粉ミルクのメリット・デメリット。母乳との違いや注意すること

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粉ミルクとは

粉ミルク(正式には乳児用調整粉乳)は牛乳を材料として作られ、人間の赤ちゃんに適した成分に調整したものです。

ミルクアレルギーの赤ちゃんにはアレルギー対応のミルクもあります。

より母乳に近い成分になるよう、日々進化していますおり、日本国内ではその成分が法律で決められています。

育児はお母さんだけではない

母乳は栄養面に優れ、免疫力を高めてくれますが、腹持ちがあまりよくありません。

吐くほどたっぷり飲ませても、すぐに空腹で泣いて起きてしまうのです。

夜中に何度も続くと、お母さんも睡眠不足になり、健康を損なうこともあります。

共稼ぎの家庭が増え、赤ちゃんを保育園などにお願いするお母さんが増えています。そんな時、ますますミルクは活躍します。

専業主婦の家庭でもお父さんがいる時間だけでもミルクをお願いして、協力することができます。

また、それだけではなく、お母さんが治療の必要な病気になったときも、ミルクに切り替えれば投薬治療も心配なくできます。

粉ミルクを買う時のおすすめ

ミルクを買うときは、メーカーが提供しているサンプルを利用するといいでしょう。

メーカーのホームページなどでモニターを募集しています。或いは病院や産院で飲ませていたミルクを教えてもらうと安心だと思います。

母乳育児のお母さんも確認しておいた方がいいでしょう。

アレルギーの疑いがある赤ちゃんは小児科の先生と相談しながらミルクを選んでください。アレルギーの内容や症状のレベルなどで対処法が違います。

最近は過度な「母乳信仰」が問題になっています。確かに、母乳は赤ちゃんにとって必要な栄養や免疫が含まれていますが、メーカーの努力で粉ミルクも向上しているのです。

手洗いや消毒をちゃんとしていれば衛生上問題はなく、むしろ母乳より手がかかるぐらいなので、ミルクで育てているお母さんを手抜きなどと非難する必要などないはずです。

粉ミルクの問題点

粉ミルクは日本においてはまだ安全なものといえます。

2008年中国で発覚したメラミン入り粉ミルク事件では、メラミンを含んだ粉ミルクが市場に出荷され、飲んだ乳児が腎臓結石に。

酪農家、流通業者、メーカー、行政に至るまでそれを隠蔽し続け、29万人が被害を受け、6人が死亡という悲劇が起こりました。

また、1970年代後半には発展途上国で粉ミルクの販売が行われた結果、不衛生な水を使用する、哺乳瓶の消毒がままならなかったりするなどの理由で病気になったり、値段の高い粉ミルクを買い続けることができず薄めて使用して赤ちゃんが栄養失調になってしまったりなどという問題も発生しています。

これらは過去の、外国の話ではありますが、現代日本でも問題はあるのです。

災害時に弱い粉ミルク

粉ミルク、実は災害に弱いといえます。

ミルクを作るのには哺乳瓶を消毒できる環境と70度以上のお湯が必要です。

70度以上でないと粉ミルクの中の細菌を殺すことができず、赤ちゃんが食中毒や敗血症、壊死性腸炎、髄膜炎などを起こすことがあるのですが、災害時はお湯の調達や哺乳瓶の消毒が大変になるのは容易に想像できる上に、実際の被災地でもそうでした。

「日本新生児医学会」では、非常時の際、調乳用の水は必ず煮沸し、哺乳瓶がないときは紙コップで代用し、赤ちゃんのペースに合わせてゆっくり飲ませること、粉ミルクが無いときはおかゆの上澄みや200ccのお湯に大さじ1杯の砂糖を入れて冷ましたものを与えて一時しのぎをするように、と呼びかけています。

欧米では「液体ミルク」が利用されています。

災害時、日本にも支援物資として送ってくれましたが、2016年現在、日本ではまだ認可されていません。常温で保存でき、災害時の備蓄としてはもちろん、日常で使用しても外出時の荷物を減らすことができます。コンビニなどにも置いてあったら助かりそうです。

欧米で認可されているぐらいだから日本でも問題は無いと思われますし、「ニーズがない」という理由も、存在がまだあまり知られていないからではないでしょうか。

「知っていたら使っていたのに」と思ったころには赤ちゃんは卒乳してしまっているのでしょうね。1、2年ほどの短い時間ですから。

赤ちゃんの家族が決定権を持てるように

WHOコードでは、「母乳代替品のマーケティングに関する国際基準」において、「医療機関や保健施設に対する粉ミルクの無償提供の禁止」などの条項がありますが、日本もこの条約を承認してはいるものの実行させる法律はありません。

多くの病院、産院では出生直後に母乳指導はあるものの、3時間ごとに授乳、体重が増えなかったらミルクを足す、という方法をとっています。

それでは本来、母乳育児や混合ができるはずのお母さんまで母乳を分泌させることができずにミルクを必要とさせてしまいます。

少子化なのに人手不足という、産科の問題点のひとつでもあります。

お母さんの気持ちを置き去りにし、メーカーの売り上げや、「母親が楽をするなんて」という世間の厳しい目、現実を理解していないような政府の方針ばかりが罷り通っているようです。

お母さんが、赤ちゃんの家族が決定権を持てるように改善されていけば、と願うばかりです。

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