「初め」と「始め」はどちらも「はじめ」と読み、物事のはじまりを意味する言葉です。
常用漢字として普段からよく目にし、よく使う漢字ですが、どちらの表記を使うか悩んだり間違えたりする人も割といます。
区別するポイントは「初め」は「一番」、「始め」は「開始」と言い換えることが出来る点です。
つまり、「初め」には順列の概念があり、「始め」には時間の概念が存在します。
「初め」を使う言葉
「初め」が使われる単語に「最初」や「書き初め」などがあります。
「初め」は順列の概念のある言葉なので、「最初」は「他のなによりもまず一番に来るもの」という意味になります。
故に、今まで未経験だった事に挑戦する時などを「最初」と言うのです。
お正月にする「書き初め」の場合、たとえ毎年行っていて未経験ではなくとも、「その年にはまだ未経験」なので「初め」を用いるのです。
「始め」を使う言葉
「始め」が使われる単語に「始業」や「歌い始め」などがあります。
「始め」は時間の概念のある言葉なので、「始業」は「業(働き)という時間のはじまり」という意味になります。
故に、これから仕事(あるいは授業)という一定時間がはじまる時に「始業」と言うのです。
「歌い始め」もまた、「歌」というのは一定時間流れるものなので「始め」を用いるのです。
「初め」と「始め」を使った例文
お食い初めは、赤ちゃんに丈夫な歯が生える事を願って、まず石を喰ませる事から始まります。
試験前に勉強しなければならないのに掃除をし始めてしまい、対策が不十分のまま試験に挑んだのは初めての事でした。
フルマラソンに初めて挑戦するのであれば、まずしっかり準備運動をして、無理せず自分のペースで走り始めてください。
よく使うからこそ、しっかり区別をつける
二字熟語としても「初」や「始」は頻繁に出てくる漢字です。
順序と時間の概念という違いを理解していれば、初めて見る熟語でも意味を推測するヒントになります。
意味を知った後で、いざ自分がその熟語を使用するという時でも、どちらの漢字だったかと迷うことも減ります。
今はパソコン等で幾らでも漢字変換してくれますが、こうした同音異義語はコンピュータでも変換間違いはしてしまいます。
最後は人間の判断が頼りになるのです。