最初に経験したアルバイトは何であったかとたずねると、多くの人が「飲食店!」と答えるほど、飲食店でのバイトは一般に広く浸透しています。
飲食店といえば居酒屋やファミレス、ファーストフード店など、バイト先が豊富であることや、未経験から働けるという点でも人気があります。
また、高校生や主婦など、手の空いた時間にサクッと働きたいという人たちからも重宝されているのが飲食店のバイトです。しかし、飲食店のバイトは「きつい」ことでも知られています。
覚えることが多い、お店が混む時間帯は特にスピーディーな対応が必須、接客業なのである程度のコミュニケーションスキルが求められるなど、きついと感じられる要素がたくさんあるのです。
そこで今回は、飲食店のバイトがきついと言われる理由や飲食店でバイトをする意外なメリット、きつい飲食店のバイトを乗り切るために必要なことなどについて解説していきます。
目次
「もう辞めたい...」飲食店のバイトがきつい理由に迫る
「同世代の仲間とワイワイ仕事ができて楽しそう」「バイトをするならまずは飲食店からと決めていた」など、いろいろな理由で飲食店のバイトを始める人がいます。
しかし、飲食店のバイトを始めて間もなく「こんなに仕事がきついなんて思わなかった」「もう続けられる気がしない...」といって辞めてしまう人も少なくありません。
では、飲食店のバイトはなぜそんなに「きつい」のか、その理由について迫っていくことにしましょう。
とにかく体がきつい!立ち仕事で休んでいる暇がない
飲食店のバイトは当然のことながら立ち仕事です。座ってのんびりしている時間などありません。店がオープンする前には店内の清掃や予約の確認などに追われます。
オープン後はお客様を案内し、オーダーを確認して食べ物や飲み物を運ぶなど、すべき仕事は次から次に増えていくので息つく暇もありません。
さらに常に笑顔でお客様の接客対応に当たらなければいけないところも、飲食店でバイトをするうえできつい・ハードな点と言えるかもしれません。
そのため、店が閉店時間を迎える頃には心身ともに、へとへとになっていることでしょう。このように、飲食店のバイトは想像以上に体力的にきついと感じられることが多いようです。
人手不足のためホール・キッチンの両方を担当することもある
街を歩いていると飲食店はあらゆるところに存在します。そのため、ほとんどの飲食店はバイトの人数を確保することができず、いつもギリギリのメンバーでお店を切り盛りしているとことがほとんどです。
そのため、お客様の案内・注文を受ける、配膳や会計・テーブルの清掃などのホール業務と、調理や皿洗いなどを担当するキッチン業務をひとりのスタッフが兼任するということもあり得ます。
いくら人手不足とはいえ、ホール業務・キッチン業務ともに覚えなければいけないことは膨大にありますから、体力的にも精神的にも大きく消耗することになります。
「ホールの仕事もキッチンの仕事も、両方体験することができてラッキー!」このように思える人ならば、飲食店のバイトもきついと思わず、難なく続けられるかもしれません。
理不尽なクレーム対応に苦労することがある
飲食店のバイトに限ったことではありませんが、店側に理不尽なクレームをつけてくるお客様は一定数存在します。そうしたクレームの対応に苦労することが多いのも、飲食店のバイトのきついところです。
期限切れの割引クーポンを提示するお客様に「すでにクーポンの使用期間が切れている」と説明したところ怒り出した、料理の量が少ないとクレームを言うなど、あげていけばキリがないでしょう。
特に飲酒をしているお客様などは店員に横柄な態度を取ることも多く、クレーム客となりやすい傾向があるようです。
たとえお客様の言っていることが間違っていても、できるかぎり穏便にその場をおさめる必要がありますし、バイト店員だからといってお客様を無視するわけにもいきませんから、飲食店のバイトは決して楽ではありません。
きついけど面白い?飲食店でバイトをする意外なメリット
飲食店のバイトは立ち仕事でありキッチン・ホールの区別なく仕事を任されることも頻繁にあります。また、クレームの対応に苦慮するといった側面もあります。
そうした「きつい」飲食店のバイトですが、実は飲食店でバイトをすることによって得られる、意外なメリットも存在するのです。
それでは、飲食店でのバイトが「きついけど面白い」と言われるのはなぜなのか、探っていくことにしましょう。
効率よく仕事をこなすためのスキルが身につく
立ち仕事で次から次にこなさなければいけない業務が増えていく飲食店のバイトですから、最初は「なんでこんなにきついんだろう...」と感じることが多いものです。
しかし、仕事を覚えて少しずつ業務に慣れていくうちに、自分なりに効率よく仕事をこなすためのスキルが身に付いていきます。
複数の業務を優先度の高い順にこなしていくことができるようになるでしょう。どれだけ店が忙しくても慌てることなく冷静に動けるようになることで少しずつ、きつい仕事の中に「面白さ」を感じるようになっていくはずです。
きついと思い込んでいた飲食店のバイトを、「自分なりに工夫して仕事をしやすい状態にすることができた」というのは、今後さまざまな仕事をしていくうえでも、大きな財産になることは間違いありません。
まかない料理が美味しい・食費を浮かせることができる
飲食店でバイトをすることの特権のひとつに、休憩時間に「まかない料理」を食べられるという点があります。きつい仕事の合間に美味しい料理が食べられるというのは、何より嬉しいものです。
また、まかない料理があることによって食費を浮かせることもできます。飲食店でバイトをしようと決めた人の中には、「まかない料理が目当て」でお店を選んだという人もいるというから驚きです。
もちろん飲食店のバイトはきついこともたくさんありますが、まかない料理をはじめとした自分なりの「楽しみ方」を見つけることができると、長続きするのかもしれません。
気の合う仲間が見つかることもある
飲食店のバイトというと、メンバー同士の仲がよく、和気あいあいと仕事をしているというイメージを持つことがないでしょうか。
飲食店のバイトは夕方から始まることがほとんどで、学校を終えた学生たちに人気のバイトです。そのため、自然に同年代のメンバーが集まることが多く、気の合う仲間が見つかることも少なくありません。
飲食店のバイトにはきつい面もたくさんありますが、多くの仲間たちとの出会いやサポートによって乗り越えられる面も多々あるでしょう。
「正直に言って仕事はきついけど、みんなが頑張っているから自分も一生懸命に仕事しよう!」そう思える瞬間も少なからずあるはずです。
きつい飲食店のバイトを乗り切るために必要なこと
たくさんの仲間と仕事ができると人気がある飲食店バイトですが、ホールからキッチンまで、多種多様な仕事をこなさなければいけないという点から見ると、「きつい」業種のひとつと言えます。
あまりにも仕事がきついからと、早期に辞めていく人も少なくありません。とはいえ、すぐにバイトを辞められる人ばかりではありません。
それではここからは、「どうすればきつい飲食店のバイトを乗り切ることができるか」という点について少し考えていくことにしましょう。
仕事を早く覚えるために「メモ魔」になる
飲食店の仕事は大きく分けて、清掃・接客・調理の3つに分けられます。また、それぞれの仕事には細かくルールが設けられていることがほとんどですから、まずはそれらを大まかに把握することが大切です。
人の記憶力は非常にあいまいなものですから、教わったことは忘れないようにすぐにメモに取り、実践の場ですぐに使える状態にしておきましょう。
仕事の途中に戸惑うことがあったり、判断に迷うことがあったりした場合には、すべてメモに残しておいて、あとで確認をするクセをつけるとさらに良いです。
このように、きつい飲食店のバイトを乗り切るためには、まずは「仕事を徹底的に覚える」ことから始める必要があります。
いつも飲食店の「全体」を見るクセをつける
飲食店のバイト店員として長く勤めたい、できるだけ要領よく仕事をこなしていきたいと考えるのであれば、飲食店の「全体」を見るクセをつけることも大切です。
お客様の食事の進み具合いはもちろん、ドリンクや料理はとどこおりなく各テーブルに運ばれているか、スタッフの動きはどうか、細かく目を配りましょう。
目先の忙しさだけにとらわれれて焦ってしまうのではなく、店の全体像を常に把握しておくこと、視野を広く持つことによって、仕事が「きつい」ではなく「面白い」と感じられるようになっていくはずです。
ミスや失敗をいつまでも引きずらない
失敗は誰にでもあるものです。特に飲食店のバイトはやらなければいけないこともたくさんありますし、ミスを恐れていては何もできなくなってしまう場合もあります。
飲食店のバイト経験者であれば、ドリンクをこぼした、オーダーを間違えた、お皿を割ってしまったという苦い経験が一度や二度あるものです。
大切なことは、そうした非常事態に直面した際に慌てすぎないようにすることです。目の前にいるお客様のことを考えて、できるだけ速やかに事態をおさめるにはどうすれば良いか、冷静に判断して行動することが大事です。
失敗した直後は自分を責める気持ちから「バイトがきつい...」と感じてしまいがちですが、早めに気持ちを切り替えて、同じミスを繰り返さないように気をつけることを心がけましょう。
きついことを覚悟して!飲食店のバイトに疲れたら体調を崩す前に別のバイトを見つけよう
飲食店のバイトがきついと言われる理由や飲食店でバイトをする意外なメリット、きつい飲食店のバイトを乗り切るために必要なことなどについて解説してきました。
たくさんの仲間と働くことができて楽しい反面、覚えることもすべきことも多い飲食店のバイトは決して簡単なものではありません。きついこともたくさんあります。
ですから、「飲食店のバイトに疲れてしまった...」と思いはじめた時には体調を崩す前に、別のバイトを探すことも考えるようにしてみてください。