FXフィボナッチとは?取引方法と一緒に使うべきテクニカル指標。

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FXにおいて取引しやすい相場がトレンド相場です。

しかしトレンド相場でも常に一方通行とは限らず、反対の方向に流れる時期が出てきます。

長期的にポジションを保持するトレーダーであれば問題ありませんが、短期取引をしているトレーダーはトレンド中の上下に苦しめられるでしょう。

そんなトレンド相場時の上下を読むために使うのがフィボナッチとなります。

フィボナッチとは

フィボナッチは13世紀にイタリアへ住んでいた数学者、レオナルド・フィボナッチが開発した数列です。

名前から分かるようにフィボナッチの由来は学者本人の名前から取られています。

フィボナッチそのものはテクニカル指標どころかFXと全く関係のない場所で生まれたものなのです。

フィボナッチ数列は二つの数字の和が次の数字になる仕組みになっています。

「1、1、2、3、5、8」

8の後も続いていますが最初辺りの数値だけを見てみましょう。

1に1を足すと2、1に2を足すと3、2に3を足すと5…と次々と数字を足していけば見事に仕組みが成立しています。

しかしフィボナッチ数列の仕組みは単なる足し算だけで終わりません。

実は割り算をするとこちらも決まった数値となるのです。

仕組みとしては計算して和が出た後の数字をその後の数字で割るとそれぞれ決まった数字に近い答えとなります。

一つ後の場合は0.618、二つ後の場合は0.382というものです。

実際計算してみると全てが0.618や0.382にはならないですが、限りなく近い数値にはなります。

あくまで重要なのは比率であり、黄金比とも呼ばれている程です。

実は普段生活している中でも様々なものがフィボナッチにおける黄金比で成立しています。

興味がある方はフィボナッチによる黄金比になっているものがないか探してみるといいでしょう。

為替相場におけるフィボナッチ

フィボナッチにおける黄金比は人間から見れば最も美しい、気分がいいと感じ取れる比率です。

FXで取引する為替相場はトレーダーが取引を行うことで動くため、どう動くか参加しているトレーダー達次第といえます。

そして黄金比は人間が美しく思える比率なため、普段意識していない方でも無意識に求めてしまうのです。

そのため相場のチャートにおいてもトレーダー達は黄金比を求めやすくなり、0618といった該当する比率で何かしら動きがありやすくなります。

フィボナッチにおけるテクニカル分析は、こうした人間の心理を分析して成立している手法なのです。

為替相場で使われるフィボナッチ・リトレースメントとは

一言でフィボナッチと呼ばれても、FXで使われているテクニカル指標としては幾つか種類があります。

しかしFXのテクニカル指標においてフィボナッチと呼ばれる種類はフィボナッチ・リトレースメントを指すのです。

リトレースメントは引き返すや後戻りするといった後ろへ戻る意味を表す言葉となります。

実際に設定してチャートで表示させてみると、幾つかの線が表示されるでしょう。

チャートにもよりますが線と同時にどこかに数字も表示され、先ほどのフィボナッチによる法則を理解していれば比率による数字だと分かります。

為替相場は常にリアルタイムで動いており、レートも小数点以下の数字まで表示されるため人間がフィボナッチ比率を求めるのは厳しい話です。

フィボナッチ・リトレースメントであればトレーダーが計算しなくてもツール側で計算し、チャートに表示してくれます。

線を引いて設定がされる

フィボナッチ・リトレースメントは表示させれば終わりなテクニカル指標ではありません。

まずチャート上で一本の線を引くところから始まります。

引き始めを始点、終わったところを終点とし、その期間の価格からフィボナッチによる計算がされて比率が求められるのです。

適当に引いてしまえばフィボナッチとして機能しないため、トレーダー側も的確なラインを引く必要が出てきます。

しかしそこまで難しい話ではありません。

現在のチャートを見て単に最も低いレートである最安値と高いレートである最高値を引けばいいだけです。

上昇相場の場合は最安値から、下落相場の場合は最高値を始点として引きましょう。

逆に言えばフィボナッチを利用したいトレーダーはチャートにおいて最安値と最高値を探すところから始まります。

フィボナッチを使った取引のやり方

フィボナッチによる比率は人間が意識しやすいラインと書きました。

フィボナッチを使った最も基本的な取引はラインを目安にし、跳ね返ったところで取引することです。

実際トレンド相場における取引のタイミングは一旦反対へ動いた後、また流れの方向へ動く時となります。

フィボナッチによる取引はそれと同じ原理です。

表示されたラインを確認し、どこで値動きが鈍り跳ね返るかを確認しましょう。

ポイントとなるのがこの「確認」するということです。

フィボナッチにおけるラインは幾つか表示されますが、どこで跳ね返るかは取引に参加しているトレーダー達次第となります。

最も近い23.6で跳ね返ることもあれば、最も遠い76.4で跳ね返ることもあるでしょう。

トレンド相場における取引の基本はラインまで来たら取引するのではなく、ラインで跳ね返ったのを確認した後取引することです。

フィボナッチにおける取引も同じであり、ラインまで来て跳ね返りを確認したら取引に入りましょう。

もちろん跳ね返った後に戻る「だまし」になる可能性も忘れてはいけません。

注文した後に損切りポイントの設定は忘れずにしましょう。

フィボナッチを使う際に意識すること

ラインを目安に取引する、とフィボナッチにやけるやり方はシンプルですが、使う場合は気をつけなければいけない点も多くあります。

機能するのはトレンド相場の時のみ

フィボナッチはトレンド相場における動いた後に反対へどれぐらい反発するかを見極めるテクニカル指標です。

そのため機能するのはトレンド相場の時のみであり、レンジ相場では役に立ちません。

更にフィボナッチは自分で線を引いて設定するため、トレンドが発生しているかの確認をするテクニカル指標でもないのです。

機能するのはトレンド相場が発生している時のみとなります。

レンジ相場やトレンドの確認は別のテクニカル指標を使う必要があるでしょう。

そのためFXでフィボナッチだけを利用しての取引は現実的ではありません。

設定は安値、高値を確認できてから

フィボナッチは安値と高値を結んで表示されるテクニカル指標なため、安値と高値が明確に分からないと使えません。

そのためトレンドが発生したところで一方が分かってももう一方が不明な間は正確な設定ができないです。

トレンドが発生したと判断できれば上昇であれば高値、下落であれば安値が正確に分かるまで静観しましょう。

流れていればどこかで跳ね返るため、更新が一時的に止まった後設定するといいです。

トレンドの強さでラインは変わる

フィボナッチで表示されたラインのどこで跳ね返るかは取引するトレーダー次第です。

しかし基本的に跳ね返るラインはトレンドの強さによって左右されます。

強ければ強いほど大きく反対側へ動かず近いラインで跳ね返りやすいと考えればいいでしょう。

逆に言えばどこで多く跳ね返るかにより、現在のトレンドがどれくらい強いか分析できるといえます。

しかしフィボナッチによる取引のチャンスを逃してしまうため、トレンドの強さは別のテクニカル指標で確認した方がいいでしょう。

深いラインに動いた場合、トレンドの終了を意識する

トレンド相場は上昇、下落共に高値と安値を更新しながら動きます。

どちらかが更新されなくなった時、トレンドは転換、もしくは終了したと考えていいでしょう。

フィボナッチのラインは幾つか表示されますが、遠いラインになる程現在の流れとは反対の値を下回ってしまいます。

そのため深いラインで跳ね返るようになった場合は弱いトレンド相場、もしくはトレンドが終わると考えられるのです。

半分である50を抜けた辺りがトレンドの終わる可能性が高くなるラインと考えられます。

フィボナッチではいつ終わるかの予測はできないため、他のテクニカル指標も合わせてトレンドの終わりを確認しておきましょう。

長い時間足が最も意識される

為替相場のチャートは幾つかの時間に分けて表示できます。

そしてFXにおける為替相場は短い時間足より長い時間足の方が意識されやすいです。

フィボナッチは人間、トレーダーによる心理を分析して表示される情報となっています。

そのためフィボナッチによる比率も短い時間足より長い時間足の方が機能しやすいのです。

トレンド相場になった後、普段短い時間足で取引をしている方も長い時間足でフィボナッチの設定をしておきましょう。

長い時間足と一言で称しても様々ですが最高で日足、最低で1、2時間足程度は確認した方がいいです。

機能するのはトレンドが発生している間

フィボナッチにおけるラインが機能するのはトレンドが発生している間です。

そのため現在のトレンドが終わり、次のトレンドが始まった時は役に立たない情報となってしまいます。

終わった後は設定をやめ、次のトレンドが始まったら改めて線を引いて設定しましょう。

逆に言えば同じトレンドが続いている間はフィボナッチは機能するといえます。

特に跳ね返ったラインは多くのトレーダーに意識されやすい反発ポイントになるため、トレンドが続く間は意識してみましょう。

相場に影響をもたらす情報に気をつける

フィボナッチが機能するのはトレンド相場の時ですが、同じ相場でも機能しない時があります。

それは政治、経済による情報が発表されて相場に大きな影響が出た時です。

他のテクニカル指標も同じですが、政治や経済といったファンダメンタルによる相場の動きはそこまでの動きを無視します。

フィボナッチにおけるラインがある場合でも、情報によってはお構いなしに動いて平然と突き抜けるのです。

そのため予め政治、経済による重要な情報が出てこないか確認して使いましょう。

フィボナッチと一緒に使うテクニカル指標

フィボナッチはトレンド相場でなければ使えないため、利用する場合はトレンドの分析ができるテクニカル指標と一緒に使います。

トレンド系のテクニカル指標であればどれであろうと分析できるため、最低限トレンド系は合わせて使いましょう。

以下は主にトレンド系でどうトレンドを分析するかの方法です。

線の向きで判断する移動平均線

トレンド系で最も基本的なテクニカル指標が移動平均線です。

表示されるのがたった3本の線だけであり、トレンドの発生を見極める方法もシンプルになっています。

見るポイント線の向きであり、線が上向きになっていれば上昇、下向きになっていれば下落トレンドと判断できるでしょう。

他にも線が線を突き抜けるクロスによるトレンド転換のシグナルで発生を見極める方法もあります。

しかし移動平均線はクロスによる情報が遅いため、あまりクロスを利用しての分析は向いていません。

バンドの形で判断するボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドはバンドという上下に出る線で構成されるテクニカル指標です。

逆張りでよく使われますが、トレンド系に属する通りトレンドの判断に使えます。

判断の方法は移動平均線と同じで、バンドが同じ方向へ向いていればトレンドが発生していると考えられます。

ポイントは真ん中にあるミドルラインと呼ばれるバンドであり、ミドルラインが明確に向いていなければトレンドといえません。

他にもバンドが狭くなった後、大きく拡大するエクスパンションも一方的な流れになるのを伝える情報です。

バンドが狭くなった時はどこがで大きく動きトレンドが発生するかもしれないと考えておきましょう。

しかしエクスパンションは大きく動く分、すぐに終わってしまう可能性もあるため簡単にトレンドが発生したと判断してはいけません。

雲でトレンドの判断をする一目均衡表

一目均衡表は多くの情報が表示されるテクニカル指標ですが、トレンドの発生を判断するなら雲だけを使えばいいです。

雲は先行スパンと呼ばれる2本の線で作られるものであり、相場では抵抗線として機能しています。

値動きを阻む分、雲を突き抜けるとその方向へ動きやすいためトレンドが発生したと判断できるのです。

トレンドラインで判断する

テクニカル指標ではありませんが、自分でチャートにトレンドラインを引いて判断する方法もあります。

トレンドラインは上昇相場であれば安値、下落相場であれば高値同士を結んで線を引いたものです。

引いたラインで値動きが跳ね返っていれば、多くの値を結べればトレンドが発生していると考えられるでしょう。

しかしトレンドラインは正解の引き方がないため、すぐ情報を表示してくれるテクニカル指標に比べるとトレーダーの力量が問われます。

利用する方はチャートで何回も様々な引き方をし、どのようなトレンドラインが機能するか研究してみましょう。

他の分析と共に学ぶフィボナッチ

見ての通りフィボナッチは利用できる場が限定されているため、単体で利用して勝てる程FXは甘くありません。

トレンド相場であれば効果を発揮しますが、そのためにトレンド相場の判断と他の相場ではどうするかと別の分析方法も考えなければいけないでしょう。

使い方は単純ですがそれ故にフィボナッチで稼ぐためには多方面でFXに対する様々な勉強をしていかなければいけません。

これからFXを始める方はフィボナッチではなく基本的な相場の分析方法を学ぶところから始めましょう。

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