精神的に辛い時、試してほしいメンタルケアの方法。心の辛さを緩和させよう

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精神的に辛い、苦しいときには何をやっても手につかなくなるものですね。

仕事や学校に行くのもキツくなって、ついには掃除や洗濯といった家事まで億劫になってしまうものです。

ひとまず、やらなければならないことは置いておいて、紙とペンを用意してください。

その辛さをまるごと取り除くことはできませんが、緩和するための手法をこっそりお伝えします。

なので、今だけは、辛いことから少しだけ目を背けて、こちらに注目してください。

辛さの正体を見極める


追い詰められているときには辛さの正体がわからなくなっている事が多いです。

今辛い原因が一つだけとは限らず、二つ以上の問題が絡み合っている可能性もありますから、頭の中で考えていても有効な手段は思いつきませんし、どんどん気が滅入っていきます。

そんなときに有効なメンタルケアの方法をお教えします。

紙とペンは用意しましたか。

  • 紙の上に思いつく限りの恐怖を書き連ねる
  • その中で自分が最も恐れているものからランキングのように順位をつけて上から並べて書きなおす
  • 上位の恐怖から分析していき、恐怖が実現した場合どのような損害が生じるか具体的に記す
  • 「最悪の状況」に対して取りうる防衛策、最小限に抑える方法を考え、隣に書いていく
  • 不安がなくなるまで恐怖を細分化し、上記の手順を繰り返す

まずは恐怖を書き連ねるというところから詳述していきます。

紙の上に思いつく限りの恐怖を書き連ねる

まずはその頭を埋め尽くしているもやもやをすべて白紙に書き出していきましょう。

ルールは特にありません、自分が今一番恐れていることからどんどん書いていってください、書き出しているうちに心がだんだん穏やかになっていきます。

ある程度もやもやが静まった頃には、かわりにノートの上にあなたの悲痛な叫びが刻み込まれていることでしょう。

そこから目を背けることはせず、相対してくことになります。

次項では具体的にその叫びに注目していきます。

恐怖に順位をつけていく

ばらばらに記述されている場合、恐怖をすべてもう一度吟味して「最も恐れているもの」からランキング形式に並べ直していきます。

なぜこんなことをするのかは後ほど詳しく解説しますので、まずはそれぞれの恐怖を品定めするようにじっくり眺めてください。

一位から最後まで並べ終わったら、次へ進みます。

恐怖が実現した際の損害を具体的に想像し、記していく


今度はランキングの一番上から順番に、恐れていることが実現したときに生じうる損害を細かく記載していきます。

ここが最も時間のかかる、面倒な作業になりますが、最も重要な部分でもあります。

漏れがないように、どの方面の誰にまで影響が加わるのか、影響の大きさはどのくらいなのか、想像力を働かせて記載していきます。

いわば「最悪の状況」を仮定するわけです、絶対に避けたい状況を想像するのはそれだけでもストレスのたまる行為ですが、ここを頑張ってやりきってください。

終わったら次に進みます。

「最悪の状況」に対して防衛策を考える

最悪の状況がすべて想定し終わったら、今度は最悪の状況になったとしてもどうにか耐えられるような防衛策を考えていきます。

防衛策といっても、個人的な力ではどうにもならないほど大きな損害が加わる場合は自分の身を守るには、といった内容で考えてもらえればよいです。

こちらもなるべく具体的に、現実的にとれる選択肢の組み合わせで考えてください。

最悪の状況を緩和する策が十分に書けるまで、この作業を繰り返します。

恐怖をより細分化したり、よりよい防衛策を思いつくまで調べ物をしたりして、徹底的にこのプロセスを踏んでください。

ストア哲学のちからを借りて恐怖を克服する

実はここまで書かれている内容はほぼ「ストア哲学」という哲学の一派が考えた恐怖への立ち向かい方です。

ランキング形式にしたのはオリジナルで、心理学の「系統的脱感作法」というストレス対策をエッセンスとしてすこし加えただけです、あえてランキング形式にすることでストレッサーに対して向き合う準備が整いやすくなります。

ストア哲学とは「ストイック」という言葉の源流になった「ストア」の名を冠する哲学で、禁欲主義などが有名です。

かの有名なアメリカ建国の父ワシントンをはじめ、アメリカのスポーツ選手の間でも精神的な強靭さを育てる一環としてストア哲学にスポットが当たり始めています。

ここでその全貌を語るにはあまりに膨大で難解な内容を含んでしまうので割愛しますが、無理やりひとことで表すならストア哲学とはあらゆる事象を冷静に判断していくことで乱されずに生き抜く術を与えてくれるものです。

その対象は死の恐怖ですら例外ではありません、もちろん、日常で感じる様々なストレスも管理の対象になります。

人はストレスや辛い気分を感じると防衛機制と呼ばれる精神を保護するための認知システムが勝手に働いたりしますが、ストア哲学ではそうした反応に任せるのではなく、自分の意志で恐怖や辛い気持ちさえコントロールしていくことで乱されない幸せな生き方を追求できると考えています。

その具体的な手法の一環として、上で述べた恐怖管理が挙げられるのです。

恐怖の正体に迫ると辛い気持ちは消えていく


ここまで手順を追っていただいた方であれば実感していただけると思いますが、本当に気が楽になりませんでしたか。

実態のない、想像の及ばない恐怖が心をざわつかせるので人は気分が悪くなり、ちょっとしたことでイライラしたりします、もちろん、それは精神的な辛さを伴うものです。

恐怖とは幻影のようなもので、未来からこちらに影を落としている雲だと思えばわかりやすいでしょう。

こちらからは暗くてよく見えないけれどなにかがあるのは確かだ、というのが恐怖の恐怖たる所以です。

上に書いたようなストア哲学の手法を使って恐怖を冷静に分析していくと、その雲はいつの間にか晴れていて、もやもやした気分は一転します。

人間は未来が見えないので、見ようとしなければ「いつか来る嫌なこと」を延々と思考し続けてしまいますが、これでは悪循環を生む一方ですよね。

恐怖とは実態を持たない、未来にある幻影です、それについて思考している間だけ、恐怖は私達を苦しめますが、一度冷静に分析し始めると簡単に霧散します。

簡単に切り替えることはできないかもしれませんが、自分の精神を穏やかに保つために先人の知恵を借りるのは有意義で賢い方法だと思います、ぜひ試してみてください。

まとめ

ストア哲学から恐怖管理の手法をを引用して精神的な辛さを緩和する方法を述べてきましたが、いかがでしたでしょうか。

ストア哲学についての記事ではなく精神的な辛さを軽減するための記事ですので、まずは騙されたと思って上に記したプロセスを追ってみてください。

大抵の不安や恐怖は緩和されるでしょうし、このやり方を知っているだけでこの先も思い悩むことがぐっと減ることになります。

精神的に辛い、という状況には生きていれば誰もが陥りますが、問題はそこから立ち上がれるか、自力で這い上がれるかどうかですから、立ち上がり方をたくさん知っているほうが有利だと思いませんか。

最後に、今度はアメリカ大統領リンカーンの名言を紹介します。

「あなたが転んでしまったことに関心はない、そこから立ち上がることに関心があるのだ」

この記事が、あなたがもう一度立ち上がれる助けになりますように願っています。

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