太ったことで、身体が重くなったと感じることがあります。
以前は65キログラムだったのに、70キログラムに増えています。
その70キログラムが「重さ」と呼ばれます。
ところが、プールに入ると体の重さが軽くなったように感じます。
一方、同じように重さを表すものに「質量」があります。
実は、その質量はプールの中に入っても変わることがありません。
重さとは
「重さ」とは、物体にかかっている重力のことであり、力の大きさを表しています。
重力であるため当然、重力の弱い場所や強い場所に行くと、重さが変わります。
なお、重力とは、地球が物体を引っ張る力であるため、厳密に言うと、重力の異なるビルの1Fと20Fでは重さが変わります。
水の中で軽く感じるのは、浮力によって重力が相殺されて弱まるからです。
質量とは
「質量」とは、物体が持っている量のことです。
量であるため、重さとは違い場所や状況で質量が変わることはことはありません。
なお、誤解しがちなのが物を動かす時です。
例えば、月の重力は地球の6分の1です。
従って、5Kgの砲丸は約800gに減るため、遠くまで飛ばせそうですが、飛ばせません。
それは、質量が変わらないからです。
物を動かすのは重さではなく、質量が関係しています。
異なる単位
重さのことを100gとか20kgと表示しますが、正式には間違いです。
gやkgは質量の単位です。
重さの単位はN(ニュートン)で表します。
従って、『このミカンの質量は100gです』と言わなければなりません。
なお、地球上においては、100g=約1N((0.98N)です。
ちなみに、重さを測る代表的な装置は「ばねばかり」です。
横の目盛りがニュートンを示します。
変化と不変
重さは地球の重力であるため、重力の変化によって重さも変わります。
一方、質量は物体の持っている量であるため、水の中であっても、高層ビルの屋上であっても、変わることはありません。
重さと質量の根本的な違いの分かるのは、宇宙の無重力状態です。
宇宙に行くと無重力のため、人間の体重はゼロになります。
しかし、人間の身体が小さくなったり、大きくなったりすることはありません。