コーヒーと言えば中南米産、そしてコロンビアのコーヒーは有名です。
それもそのはず、栽培や農家の取り組みなど素晴らしい環境で、コロンビアのコーヒー豆は作られています。
ではどのような味の特徴があるのでしょうか?おすすめの飲み方や相性のよい食べ物も合わせてご紹介します。
目次
コーヒーの栽培状況
コロンビアのコーヒーの基本情報は次の通りです。
コロンビアのコーヒー産業
コロンビアでのコーヒー豆の生産状況は、ブラジル、ベトナムに続き世界第3位です。コロンビアにおけるコーヒー輸出は基幹産業のひとつであり、国内GDPの17%を占めています。
コロンビアの地形と気候
コロンビア国内を南北に縦断するアンデス山脈の麓で多く栽培され、多くの名産地があります。
平均して2000m級の標高の土壌は水はけのよい火山灰を多く含み、根を張りやすくコーヒーの木が成長しやすい環境です。
このように高地で栽培されるため、1日の気温の寒暖差が大きいのが特徴です。
この環境の厳しさこそが、甘みと酸味を合わせ持つコロンビアのコーヒーを生み出しているのです。
2011年に世界遺産に登録
標高の高い山岳地帯での栽培はおいしいコーヒーはできる反面、急斜面での作業や作付面積の狭さなど困難の連続です。
それでも栽培に真摯に取り組む努力を評価されて、2011年に一部産地のアンデス山脈中央から西部が世界遺産「コロンビアのコーヒー産地の文化的景観」に認定されました。
コロンビアコーヒーの銘柄
地形や気候に恵まれ発展が目覚ましい、コロンビアのコーヒーの代表的な銘柄をご紹介します。
エメラルドマウンテン
認定されるのは、コロンビアコーヒーの全生産量のわずか3%未満という希少な高級豆です。
コロンビアのコーヒーの特徴である酸味は、エメラルドマウンテンにおいては柑橘系のようにクリアでフルーティです。
厳正な品質管理と鑑定士による選定基準により、エメラルドマウンテンの最高級のクオリティを維持しています。
ウィラ
コロンビア南西部に位置するウィラ県で作られており、「コロンビア ウィラ」としてブランド販売されています。
コロンビアのコーヒーの特徴としてフルーティな酸味が挙げられますが、同じコロンビアでもウィラ産は酸味と甘さの調和が取れています。
ナリーニョ
ナリーニョは、コロンビア南西部に位置します。
最も標高が高い場所で2300m、コーヒーの栽培は本来向かない場所ですが、赤道付近であるため生育に必要な日射量があります。
低い気温で育つコーヒーに共通する甘みがあり、酸味は穏やかです。
コロンビアコーヒー格付け・等級とは?
基幹産業であるコーヒーのブランドや品質を守るため、コロンビアのコーヒーは次のような団体、格付けがあります。
コロンビアのコーヒー団体FNC
コロンビア国内56万の農家を代表するのが、FNC(コロンビア国立コーヒー生産者連合会)です。
現在世界各地のコーヒー農家は、収量の不安定さや複雑な市場価格が原因で、貧困率が総じて高いです。
しかしFNCは品質管理や味覚の専門家が多く所属しているので、厳しい選定基準の下、安定した市場価格、コーヒー農家の安定収入を実現しています。
原産地呼称制度
FNCはコロンビア国内の特に優れたコーヒー産地のブランドを守るために、原産地呼称制度を4つの県(ナリーニョ県、カウカ県、ウィラ県、サンタンデール県)に採用しています。
これらの各地域以外で栽培、製造されたコーヒーは原産地を商品名にすることはできません。
スプレモ
厳正な基準をクリアしたコーヒー豆のみが市場に流通する等級をコロンビアでは「スプレモ」と呼び、豆の大きさ(スクリーンサイズ)によって分けられます。
最高等級は「スプレモ」でスクリーン17(7.5mm)以上、その下の等級は「エキセルソ」で14~16以内(5~6.5㎜)です。
コロンビアのコーヒーはどんな味?
山岳地帯で栽培されるコロンビアのコーヒーは、酸味だけでは語れない奥行きがあります。
コロンビアのコーヒーは酸味が強い?
ところでコロンビアのコーヒーはよく「酸味がある」「酸っぱい」などと言われています。確かに酸味はしっかりとあります。
これはコロンビアのコーヒー豆の多くが、気温の寒暖差が大きな標高の高い地域で栽培されているためです。
酸味はありますが、同じくらい甘味もあるのがコロンビアのコーヒーの特徴です。特に後味に甘さの余韻がありますので最後までゆっくりコーヒーを味わってみて下さい。
それでも酸味が気になるようでしたら、砂糖をスプーン1杯加えると穏やかな酸味に変わり、コロンビアのコーヒーの甘味を堪能できます。
ブラジルのコーヒーとの違い
こちらもよく耳にするのが、コロンビアとコーヒー生産世界第1位である隣国ブラジルのコーヒーの「味の違い」です。
コロンビアのコーヒーの特徴が酸味と甘みのバランスのよさであれば、一方でブラジルのコーヒーはマイルドな味わいです。
標高の高い山岳地域で栽培されるコロンビアとは違い、ブラジルは比較的平坦で温暖な気候の地域で栽培されます。
大規模農家が多く栽培システムが確立しているため、誰もが気軽に楽しめるコーヒーを安定供給できる背景がマイルドな味に反映されています。
そんな飲みやすいブラジルのコーヒーですが、お互いの特徴を活かしたコロンビアとブラジルのブレンドコーヒーも多く流通しています。
お隣の国同士のブレンドコーヒーも、機会があればぜひお試し下さい。
おすすめの飲み方
コロンビアのコーヒーの、おすすめの淹れ方や本国ならでは飲み方をご紹介します。
ドリッパーの種類
酸味と甘味のバランスが絶妙なコロンビアのコーヒーは、円錐型のドリッパーを使って入れると両方の味を上手く引き出せます。
円錐型のドリッパーはコーヒーの味をダイレクトに抽出します。シャープな酸味が味わえますので、酸味嫌いの人が好きになるケースも多いのです。
一方でやはりマイルドに飲みたい人には、じっくりと時間をかけて甘みを引き出す台形ドリッパーがおすすめです。
砂糖・ミルクとの相性は?
ブラックで飲むのはもちろんのこと、コロンビアのコーヒーは砂糖を入れてもおいしく飲めます。
シャープな酸味が特徴ですが、砂糖を入れた角のない穏やかな酸味もまた格別です。
反対にコロンビアのコーヒーとミルクの相性は悪いようです。酸味がなくなることで甘さも感じにくくなり、ぼんやりとした味になってしまいます。
コロンビア伝統のティント
コロンビア本国でのメジャーな飲み方は、「ティント」です。加糖のブラックコーヒーなのですが、現地の人はとにかく黒糖をたっぷりと入れます。
コロンビアのコーヒーは酸味がしっかりあるので、黒糖のコクのある甘さは独特な味わいを引き出します。
コロンビアのコーヒーを買ったら、黒糖を入れたティントも作ってみて下さい。
相性がよい食べ物
クリアな酸味とほのかな甘味のバランスがよいコロンビアのコーヒー、特に次のような食材と相性がよいとされています。
ハードチーズ
長い熟成を経て作られるハードチーズは、乳酸菌の酸味があります。この酸味とコロンビアのコーヒーの酸味が合います。
トマト
野菜がコーヒーに合うのが一見不思議なようですが、トマトのフレッシュな味とコロンビアのコーヒーのクリアな酸味は相性が高いのです。
ライ麦パン
コーヒーの酸味が、ライ麦パンのほのかな苦味を引き立てます。
この3つの食材を使った料理と言えば、サンドイッチです。チーズや野菜などとの組み合わせは想像が付きにくいですが、コーヒーとサンドイッチは定番のセットです。コロンビアのコーヒーはパンなどの軽食との相性がよいのです。朝食のお供の飲み物にはぜひ、コロンビアのコーヒーを合わせてみて下さい。
丁寧に育てられたコーヒー豆の気さくな味
コロンビアのコーヒー豆についてご紹介しました。厳しい環境、基準の中栽培されたもので、品質は折り紙付きです。それにもかかわらず軽食に合わせやすい味ですので、毎日気軽に楽しめます。
コーヒーの酸味が苦手という人にぜひ飲んでいただきたい、コロンビアのコーヒーです。