会社で必ず訪れるランチの時間。
本来なら休憩として体や心を休めるための時間ですが、実はこの時間が苦痛だという人も少なくありません。
「一人になりたいのにランチに誘われてしまって断れない」「苦手な人とランチの時間まで一緒に過ごさなくてはならない」こんな悩みを抱えていては、全く休まりませんよね。
ひどい人は、ランチの時間が苦痛で会社に行きたくなくなるくらい、影響が大きいものなのです。
そんな職場ランチをうまく切り抜けていく方法を、今回はご紹介していきます。
職場ランチが苦手な人もそうでない人も、ぜひ参考にしてみてください。
なぜ職場ランチは苦痛なのか?
一見楽しそうに見える職場ランチ、なぜ苦痛になってしまうのでしょうか?
その理由を見ていきましょう。
人のプライベートに踏み込んでくる
ランチの時間を一緒に過ごすことが増えてくると、プライベートまで踏み込んで聞かれることも多くなってきます。
おそらく誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
もちろん、そういった話が好きな人なら問題ないでしょう。
しかし、仕事の同僚にプライベートなことまで話したくないと思う人も多いはずです。
どうやって話を逸らそうか、変な空気にならないようにしようか、考え始めたらもうランチの時間は仕事と同じになってしまいます。
リラックスするはずのランチの時間なのに、これでは休めません。
一人で気楽にいたいのに気遣いをしなくてはならない
ランチの時間は休憩時間です。
しかし、会社という環境にいることは変わりませんし、先輩や後輩、同僚などとの付き合い方も仕事の延長線でしょう。
当然、目上の人には気を遣わなくてはいけません。
ランチの時間くらいは気楽に過ごしたいのに、目上の人が一緒にいるだけで気持ちは休まらなくなるでしょう。
愚痴の聞き役をしなくてはならない
ランチの時間は、愚痴が飛び交うことも多いでしょう。
仕事の愚痴を言うには絶好のタイミングだからです。
しかし、上司や先輩の愚痴は、安易に同調したり否定したりができません。
後で面倒なことにならないように、黙って聞くことしかできないでしょう。
また、愚痴しか言えない同僚に付き合うのも苦痛です。
相手に悪気はなくても、愚痴に付き合うというのは精神的にダメージを受ける可能性が高いでしょう。
お弁当を見られるのが嫌
職場ランチは、お弁当持参の人も多いでしょう。
料理上手の人や毎日張り切ってお弁当作りをしている人は、中身を見られても気にならないですし、むしろ自慢できるでしょう。
しかし、節約という意味でお弁当を作っている人は、正直見られたくない人も多いのではないでしょうか。
お弁当の見せ合いや褒め合いはよくある光景ですが、これが毎日続くとなると苦痛ですね。
自分の時間にしたい
ランチは休憩時間ですから、自分の好きなことに充てられる時間です。
しかも、同じ自分の時間でも、自宅でのリラックスタイムと違い、会社での休憩時間は仕事の延長です。
集中して何かをするには持って来いの時間と言えます。
新聞やニュースなどを見て情報収集をしたり、今後のスケジュールを組んだり、効率よくできることがあるでしょう。
ランチの時間は、このように自分の好きなことに使いたいと思っている人もいるのです。
群れることが好きな女性ばかりではない
職場ランチに悩まされているのは、特に女性ではないでしょうか。
女子会や女子トーク、グループでいることを好む女性ですが、すべての女性がそうではありません。
一人で過ごす方が好きな人もいるということを、きちんと理解しておきましょう。
一人ランチが良く思われない理由
理想のお昼の休憩時間の過ごし方を調査したデータがあります。
それによると、約6割の人が「一人でのんびり過ごす」と回答しています。
しかしこれはあくまで理想で、実際一人ランチをしている人はそれほど多くはありません。
それはなぜかというと、一人ランチが良く思われない理由があるからなのです。
コミュニケーション能力の低さを疑われる
ランチの時間を一人で過ごしているだけなのに、コミュニケーション能力の低さや協調性のなさを疑われることがあります。
たとえ仕事上で問題なくコミュニケーションを取っていても、職場ランチに参加しないだけでこのような評価をされるリスクがあるのです。
中には、この不当な評価のせいで理不尽な異動を余儀なくされたというケースもあります。
ただランチを一人で食べていただけなのに、信じられませんよね。
このような風潮の会社は、飲み会でも同様であることが多いです。
自由なはずのランチなのにいないことを心配される
ランチの時間は休憩ですから、どこで何を食べようが自由ですよね。
しかし、外食したりしていつもの場にいないと、妙に心配されることもあります。
休憩時間なのに、いちいちランチのことまで報告する必要はありませんよね?
これではまるで行動を制限されているようで、苦痛に思ってしまう人も多いでしょう。
一人ランチ派の言い分
さてここまでは「一人ランチはあまり良い印象ではない」という反対派の意見を中心にご紹介してきました。
それでは次は、一人ランチをする側の意見を見ていきましょう。
職場の人間が苦手なわけではない
一人ランチをする人は、先輩や同僚に苦手な人がいたり、コミュニケーションをとることが嫌なのだと思われがちです。
しかし、むしろその逆だと考えていいでしょう。
一人ランチをする人は、周りをよく見て気遣いができる人です。
ですから、必要以上に気を遣ってしまって疲れてしまうことがあるのです。
また、一人でやりたいことがあるだけの人もいます。
みんなとランチを食べないからと言って、職場の人間が苦手なのだと考えるのは間違いです。
コミュニケーション能力はある
ランチだけがコミュニケーションの場ではありません。
仕事の時間だけでも、人間関係を築いていくことは十分できます。
実際に、一人ランチ派でも雑談などはきちんとできて、笑顔でコミュニケーションをとることができる人は多いです。
職場ランチがダメだと思っているわけではない
一人ランチ派の人は、自分がそうしたいからしているだけです。
そのため、職場ランチをしている人に対して、一人ランチを無理強いしたり、みんなで一緒に食べることを否定したりすることはしません。
休憩時間を自由なものと捉えているからこそ一人ランチをしているのであって、他の人たちのランチの過ごし方も受け入れています。
職場ランチ派の人の方がその点では視野が狭く、相手を否定しがちなのかもしれませんね。
職場ランチを上手に活用しよう
一人ランチは自由な時間を過ごせますが、あまり周りに受け入れられないのが現状です。
面倒なことになる可能性も否定できません。
そのような事態を回避するため、職場ランチをうまく利用していくという方法もあります。
時々職場ランチに参加する
基本的には一人ランチをしていても、時々職場ランチに顔を出すだけで印象が変わります。
「自分たちを苦手だと思っているわけではない」「コミュニケーションを取る気がある人だ」と考えて安心してくれる可能性があります。
また、普段はいないメンバーが参加すると、新しい話題が生まれます。
双方にメリットがあるので、これは非常によい方法だと言えるでしょう。
時々の職場ランチなら大丈夫という人は、実践してみてはいかがでしょうか。
積極的に質問することで自分への質問を回避
時々職場ランチに参加すると、珍しいメンバーに話題が集中しがちになります。
プライベートなことを質問されると、せっかくのランチタイムが苦痛という人もいるでしょう。
そんな時は、自分から積極的に質問してしまいましょう。
プライベートに踏み込みすぎない話題なら、相手も苦痛ではありませんし、むしろ自分に興味を持ってくれていると感じて印象が良くなるでしょう。
自分への質問を回避しながら、相手との距離を縮めるテクニックです。
一人ランチをしている理由を伝えておく
実際に食事をする時間は長くはないですから、食事を終えたら席を立つようにするのも一つの方法です。
その際に「読みたい本がある」「調べものがある」と理由を告げるようにすれば、相手も納得してくれます。
職場ランチをしながら、自分の時間も確保できるという、いいとこ取りの方法です。
価値観は人それぞれだと認識しよう
職場ランチが良くて、一人ランチが悪いという考えは、価値観を押し付けていることが原因でしょう。
ランチの時間の過ごし方にもいろいろあり、人それぞれ考えていることも重要視していることも違うと認識することができれば、このような風潮はなくなるはずです。
相手の価値観を受け入れることができれば、人間関係は円滑に進むことでしょう。
本当にランチに原因があるのか見極めよう
さて、職場ランチが苦手な人やその理由についてお話ししてきましたが、そもそもの原因がもしかしたらランチ以外にあるということはないでしょうか。
職場ランチが苦手になった理由は何ですか?
「一人の時間がほしい」「一人が好き」そのような理由ではなく、職場の人間関係そのものが原因だとしたら、一人ランチをしても解決しません。
ランチだけでなく、もっと根本的なことから対処していく必要があります。
人間関係がつらいのであれば転職も視野に入れて
転職理由として、人間関係を上げる人も少なくありません。
決して甘えや逃げではなく、立派な転職理由です。
もし、職場ランチが苦痛になるほど人間関係に悩んでいるのであれば、転職することも一つの手です。
過ごしやすい環境の中でいきいきと仕事をしていけるように、現状を見極めて行動していきましょう。