【伺う】と【窺う】の意味と使い方・由来や例文

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日本語の難しいところは、漢字ではなく平仮名で書いた場合、意味を誤解する可能性があることです。

その例に「上司の家をうかがう」があります。

「うかがう」には「伺う」と「窺う」があり、伺うは目上の人に質問したり、訪ねたりすることを意味し、窺うは穴からのぞくことを表しています。

従って、上司の家に訪ねるのか、上司の家をのぞくのかが分かりません。

伺うとは

「伺う」は、「目上の人に聞く、質問する、訪れる」という意味を持つ謙譲語です。

謙譲語とは、目上の人に対して使う言葉であり、相手を尊重するとともに、自分は謙遜する意味があります。

例えば、以下のように使います。

・聞く:昇進したと伺かっております。

・質問する:計画の中身を伺いたいのですが。

・訪れる:来週の月曜日に自宅に伺います。

窺うとは

「窺う」は、「穴や隙間などから隠れて見る」ことを意味しています。

窺うの部首の「穴(あなかんむり)」からもイメージできます。

ただし、窺うは常用漢字ではないため、通常は「うかがう」と書きます。

本来の意味は相手に見つからないようにのぞくことを示していますが、隣の部屋の物音が気になるため、壁に耳を当てて様子を探ることも窺うを使います。

窺うの汎用

壁に耳を当てて隣の部屋の様子を窺うのは、聞こえてきた音から部屋の中の状態を推測することを指します。

つまり、窺うには「少しのことから多くのことを推測する」、または「表に現れたことからその内部にあることを推し量る」という意味が含まれています。

例えば、「顔色を窺う」とあった場合は、相手の顔の変化から心の内は読取ることです。

意味の違い

伺うは、聞く、質問する、訪ねるなどの謙譲語を意味しています。

一方、窺うは小さな穴からのぞくという意味です。

なお、小さい穴から見ることのできる範囲は狭いため、得られる情報はごく僅かなものです。

従って、少ない情報から全体像を想像しなくてはなりません。

そこで、窺うの言葉には、「一から十を探る」という意味が含まれています。

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