず焦っていました。
というのも、インターネットなどで、赤ちゃんの時期に貧血になると運動能力が遅れたり、脳の発達に影響があるという情報があったからです。
この子にもしも発達の遅れがあったらどうしよう、という思いから本当に憂鬱で心配な毎日でした。
なかなか薬を飲ませられないままに病院に経過観察で行ったところ、院長先生に現状を涙ながらに相談しました。
すると、院長先生が「命に関わる病気じゃないからお母さんゆっくりいきましょうよ」と言って下さいました。その言葉にすごく救われた気がしました。
結局、長男は処方された鉄シロップをほとんど飲むことはありませんでした。そのため、鉄分の多いとされるレバーを食べさせたり、お湯を沸かす時も鉄瓶にしてみたり工夫をしてみました。
他にも鉄分が豊富といわれる小松菜、牛肉、まぐろ、ひじき、大豆これら他の食品をすべて料理法を変えて、あれに混ぜたりこれに混ぜたりと、常に栄養成分分析表とにらめっこしながら離乳食をすこしずつ進めていきました。
貧血を乗り越える
その結果、1歳の時には血液検査で正常値となりました。後は食事のバランスを考えて進めていきましょうということになり、背負っていたものがふっととけたような気持になったのを覚えています。
現在、長男は小学校一年生になりましたが、私が心配していた発達の遅れは全く感じることなく、算数の計算も通っている教室の同級生の中では優秀なようで本人も自慢に思っているようです。
育児をするなかでは、うちの子に限っては絶対に無いとたかをくくっていたことが突然起こることもあると思います。
でも私たち母親は、それを解決できる愛情とパワーが必ずあるんだと、信じていきたいと思っています。