「先天的」はその生物が生まれる瞬間には既に備わっている性質に対ししてつけられる形容詞。
対して「後天的」は生まれた瞬間には備わっていなく、生後の環境や生活に影響を受けて備わる性質に対してつけられる形容詞。
この違いを一番的確に表すのが「才能」と「技術」である。
「才能」は生前から備わっているので先天的な性質であり、生後の努力や学習によって身につくものである「技術」は後天的な性質となる。
「先天的」の意味
先天的というのは生まれる瞬間に既に備わっている性質を表すものである。
この先天的に得る性質には「遺伝子」というものが大きく関わっている。
遺伝子というのは生物の構造を決定づける設計図のようなもので、両親の持つ遺伝子から組み合わせで受け継ぐ。
その組み合わせにより子の特徴が決められ、それが先天的な性質として現れてくるのだ。
よって生後にその性質が変化していくのは難しい。
「後天的」の意味
後天的のいうのは、生後の生活環境や行動によって影響を受けながら備わっていく性質を表すものである。
後天的な性質は身についた後の環境にも大きく影響を受けて簡単に変化していく点で先天的な性質とは異なる。
生活習慣病が後天的な性質の典型的な例で、生活習慣の変化に影響を受けて症状が改善したり悪化したりが決まっていく。
「先天的」と「後天的」の使用例
「先天的」と「後天的」という言葉を組み合えわせて文章を作ってみると下記のようになる。
…人間の性格は先天的に決まってしまっていると言われるが、私はそうは思わない。
確かに先天的な影響は大きい。
しかし日頃の意識や行動によってそれが習慣付き、後天的な性格としてその人間に身についていくと思う。
なので人間の性格は先天的な要因と後天的な要因の組み合わせにより決定されると思う。
「先天的」と「後天的」は一概には分けられない?
2つの言葉の使用例の文章にも記したが、様々な生物の要因は「先天的」な要因と「後天的」な要因の組み合わせにより決定されるものもある。
ある性質に対してどちらがどの程度影響しているかは性質によって様々であり、全ての性質をどちらかに分けるということは不可能だ。
なのでこの2つの言葉を使うときには少しばかりの注意が必要であろう。