一時期は隆盛を誇ったビデオやCDのレンタルショップも、現在では存在感が薄れて厳しい状況にあるようです。
先行きを考えれば、将来性のない業界からは早めに転職を考えるべきではないでしょうか。
そこで今回は、低迷しているビデオレンタル業界の現状と転職について考えてみます。
目次
ビデオレンタル業界の現状
中小企業に限らず、大手のレンタル会社を含めて、業界全体として厳しい状況が否めません。
一時期はビデオレンタルのお店が数多くありましたが、現在ではその数も減っています。
なぜそのような状況になってしまったのでしょうか。
まずは現在のビデオレンタル業界の状況と低迷している理由について考えてみましょう。
配信サービスの充実
まず考えられるのは、配信サービスの充実です。
近年は、ネット回線を利用した配信サービスが普及しており、好きな時に好きな作品を鑑賞できる利便性の高さから、売り上げを伸ばしています。
配信サービスを利用すれば、貸出や返却でわざわざ店を訪れる手間もなく、延滞金の心配もありません。
そのため、ビデオレンタルショップの需要は減少しており、ピーク時から考えると、売り上げが半分程度に落ち込んでいるというデータもあります。
今までの業務形態では限界を迎えているといえるでしょう。
価格競争の激化
ビデオレンタルの業界は、一時期多くの会社が参入し、店舗間での競争が激化しました。
顧客獲得のために低価格化に拍車がかかり、現在でもその状況は続いています。
どこで借りても商品は同じなので、店舗による差別化がつけにくいのが、低価格競争になった理由かもしれません。
商品が同じなら、お客様としてはできるだけ安いお店に流れるでしょう。
業界の需要が減少しているのに加えて、低価格競争に歯止めがかからないのであれば、そのうち商売として成立しなくなってしまうかもしれません。
ビデオだけでなくCDでも同様
不況なのはビデオレンタルだけではありません。
CDのレンタルもビデオと同じく厳しい状況です。
前述したように配信サービスが充実しており、定額で多くの音楽を楽しめるサービスが次々とリリースされています。
音楽を聴くためのメディアも、CDのように形のあるものからデータに移行しており、CD自体の需要が減っています。
違法アップロード問題
さらに問題となっているのが、違法アップロードです。
それほど高度な知識がなくても、無料で作品を手に入れることができるので、ビデオや音楽の業界にとっては大きな痛手となっています。
もちろん違法なので、作品を公開することはもちろん入手するのも控えるべきですが、残念ながら現状では完全になくすことは難しいと言わざるを得ません。
消費者の意識改革や法整備も進んでいますが、一朝一夕に成果が上がるとは思えず、改善される前に経営が続かなくなってしまうでしょう。
多様化している娯楽
昔と比べて現在では娯楽も多様化しています。
インドアの娯楽に限らず、さまざまなアミューズメント施設やサービスが充実しているため、映画やビデオをあまり見ないという人も増えています。
一時期は週末や休日のはレンタルショップで映画を借りて楽しむというのが定番でしたが、今ではそのような楽しみかたも少なくなっているようです。
フランチャイズ制度の弊害
大手のレンタル会社では、店舗数を増やすためにフランチャイズ制を導入している場合がみられます。
フランチャイズ制はコンビニでも用いらており、形態としては広く普及していますが、システムとしての問題点も指摘されています。
特に問題視されているのが、本社からの圧力です。
フランチャイズとして売り上げ責任を負わねばならないのに加えて、本社からのノルマや圧力が強く、自由度が少ないことが経営者や従業員を苦しめています。
サービス残業や休みがとれないなどの長時間労働にもつながり、ブラック的な労働環境で働かざるを得ない場合も少なくありません。
ビデオレンタル業界からの転職を考える
このように、ビデオレンタル業界の現状や将来性は厳しいと言わざるを得ません。
今の仕事に不安を感じているのであれば、早めに転職を考えましょう。
次に、ビデオレンタル業界からの転職について検討してみます。
転職先を探すなら将来性の高い仕事
前述のように、ビデオレンタル業界は将来的に需要が減少して、その規模は縮小していくと思われます。
長く安定して働き続けるためには、将来性のある業界への転職を考えましょう。
少子高齢化を迎える日本では、医療や福祉系の仕事は、今後需要が伸びていくと思われます。
また、技術的進歩の早いITやWEB関連の仕事も人気の高い仕事です。
これは一例ですが、他にも将来性のある仕事や企業はたくさんあるので、転職先を選ぶ際のひとつの指針として将来性を考えてください。
また将来性があってもブラック企業的な体質をもった会社がありますので、転職先は慎重に検討することが大切です。
接客を行っていたなら接客業がおすすめ
店舗間での差別化がつけにくいと先述しましたが、同じ商品で同じような価格であれば、気持ちよい接客をしてくれるお店を消費者は選ぶでしょう。
そのためにビデオレンタル業界では、接客に重点を置いた教育がなされている場合がほとんどです。
ビデオレンタルの仕事をしていて、接客スキルが身についているのであれば、接客業への転職がおすすめです。
どの業界であっても、お客様を満足させるための基本的なスキルは同じなので、いままでの経験が十分に活かせるでしょう。
転職活動において、接客スキルがアピールできれば、雇用する側にとっても即戦力を期待できるので、採用される可能性は高まります。
面接では、接客に関する考え方やどのような点に気を配っていたかなど、具体的な例を交えて説明しましょう。
面接官にも伝わりやすく、好印象になります。
休みがきちんととれる仕事を探す
ビデオレンタルのお店は年中無休が多く、開店時間も長いので、満足に休みが取れない悩みもあるのではないでしょうか。
休日出勤や残業が多いと、家族や友人との都合が合わせづらく、プライベートが犠牲になっている場合も少なくありません。
活き活きと仕事をするためには、適度な休息や充実したプライベートの時間は欠かせません。
きちんとした就業規則に沿って、労働時間や休みがとれる職場はたくさんあります。
転職を機会に、プライベートな時間にもこだわった仕事を探してみましょう。
転職先を探すなら転職エージェント
ビデオレンタル業界から転職を考えるのであれば、転職エージェントを利用するのがおすすめです。
転職エージェントは、一般の情報誌やハローワークと比べても多くの求人情報をもっていますので、自分に合った仕事がきっと見つかるはずです。
また慣れない転職活動においても、転職支援のプロフェッショナルであるキャリアコンサルタントからさまざまなアドバイスが得られるので、不安も少なくなるでしょう。
応募書類の書き方や面接でのアピールポイントなど、ちょっとした工夫で採用される可能性は高まります。
ひとりで悩まずに転職エージェントを利用することで、道は大きく開けます。
転職エージェントは無料で利用できますので、まずは登録から始めてみましょう。
先行きが不安な業界から抜け出そう
今回は、低迷しているビデオレンタル業界の現状と転職について考えてみました。
先行きが不安な業界では、働き続けていてもメリットはありません。
長く働き続けるためには、安定した業界に少しでも早く転職して、キャリアを積み上げていくのがベストです。
転職にも不安は感じるかもしれませんが、それは前向きな不安ですので、思い切って一歩を踏み出してみましょう。