ストレッチをすると何となく体に良いような気がしますよね。ストレッチをすることで一体何がどうなっているんでしょうか?
ストレッチすることで体に起こる反応を、少し意識するだけでもストレッチの効果は変わってくるんです。
効果的なストレッチのやり方
ストレッチをすると身体が柔らかくなる。これはほとんどの人がストレッチの効果として疑わないことでしょう。でも筋肉を伸ばせば伸ばすほど柔らかくなるのかというと、そういうわけではないようです。
筋肉は引っ張りすぎると縮もうとする力が働きます。これは伸張反射という反応で、筋肉が過度に引っ張られることで傷がついたり断裂したりしないようにしているのです。
ですので痛いほど引っ張ると筋肉は逆に硬くなってしまうわけです。
ゆっくりと伸ばしていって、痛みを感じずに力んでしまわないところで静止。そこでしっかりと力を抜くことが柔軟性の向上には効果的です。
カチカチの体を早く柔らかくしようと意地になって引っ張りすぎても、意味がないどころか逆効果になります。
現状で出来るだけの範囲を大きく伸び縮みさせるだけでも、筋肉や筋膜中の血行は改善されて老廃物の除去や筋膜へのストレッチが効いて、少しづつ柔軟性は改善されていくはずです。
一つ一つの動きが、どこの筋肉をどの方向に動かしているかを把握してストレッチ出来れば、一段と効果は増し、やっていても効かせている感覚が出てきますので、継続しやすくなると思います。
ここまでは一般的に最もイメージしやすいストレッチについてです。いわゆるスタティックストレッチ(静的ストレッチ)というもので、筋のリラックスや柔軟性の向上、老廃物の除去などを主な目的としています。
ストレッチにはそのほかにダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)、PNFストレッチといったものがあります。
ダイナミックストレッチ
運動をする前の準備としてストレッチをやる場合があります。このときにスタティックストレッチをしてしまうと、運動の準備としては逆効果になってしまう恐れがあるのです。
スタティックストレッチはリラックス、つまり副交感神経を刺激して筋肉を緩める効果があります。これでは筋、神経の反応速度は低下し筋収縮のスピードも落ちてしまいます。
こうなるとパフォーマンスの向上どころか怪我や故障のリスクが増えてしまうでしょう。
運動前に実施するストレッチとしては、スタティックではなくダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)が最適です。
ダイナミックストレッチとは関節運動を伴うストレッチで、ゆっくりとした動きに始まり、少しずつ動かす筋肉の範囲や可動域を広げていくストレッチ法です。
サッカーのブラジル体操などはその一つと言っていいでしょう。
これによって心拍数が上がり、筋肉の温度は上昇、神経系の反応速度も上がります。
運動前のウォームアップとしては最適なのではないでしょうか。
PNFストレッチ
PNFストレッチとは、リハビリやスポーツ選手のコンディショニングなどに用いられるストレッチ法で、基本的にパートナーがいないとできません。
しかもパートナーにはそれなりの技術や知識が要求されますので、あまり一般的ではないかもしれません。
あまり聞きなじみはないかもしれませんが、PNFとは日本語で固有受容器性神経筋促通法のことです。
筋肉の内部にはその筋肉の動きを察知するためのセンサーのような細胞が存在します。このセンサー細胞を固有受容器とか感覚受容器とかいうのですが、これを刺激して神経筋の反応を促通させてやろう、というのがPNFなのです。
そしてこのPNFを利用したストレッチがPNFストレッチです。詳しく説明するとより専門的な内容になるので、今回は紹介だけにとどめておきます。一般的にはそんなストレッチもあるのか、程度に知っておけばよいと思います。
状況に合わせてストレッチしましょう
身体の状態や置かれている状況によって、どのようなストレッチをするとよいのかは変わってきます。
風呂上りや寝る前なんかにリラックスや柔軟性を求めてやるのであればスタティックストレッチを、スポーツや筋トレの前に準備運動としてやる場合はダイナミックストレッチを選択するとよいでしょう。
日頃から健康のためにやりやすいスタティックストレッチは、今日やって明日からすぐに効果出るようなものではありません。思い出した時だけ必死になって筋肉を引っ張ってもほとんど効果が出ません。少しづつでもいいですので毎日続けることが肝心です。
あまり考えすぎてもしょうがないですが、何のためにどこをストレッチさせるのかは意識したほうが効果的ですよ。