何かの能力や数値を検証する時に、「基準」や「標準」が確認されます。
どちらの言葉も、物事を判断したり比較したりする際の尺度になるということでは共通していますが、本来の意味は少し異なります。
基準と標準の違いを簡単に言うと、基準は満たすことを求められるレベルを意味しており、標準は平均的または理想的なレベルのことを表しています。
基準とは
「基準」は、判断の基になるレベルのことです。
このレベルによって、どのように判断するかが決められます。
端的に表す言葉が判断基準です。
基準は数値で表されることがあれば、技能が基準になることもあります。
例えば、数値では「100メートルを10秒切れるかが選定基準」があり、技能では「この英文の翻訳結果がクラス分けの基準」などがあります。
標準とは
「標準」は、「平均的、理想的」ということを意味しています。
ただ、平均には中央値という意味合いがありますが、一般的に標準はそれよりも上のレベルになっています。
例えば、「標準体重」と言われた場合、平均体重を示しているわけではなく、健康の面で理想とされる体重のことです。
つまり、統計的なデータであり、単なる足して2で割ったような数値ではありません。
文字の意味
標準の「標」の文字は、「目印や目安、手引き」という意味があり、「準」の文字は「拠り所」という意味です。
そこから、一般的な目印や目標という意味が持たれ、そのレベルが標準とされます。
「基」の文字には「一番下にある、土台、成り立ちのもと」という意味があります。
従って、物事を判断するための土台となる材料に繋がります。
異なる基準と標準の数値
基準と標準では使い方が異なります。
例えば、「英語の標準点数が60点ということから、追試験は50点を基準とする」、また「標準程度ではだめだ。
代表の基準はもっと高い」などと使われます。
標準は数学的な平均という意味ではなく、理想的というニュアンスが含まれます。
基準は判断のもとになるため、確実な目安となるものがあります。