胚培養士を辞めたい!命の誕生にかかわる仕事の大変さとは。

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皆さんは胚培養士という職業を知っていますか?生殖補助医療胚培養士と呼ばれることもあります。「胚」とは具体的にいうと受精卵のことを指します。

そして胚培養士は産婦人科や大学病院といった生殖医療をおこなう現場で活躍する専門職です。

体外受精や顕微受精といった高度な生殖補助医療の実施が主な業務内容であり、5年ごとに資格の更新と審査が求められる医療技術者でもあります。

結婚しても子供を授かることができない、体に不具合はないのに妊娠しないという不妊に関する相談が急増する現代において、胚培養士の役割はどんどん重みを増してきています。

だからこそ、胚培養士の仕事を辞めたい・もう限界だと医療業界を去っていく人が増えているとも言われています。

そこで今回は、胚培養士を辞めたいと思うのはどうしてなのか、胚培養士を長く続けられる人の特徴、そして胚培養士を辞めたいと思った時の気持ちの切り替え方などについて、いろいろな角度から紹介していきます。

「命の重み」胚培養士を辞めたいと思うのは仕方がないこと?

不妊治療をおこなう病院やクリニックが急増しているにもかかわらず、胚培養士の数は圧倒的に不足しているのが現状です。

というのも、全体の胚培養士の8割以上を占めているのが女性であるということ、その中でも実務経験の浅い胚培養士が多く、結婚や出産をきっかけに退職するケースも少なくないからであると言われています。

その他にも、胚培養士を辞めたいと感じる人が多い背景にはさまざまな理由があるようです。では、胚培養士を辞めたいと思うのはどうしてなのか、探ってみることにしましょう。

高い技術力が求められることへのプレッシャーがつらい

胚培養士の主な仕事は、不妊治療をしている患者さんからあずかった精子と卵子を受精させることです。他にも以下のような仕事があります。

  • 精子と卵子を取り出して選別する
  • 精子と卵子をそれぞれ培養する
  • 精子と卵子の入った培養液を管理する
  • 顕微受精(顕微鏡を使って精子と卵子を受精させる作業)をおこなう
  • 受精卵が順調に育っているかどうか確認する
  • 育った胚を冷凍保存する
  • 医師が不妊治療患者の体内に戻すため、冷凍保存していた胚を融解する

このように、胚培養士の業務内容は多岐にわたり、そのどれもが慎重かつ繊細におこなわなければいけない作業です。

そして高い技術力を求められることへのプレッシャーに押しつぶされそうになり、胚培養士という仕事にやりがいを感じながらも「辞めたい」と思う人が減らないのが現状のようです。

「命の誕生にかかわる仕事」という重責に耐えられなくなった

胚培養士とは精子と卵子を受精させて受精卵を育てるという、生命の誕生に大きくかかわる仕事です。とても大きな責任を伴う仕事であるとも言えます。

医師によって受精卵が不妊治療患者の体内に戻され、無事に育っていくこともあれば、残念ながらそうならないこともあります。

そうした時に胚培養士としての自分の力量不足であると考えて、辞めたいと感じる人もいるようです。しかし、受精卵が無事に育つかどうかを人間が知り得る術はどこにもありません。

つまり、責任感が強く完璧主義な人であればあるほど、受精卵がうまく育たなかった時に自分を責め続け、「もう辞めたい...」と、命にかかわる重大な仕事への重責に耐えられなくなっていきます。

「辞めたいと思ったことはない」胚培養士を続けられる人の特徴が知りたい!

胚培養士としての仕事に自信が持てなくなる人がいる一方で、胚培養士としての仕事に自信と誇りを持って毎日を過ごしている人もいます。

では、胚培養士を「辞めたいと思ったことはない」という、胚培養士を続けられる人の特徴に迫ってみることにしましょう。

日々進歩する知識や技術の習得に貪欲な人

不妊治療の技術は年を追うごとに進歩しています。つまり、胚培養技術についても、すさまじいスピードで日々進歩していることになります。

胚培養士として今後も活躍していくためには、そうした新しい技術や知識を積極的に学び吸収していくことが必要不可欠です。

日本卵子学会で開かれる研修への出席や、海外でおこなわれる生殖医学会に参加することもあるでしょう。英語の読み書き・スピーキング能力も必要になってきます。

つまり、患者さんのため、自分自身の成長のために惜しみない努力ができる人こそ、胚培養士として息の長い活動ができる人であると言えるでしょう。

不妊治療中の夫婦の気持ちに寄り添える人

不妊治療をしたからといって100%必ず子供を授かることができるとは限りません。それでも我が子の笑顔を見てみたいという気持ちがある限り、夫婦は不妊治療を継続していきます。

胚培養士の仕事は、精子と卵子をあずかって受精させるだけの仕事ではありません。つらい治療に耐えている患者さんの気持ちに寄り添い、「一緒に頑張りましょう」と背中を押してあげるのも、大切な仕事のひとつです。

ですから、相手の気持ちを察知して言葉を選ぶことができるコミュニケーション能力が高い人も、胚培養士を「辞めたい」と感じにくい傾向があると言われています。

これから胚培養士を目指そうと考えている人は、技術力はもちろん、同時に対人スキルも磨いていく必要がありそうです。

「どうしてもできない...」胚培養士を辞めたいと思った時の気持ちの切り替え方

自分には胚培養士としての適性がないのだろうか、もうこれ以上、胚培養士として働いていく自信がない...辞めたいと感じることも時にはあるでしょう。

そんな時には決して思い詰めず、まずは自分の心を楽にしてあげることを考えることです。では、胚培養士を辞めたいと感じた時の気持ちの切り替え方について考えていくことにしましょう。

糖分を摂って頭をリフレッシュさせる

胚培養士という仕事は、神経を集中させて細かな作業をもくもくと続けていくため、時には張り詰めた気持ちの糸がぷつんと切れてしまうこともあるでしょう。

集中力が途切れて作業がうまくいかない、イライラしてミスが増えるなど負の連鎖が始まってしまいます。「この仕事を辞めたい」というところまで自分を追い詰めてしまうこともあるかもしれません。

そうした自分の心と体からのSOSを感じた時には、まずは糖分を補給して疲れた脳と体をリフレッシュさせてあげましょう。手軽に口に放り込める、ブドウ糖の粒や小粒のチョコレートがおすすめです。

10分~15分くらいの短い睡眠をとる

胚培養士の仕事は、コンピューターの画面と向き合うだけのものではありません。精子と卵子という、人の命の誕生にかかわる重責を伴う仕事です。

思わぬところでうっかりミスをしてしまった...ということが簡単に許される現場ではありません。ですから、「もう疲れた」「胚培養士の仕事を辞めたい」と、マイナスの気持ちがわきあがってきた時は要注意です。

休憩時間などに10分~15分くらいの短い睡眠をとって頭をスッキリさせることを心がけましょう。短時間の睡眠によって気分が晴れて、また高い意識を持って仕事に戻ることができるはずです。

命を扱う仕事だからこそ!胚培養士を辞めたい・限界だと感じたら辞めてもいい

胚培養士を辞めたいと思うのはどうしてなのか、胚培養士を長く続けられる人の特徴、そして胚培養士を辞めたいと思った時の気持ちの切り替え方などについて、いろいろな角度から紹介してきました。

どれだけ手先が器用で細かい作業が苦にならなくても、胚培養士として適正があるとしても、胚培養士という仕事が人の命に深く関係する仕事であるという事実は変わりません。

不妊治療を頑張っている患者さんの力になりたいという気持ちだけでは、胚培養士という仕事を続けられない部分もあるでしょう。

ですから、胚培養士を辞めたい・限界だと感じる時には辞めてしまっても良いのです。あなた自身の心と体の平和をいちばんに考えて、これから先の進路を考えていくのも悪くないでしょう。

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