妊婦に必要な葉酸の役割とは?

妊婦は約10か月の期間妊娠し、その間に子宮の拡大や乳腺の発達、基礎代謝量や体重の増加を伴います。

妊娠中期~後期頃になると子宮の拡大が進み、胃が押し上げられて食事がつかえたり、消化器官の機能低下や胃もたれを起こしやすくなり、体力を消耗します。

母体は、妊娠によって胎児に栄養を与えるようになるので、貧血が起こりやすい状態になっています。

妊婦に必要な葉酸の役割とは何か。

ここでは葉酸の役割と、葉酸を含む食品を紹介していきます。

妊婦に大事な葉酸

葉酸の役割とは

葉酸には、核酸(DNAやRNA)の働きを助けたり、造血作用を持たらしたり、ビタミンB12と一緒に血液中のホモシステインをメチオニンに変換して血液環境を整える作用があります。

正確なDNAの生成や修正をする為に細胞に働きかけ、正しい遺伝子情報を保持し、体の健康機能を維持します。

その為、蛋白質の合成や促進を促して、皮膚の粘膜を強化してくれます。

DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)の情報が正確な事は癌を予防したり、人体に悪影響を及ぼす異常な蛋白質の生成を阻止する事できるので、大切です。

葉酸は胎児には欠かせない

葉酸には細胞分裂や増殖を促進する作用があるので、胎児には欠かせません。

また、不足すると赤血球形成の為のDNA合成成分が作られなくなるので、巨赤芽球性貧血のような悪性貧血を引き起こします。赤血球が形成されないと、酸素が運搬できなくなる為です。

特に、胎児は受胎直後から細胞分裂を繰り返すので、葉酸が不足すると先天異常を引き起こします。

妊娠4~7週目には、脳や脊髄、神経細胞が80%以上作られるので妊娠1か月前から3か月頃まではしっかりと摂取しなければなりません。

そして、葉酸を摂る事によって妊娠初期(0~15週)は無脳症や二分脊椎になる危険から胎児を守ってくれ、中期(16~27週)は造血効果による栄養不足を解消し、後期(28~43週)には胎児の免疫機能や消化管機能の向上が図れます。

妊娠高血圧症候群の予防

葉酸には、妊娠中期以降(妊娠20週~分娩12週頃)に起こりやすい妊娠高血圧症候群の予防効果もあります。

妊娠高血圧症候群とは、高血圧、蛋白尿、浮腫(1週間に500g以上の体重増加)の内、1つ以上ある場合を言います。血圧が上がると心臓への負担が大きくなるので、他の疾病を招く危険性があります。

葉酸を摂る事によって、血圧を上げる要因である高コレステロール状態の予防ができるので母子供に健康が保たれます。

また、授乳期の母乳の出を促したり、産後の子宮回復にも役立ちます。

葉酸の一日の摂取量

妊娠すると、1日480υg以上の葉酸が必要になります。

また、妊娠前から280υg以上の摂取が求められます。胎児の神経管閉鎖障害等の防止の為です。

その上、体力回復の為に授乳期にも240υg以上摂らなければなりません。

葉酸を含む食品

葉酸を沢山含む野菜には、ブロッコリー(100g中120υg)やほうれん草(100g中210υg)といった緑黄色野菜やアボカド(100g中84υg)があります。

ブロッコリーとほうれん草はシチューに加え、アボカドは半分に切ってそのまま食べたり、サラダにしたりすると沢山摂取しやすいです。

デザートにみかんの缶詰(100g中32υg)や甘柿(中1/2個20υg)を食べると葉酸量を増やせます。

多目に摂った方がいいので、栄養分を逃がさないで済むスープ等の汁物にも加えて下さい。

葉酸は単独で摂るよりも、ビタミンB群と伴に摂取した方が効果があります。

葉酸にビタミンB6とビタミンB12を併せて取り入れると、より血液を綺麗にしてくれるので動脈硬化を予防できます。

まとめ

このように、葉酸は妊婦や胎児の様々な段階での病気を防ぎ、体調を整えてくれるので日頃からの積極的な摂取を心がけましょう。

また、摂り過ぎると呼吸障害やかゆみが出る場合があるので、上限量の1000υgを超えないように召し上がって下さい。

おすすめの記事