子供にひらがなを覚えさせたいけどどうすればよいのかと、考えることがあるでしょう。
そもそもまだ教える時期ではないのか、それとももう教えなければいけないのか、子供の年齢によっては学習のタイミングに悩むこともあるかもしれません。
親が特別何かをしなくても、自然とひらがなを覚えていく子供がいれば、いつになっても興味をもってくれない子供もいます。
子供の状況を見つつ、必要に応じてひらがなを覚えさせていきたいところです。
ただし、ひらがなの覚え方には注意点もありますので知っておきましょう。
目次
ひらがなは何歳で覚えるべき?年齢との関係について
自分の子供は他の子供と比べてどうなのか、気になる親御さんは多いでしょう。
保育園や幼稚園で目にした子供、ママ友の子供などと比較し、「うちの子、まだひらがなを覚えていない」と不安になることがあるかもしれません。
ひらがなは何歳で覚えさせるものなのでしょうか。
目安は4歳くらいから
少しでもはやく勉強のスタートダッシュを切らせたい…。
他の家庭の子供よりも優秀であってほしい…。
親としてその気持ちは分からなくないのですが、強制的にひらがなを覚えさせようとしても意味がありません。
子供が成長していくにつれ「勉強嫌い」「宿題をやりたがらない」といった問題に発展することもありますので、強要することは避けた方がよいでしょう。
最適なタイミングとしては、興味をもち始めたら覚えさせることです。
子供自身が興味をもち、楽しく覚えることが何よりも大切だからです。
一般的な目安としては、はやい子供でも3歳くらいから、あるいは4~5歳で少しずつ覚え始めるといった子供も多いようです。
小学校入学前までに覚えておくと安心
一方で、小学校に入学する時点でひらがなが全く読み書きできなければ弊害もあります。
授業はもちろん、物や場所、名前を示す言葉が分からない、連絡帳への記入ができないなど、学校生活を送るうえで困ることがでてくるでしょう。
小学校入学時点でおよそ8割の子供が、ある程度のひらがなの読み書きができるとも言われています。
もちろん、小学校の中でもひらがなを学ぶ機会があります。
小学校入学までに覚えることが必須ではありませんが、子供自身が困ってストレスを感じたり、やる気をなくしたりすることは避けたいもの。
小学校に入る前までを目安にひらがなを覚えておくとひとまず安心です。
「ひらがなを覚える時期がはやい=頭がよい子供」ではない
ひらがなを覚える時期は子供によって異なります。
ひらがなを覚える時期がはやいからといって、その子供が賢いわけでもありません。
巷には「1歳でひらがなを覚える方法」「2歳までにこうして覚えさせた」といった広告などがありますが、そうしたものに親があまり踊らされないことが大切です。
小さな子供は遊びや日常生活を通じて多くのことを学んでいきます。
少しでもはやくひらがなを覚えさせようと躍起になることには、あまり意味がないのです。
自由な発想ができたり状況を判断する能力があったりと、本質的に頭のよい子供はいるものです。
発想力が豊かなはずの小さな時期に、遊ぶことを制限してひらがなの勉強をさせ、自分で何も考えることができず暗記だけが得意になってしまっても困ります。
ひらがなの覚えが少し遅い程度で心配する必要はありません。
下手に焦ってしまい、無理に覚えさせようとすることで勉強嫌いになっては本末転倒です。
男女の違いもあるから焦る必要はない
女の子と男の子でも、ひらがなに興味をもち始める時期が異なります。
女の子の場合は母親が連絡帳に文字を書くことやお手紙を書くことを真似して、男の子よりもはやく興味をもち始めることが多くあります。
4歳くらいですでにお手紙を書ける女の子もでてきます。
女の子が興味をもったのであれば、その興味を大切にしてあげて、男の子よりもはやく教えてあげることはよいでしょう。
「きょうのよるごはん」と書いたボードを作る、母親と手紙の交換をする習慣をつくるなどしても喜びます。
一方、男の子は外で遊ぶことに夢中で、女の子ほど文字に興味をもちにくいことが多々あります。
運動能力の発展にもつながりますので、外遊びはとても大切なことです。
ただし、男の子の場合は、興味をもつことを待ち続けていても、全く興味を示さず、いつのまにか小学校入学を迎えることがあります。
すると、前述したように困る子供もでてきてしまうため、様子を見ながらも、後に述べるような興味をもつように仕向けていく工夫も必要になります。
楽しいひらがなの覚え方
子供にひらがなを覚えさせるには、何よりも楽しく学ぶことが大切です。
ここでは、楽しいひらがなの覚え方を紹介します。
絵本を読んであげよう
絵本の読み聞かせは、子供がひらがなに興味をもつ、よいきっかけとなります。
親が頻繁に読み聞かせをしてあげていると、それだけで何となく読めるようになる子供もいます。
読み上げるときは、ゆっくり丁寧に、はっきりと発音するようにしましょう。
最初のうちは読み上げて興味をもってもらえればよいですが、何度も読んだ本は文字を指でなぞりながら読むとより効果的です。
目の前にある文字と、発音の一致を感じながら、自然と覚えていきます。
絵本の読み聞かせは、親子のコミュニケーション以外にも、子供にひらがなを覚えさせる際の基本となります。
非常に重要な学びの場ですので、積極的に読んであげましょう。
ひらがな学習用の絵本もある
市販されている絵本の中には、楽しみながらひらがなを覚えやすいように工夫された「あいうえお絵本」と呼ばれるものも多数あります。
子供が興味をもちやすいような書体や色を使ったものや、歌を歌いながら読めるものなど、それぞれ特色があります。
子供が何に興味をもつのかは分かりませんので、そうした絵本もうまく取り入れながら絵本学習を進めてみてもよいでしょう。
「こどもちゃれんじ」などの幼児向け教材の中でも、子供が楽しくひらがなを覚えられるための絵本があります。
お風呂の中でひらがなを覚える
子供は大人のようにただゆっくりと湯船につかることが苦手です。
そんなとき、ひらがなの勉強をお風呂の中でしてみることも一つの方法です。
おもちゃ屋や100円均一などで売られているお風呂用のひらがなポスターを貼り、ひらがなの勉強をしてみてもよいでしょう。
ポスターを指さし、「これ、なんて読む?」と質問してみましょう。
一説によれば、「祖父と一緒によくお風呂に入る子供は賢くなる」そうです。
大好きなおじいちゃんと一緒に過ごすことができ、昔話や人生で大事なことを教えてもらえるので、子供にとってはよい学びの場所になるのでしょう。
ご家庭の事情によって祖父と一緒に入ることは難しくても、親と一緒に楽しくお風呂に入ってひらがなを学ぶことはよい方法です。
手作りのかるた風ひらがな遊び
かるた風のひらがな遊びはいかがでしょうか。
親が用意するのは、白紙をかるたサイズにカットし、一枚につき一文字ずつひらがなを書いたものです。
「あ、はどれ?ママと競争だ!」などと言いながら、楽しく探していきましょう。
市販のカルタもひらがなを覚えるツールとしてよいものですが、子供によってはひらがなの文字ではなく、かるたの絵で覚えてしまうことがあります。
そうすると、根本的にひらがなを覚えたことにはならないため、ひらがなをある程度覚えてきた段階で使った方がよいでしょう。
お出かけのときも意識して教えてあげる
子供と一緒に外出するとき、看板や飲食店のメニュー表などで文字を目にする機会があるでしょう。
外出したときもひらがなを覚えるチャンスです。
「これ、なんて読む?」と聞いてあげましょう。
すぐに答えられなくても、ヒントをだしてあげるなどして親が正解をはやめに言わないことが大切です。
答えられたときには「すごい!」と褒めてあげると、親からの質問に楽しく答えてくれるようになり、ひらがなもたくさん覚えようと積極的になってくれます。
ひらがなの覚え方にはコツがある
ひらがなの覚え方のコツを子供自身が意識できるわけではありませんので、親が教えるときの注意点を押さえておくことが大切です。
ここでは、ひらがな学習のポイントを見ていきましょう。
ひらがなは「読み」から覚える
ひらがなを覚えるとひとことで言っても、読むこと、書くことがあります。
ここでは「読み」から覚えさせることが重要です。
子供はひらがなを絵と同じように認識していますので、いきなり書くことを覚えさせようとしても、お絵かきをしていることと変わりません。
一生懸命書いているように見えても、実は覚えているわけではなかったなんてことになりかねません。
また、「読み」と「書き」を同時に覚えることは、子供にとって負担となります。
そのことで勉強嫌いにつながってしまうかもしれません。
まずは読めるようになり、書くのはそれからです。
大人に置き換えてみるとイメージが湧きます。
読めない漢字をいきなり書けと言われても難しいと感じるのではないでしょうか。
反対に、書けないけど読めるという漢字は多くあるはずです。
好きなもののひらがなを覚えることから
ひらがなの基本といえば「あいうえお」です。
しかし、「THE 勉強」といった形で、早い段階であいうえおから順番に覚えさせようとしても、まだ小さい子供の集中力が続くわけもなく、楽しんで覚えることができなくなってしまいます。
まずは子供の動機づけが重要ですから、好きなもののひらがなを覚えさせましょう。
好きな動物、食べ物、キャラクターなど。
自分や両親の名前など、身近な人の名前も興味をもちやすいです。
自分が好きな対象の文字を読み書きできるようになれば子供は嬉しくなります。
「あいうえお」の順番を覚えるのはそれからでも十分です。
数をこなすよりも丁寧に書かせる
子供がひらがなを読めるようになってきたら、いよいよひらがなを「書く」段階に入ります。
この時点では丁寧にゆっくり書かせることが大切です。
親がとにかくたくさんのひらがなを書かせてしまうことがありますが、スパルタはあまりおすすめしません。
大人が漢字や英単語の勉強をするときには、数をこなすことが効果的ですが、まだ小さな子供は逆効果になることが。
ただ適当に書いて覚えられない子供や、書くことが嫌になってしまう子供もいるのです。
子供のやる気を下げないこと
親が厳しく添削して整った文字を書かせようとするのもNGです。
消しゴムで消したり、赤ペンでチェックしたりして子供のやる気をそぐようなことはやめましょう。
いくつかのひらがなを書かせたら、上手に書けた文字を褒めてあげれば十分。
花マルをつけてあげる、シールを貼ってあげるなど、子供のモチベーションを上げる工夫をしてみましょう。
子供の年齢によっては、「運筆力」がなく、そもそも書くことが上手にできないこともあります。
そのときは、鉛筆をもたせて絵や線を描く練習から始めたり、クレヨンなど子供がもちやすいものから慣れさせたりする方法があります。
筆圧は強めに書かせよう
親たちが子供の頃に学校で推奨されていた鉛筆と比べ、今の子供たちは濃い鉛筆を使っています。
子供の筆圧が下がってきたわけですが、学習能力への影響も懸念されています。
というのも、筆圧を強く書く方が、脳が刺激されて学習へよい影響があると言われているからです。
また、筆圧を強くすることでしっかり丁寧に書くことにもつながります。
必然的にひらがなを覚えやすくなっていくので、ご家庭でひらがなを練習するときは、筆圧にも気をつけてあげましょう。
書き順の教え方は適度な距離感が大事
ひらがなの書き順についても心配される親御さんは多いでしょう。
すでに覚えた書き順を後から覚え直すことは大変なことなので、ひらがなを書くときには書き順も見てあげたいところです。
ただし、まだ子供が一生懸命書くことに慣れようとしている段階で、口うるさく指導することも考えものです。
書いているところを見て、書き順が違っていたら「こう書いた方がかっこよく書けるんだよ」などと教えてあげるとよいですね。
「違う、そうじゃない」「何回言ったらわかるの?」など、子供に強く当たってしまうことはやめましょう。
最後に
いかがでしたか?今回は、小さな子供のひらがなの覚え方を紹介しました。
子供がひらがなを覚えるべき年齢や、注意点などもお分かりいただけたでしょうか。
ひらがな学習は、子供が学校教育を迎えるにあたって第一歩とも呼べるべきものです。
ここをしっかりとやっておきたいと意気込むことがあるでしょうが、親の焦りは禁物です。
あくまでも子供自身が興味をもち、楽しく学べることを念頭に置き、今回ご紹介したさまざまな工夫を凝らしてみましょう。