五線譜の上にAとかBmとか書かれている楽譜を渡されて「コードを弾いて」と言われたことはありませんか?
クラシックピアノの楽譜では、コードが書かれた楽譜は使いません。
そのため、クラシックピアノを習っている人の中にはコードが苦手という人も多いと思います。
実は、コードはメジャーコードとマイナーコードを覚えて弾くことは難しくはないのです。
コードはたくさんありますが、今回は基本のメジャーコード・マイナーコードの覚え方を紹介します。
目次
コードとは
「コードって聞くけどコードって何?」
そう思う人は多いと思います。
コードとは和音のことです。
異なる高さの音を同時に弾く音のことを和音といいます。
コードで使われる基本のコードには、基本のメジャーコード・マイナーコードをはじめ様々なコードがあります。
ピアノの楽譜にコードが書かれるときは、五線譜の上にA、Bm、C7というように書かれています。
コードを弾くために必要な知識
ルート(根音)
基本的なメジャー・マイナーコードは3つの和音で構成されます。
このとき、一番下に来る音を「ルート(根音)」といいます。
例えば、ドミソ(C・シーメジャー)という和音の場合ルートはドに、レファラという和音(Dm・ディーマイナー)の場合はルートはレになります。
コードの名前はルートの音を文字にしているので、コードを覚える時は必ず音階の音がどのような文字であらわされるのかを覚えましょう。
コード譜のドレミファソラシド
コード譜では音をアルファベットを使って書かれてます。
コード譜ドレミファソラシドは
- C=ド
- D=レ
- E=ミ
- F=ファ
- G=ソ
- A=ラ
- B=シ
というように書かれます。
そのため、ドレミファソラシドはCDEFGABCになります。
また♯ドや♭シなどはそれぞれの文字に#・♭をつけて音を表します。
例えば♯ドはC♯、♭シはB♭と表します。
メジャーコードとは
メジャーコードはC、E、Bなどの大文字のアルファベット1文字であらわされます。
読み方はCと書いてあったら「シーメジャー」、Dと書いてあったら「ディーメジャー」と読みます。
メジャーコードは
- ルート
- 第3音(ルートから数えて半音4つ目の音)
- 第5音(第3音から数えて3つ目の音)
を同時に弾いた音になります。
例えばCと書かれていた場合、ルートはドになります。
第3音は、ドから数えて半音4つ目の音になるのでミになります。
第5音は第三音(ミ)から数えて半音3つ目の音になるのでソになります。
そのため、楽譜にCと書かれているときはドミソを同時に押さえます。
とても明るい響きの和音です。
メジャーコードの覚え方
メジャーコードの覚え方は
ルート(大文字のアルファベットの音)・第3音(ルートから数えて半音4つ目)・第5音(ルートから数えて半音3つ目)と覚えてください。
C=ド・ミ・ソ
D♭(C#)=♭レ・ファ・♭ラ
D=レ・♯ファ・ラ
E♭(D#)=♭ミ・ソ・♭シ
E=ミ・♯ソ・シ
F=ファ・ラ・ド
G♭(F#)=♭ソ・♭シ・♭レ
G=ソ・シ・レ
A♭=♭ラ・ド・♭ミ
A=ラ・♯ド・ミ
B♭=♭シ・レ・ファ
B=シ・♯レ・♯ファ
このように、メジャーコードはルート・ルートから数えて半音4つめの第3音・第3音から数えて半音3つ目の第5音で構成されています。
この理論を覚えておけば、簡単にメジャーコードは覚えることが出来ます。
マイナーコード
マイナーコードはCm 、Dm、Amというように大文字のアルファベットと小文字のmを並べてあらわされます。
Cmと書いてあったら「シーマイナー」、Dmと書いてあったら「ディーマイナー」と読みます。
マイナーコードは
- ルート
- 第3音(ルートから数えて半音3つ目の音)
- 第5音(第3音から数えて半音4つ目の音)
を同時に弾いたものにまります。
例えばCmと書かれていた場合、ルートはドになります。
これはメジャーコードと一緒ですね。
第3音はドから数えて半音3つ目の音になるので♭ミになります。
第5音は♭ミから数えて半音4つ目の音なので、ソになります。
そのため、Cmと書かれているときはド♭ミソを同時に押さえます。
哀愁が漂うような響きの和音です。
マイナーコードの覚え方
マイナーコードの覚え方は
ルート(大文字のアルファベットの音)・第3音(ルートから数えて半音4つ目)・第5音(ルートから数えて半音3つ目)と覚えてください。
Cm=ド・♭ミ・ソ
D♭m=♭レ・♭ファ(押さえるのは白鍵のミ)・ラ♭
Dm=レ・ファ・ラ
E♭m=♭ミ・♭ソ・♭シ
Em=ミ・ソ・シ
Fm=ファ・♭ラ・ド
G♭m=♭ソ・♭♭シ(シのダブルフラットなので、押さえるのは白鍵のラ)・♭レ
Gm=ソ・♭シ・レ
A♭m=♭ラ・♭ド(押さえるのは白鍵のシ)・♭ミ
Am=ラ・ド・ミ
B♭m=♭シ・♭レ・ファ
Bm=シ・レ・♯ファ
このように、マイナーコードはルート・ルートから数えて半音3つ目の第3音・第3音から数えて半音4つ目の第5音で構成されています。
この理論を覚えれば、マイナーコードは簡単に覚えることが出来ます。
ピアノを弾きながらコードを覚える方法
今まで、メジャー・マイナーコードについて紹介しました。
ここでは、ピアノを弾きながらコードを覚える方法を紹介します。
コード名を言いながら弾く
コードの名前を言いながらコードを弾くと早く覚えることが出来ます。
言葉にして指も動かすので、記憶に残りやすくなります。
また、弾き語りをする時はコードを弾きながら歌を歌うことがほとんどです。
弾き語りをしたい人には、コードを弾きながら声出すことに慣れる練習にもなりますよ。
メジャー・マイナーコードを半音ずつ上げながら弾く
コードを覚えるためには、実際に弾くのが一番の近道です。
まずは基本のCのコードを弾いてみましょう。
次に、それぞれ半音ずつ上げて弾いてみましょう。
そうすると、♭レ・ファ・♭ソを弾くので、D♭のコードを弾くことになります。
このように半音ずつ上げながら弾くことで、すべてのメジャーコードを弾くことが出来ます。
コードを半音ずつスムーズに弾く練習にもなりますよ。
入門のコード譜を使って練習する
コードの仕組みが分かったら、とりあえず弾いてみましょう。
「いきなり弾けるの?」
と思う人もいるかもしれません。
けれど、コード初心者向けの簡単な楽譜はたくさんあります。
コードを弾く練習用に書かれた楽譜なので、メジャーコードやマイナーコードで構成されているものがほとんどです。
有名な曲を使っているものが多いので弾きやすい楽譜が多いです。
コードの響きを意識する
「コードの理論が分かったからとにかく暗記をしよう」
確かに、暗記することは大切かもしれません。
でも、それ以上にコードの響きを意識してコードを弾いてください。
コードを実際に弾いてみて、どのようなイメージが浮かんだでしょうか。
とても明るく感じたり、暗く感じたり、暗くてもキレイな響きに感じたり、様々な印象があるのではないでしょうか。
響きを意識しながらコードを覚えていくと、実際にコードを弾くときに自分のイメージする曲想に合わせてコードを弾くことが出来ます。
コードを覚える時は、コードの響きも一緒に意識しましょう。
コードの苦手意識をなくそう
いかがでしたか?
ピアノでコードを弾くことが出来ないと思っている人は多いと思います。
日本のピアノ教室では、クラシックピアノ専門の先生が教えているところがほとんどです。
そのため、見慣れないコード譜を見ると苦手意識をもってしまう人が多いのではないでしょうか。
けれど、基本のメジャーコードとマイナーコードはそれぞれのルールが分かれば覚えるのは簡単です。
大切なのはコードを弾くことの苦手意識をなくすことです。
コードを覚えて新しいジャンルのピアノを弾いてみてはいかがでしょうか?