トルコリラ(TRY)の特徴。値動きの傾向と取引する時の注意点。

FXにおける取引は単に差額の利益を狙うだけでなくポジションを保持でもらえるスワップポイントもあります。

スワップポイントは通貨ペアにより金額が違うため、狙う場合は高額な通貨ペアで取引したいと考えるのが普通です。

スワップポイント狙いで現在注目されている通貨がトルコリラとなります。

しかしトルコリラは決して安全な通貨ではないため、考えなしにポジションを保持してはいけません。

ではトルコリラはどのような通貨であり、FXでの取引ではどう取り扱っていけばいいでしょうか。

トルコリラとは

トルコリラは名称から連想できるようにトルコで使われている通貨です。

しかしトルコリラに関しては少しややこしい経歴があり、現在のトルコリラはいうなれば3代目となります。

初代のトルコリラは2005年まで流通していた通貨であり、新トルコリラが発行されて役目を終えました。

新トルコリラ自体は3年しか流通されず2009年を持って再びトルコリラへ名義が戻り現在に至ります。

最もFXで取引するにおいて初代と二代目は考えなくてもいいため、関係は覚えなくても問題ありません。

ただトルコで使われている通貨と覚えればいいでしょう。

他の国と比べトルコはそこまで意識される国ではないため、どこにある国か頭にない方も多いのではありませんか。

トルコはアジアとヨーロッパの境界にある国であり、国際連合ではアジアに属するがヨーロッパとして扱われることもある変わった特徴があります。

FXにおけるトルコリラの特徴

ドルやユーロと比べ知名度の低いマイナーな通貨ですが、為替相場としての特徴は以下の通りになっています。

金利は通貨の中で一番高い

FXにおいてトルコリラの最も大きな特徴と魅力が金利にあります。

トルコリラはマイナー通貨なためか扱っているトルコが政策金利で高い設定にして取引されるようにしたのです。

実際にトルコリラを取り扱っている業者のサイトでスワップポイント一覧を見てみましょう。

他の通貨ペアと比較してトルコリラがペアになっている種類は明らかに高額なのが分かります。

業者と時期より異なりますが大抵は1万通貨で100円前後に設定されていることが多いです。

他が30、40円の中に100円はかなりの高額といえるでしょう。

そのためトルコリラは金利が高く、スワップポイント目当てで取引する通貨に向いているのです。

取引量が少なく、スプレッドが広い

トルコリラはマイナーな通貨であるためか取引される量が多くありません。

取引される量が少ないということは少しの取引で相場が大きく動くことを指します。

しかしトルコリラは取引される量自体少ないためか普段の相場ではあまり動きません。

逆に何かあった時は多く取引されるため暴騰や暴落が起きやすくなっているのです。

更に取引量の少なさは取引が成立しない可能性も高めています。

メジャーな通貨ペアで取引していると気になりませんが、為替相場による取引は買う人間と売る人間がいて成立するのです。

そのため取引量が少ないと買う人間が存在しない場合、買ったとしても売ることができなくなってしまいます。

トルコリラではいつでも取引できるものではないと理解しておきましょう。

取引量が少ないということはその分スプレッドも広く設定されやすいといえます。

トルコリラが含まれている通貨ペアは円でいえば10銭以上の設定は当たり前でしょう。

スプレッドの問題はただ広いだけでなくトルコリラが急激に動きやすい点もあります。

FXのスプレッドは固定ではなく相場の状況によっては広がる時があるのです。

広がる時は大抵が急な変動をしている時なため、トルコリラは特に広がりやすいといえます。

そのためトルコリラで取引する時は設定されているスプレッド以上になるのを考慮する必要があるでしょう。

必要な証拠金は少ないが、変わる時もある

トルコリラはここ最近下落傾向にあり、レートが大きく下がっています。

その結果現在は円がペアであれば20程度とかなりレートが低くなっているのです。

トルコリラ以上にレートの低い通貨はありますが、低い側であるという事実は変わりません。

FXの取引には証拠金が必要となり、金額はレートに左右されます。

トルコリラはレートが低いため、メジャーな通貨達と比べて遥かに少ない証拠金で済むのです。

証拠金はレバレッジを使わない場合は20万程度、25倍を使う場合は8000円程度と1万を切る金額になります。

他の通貨ペアと比べ用意する資金も少なくて済み、その分取引量を多くしてスワップポイントを増やせるのです。

海外業者となればレバレッジの上限がないため、より少ない証拠金で多くの取引量を狙えます。

しかし必要な証拠金が少ないからと油断をしてはいけません。

トルコリラのレートがここまで下落したのはトルコの経済的な不安が原因となっています。

そのためかトルコリラの下落が大きい時、業者によって証拠金の倍率が変更された時もあるのです。

今は落ち着いたため戻っていますが今後も倍率の変更が行われないとは限りません。

トルコリラで取引する時は必要な証拠金が突然変更される可能性も頭に入れておかなければいけないでしょう。

トルコリラで取引していくには

マイナーな通貨と金利の高い通貨な故、他のメジャーとは違ったやり方を考えていかなければいけません。

トルコリラを取り扱っている業者を選ぶ

まずトルコリラで取引を考える場合は取り扱っている業者を選ぶ必要があります。

トルコリラはメジャーな通貨ではないため業者によっては取り扱っていない場合も少なくないからです。

国内業者でトルコリラの取り扱いは増えてきましたが、まだまだ取り扱いしていないところも少なくありません。

取り扱っていないところを選ぶとどうあがいてもトルコリラで取引していくことは不可能です。

今後追加される可能性はありますが、必ず追加される保障はないため現在取り扱っているところを選んだ方がいいでしょう。

トルコリラで取引する場合はスワップポイントで稼ぐのが基本なため国内ではなく海外も選択肢として考えられます。

海外であればレバレッジ上限がないため、国内以上に証拠金の金額を減らして取引量を増やせるからです。

何より海外業者はゼロカットを採用しており資金がマイナスになることはありません。

トルコリラは決して安定している相場ではないため、もしもの時を考えるとゼロカットの存在は大きいです。

しかし海外も全ての業者が取り扱っているとは限らないため、国内と同じように取り扱い通貨に掲載されているか確認しましょう。

差額による利益には向いていない

トルコリラといえば金利が高いためスワップポイント狙いで取引するのが基本です。

本来FXで稼ぐとすれば相場の値動きによる差額の利益を狙うのが基本となっています。

トルコリラでもスワップポイントだけでなく差額の利益を狙おうと考える方もいるでしょう。

しかしトルコリラで差額の利益を狙うのはおすすめできません。

理由の一つがスプレッドであり、トルコリラはマイナーな通貨なためスプレッドが広く取られています。

もう一つが相場の値動きであり、普段のトルコリラではそこまで大きな動きはありません。

スプレッドが広ければその分値動きがないと利益にならないため、差額の利益は思った以上に期待できないのです。

更にトルコリラは相場が急変する可能性もあり、その時は大きく動きますがスプレッドも広がっている可能性が高いでしょう。

どう動くかを予想しないと行けないため、予想をして値動きを取るのも難しいのです。

何よりトルコリラ以上に相場が動いてスプレッドの狭い通貨ペアは多くあるため、わざわざトルコリラで差額の利益を狙う必要性がありません。

様々な理由からトルコリラで差額の利益を狙うのはやめた方がいいのです。

スワップポイントは業者選びも重要

取り扱っている業者はもちろんですが、もう一つ重要なのがスワップポイントの設定です。

スワップポイントは相場とレートで変わるだけでなく業者によっても変わります。

高いところと低いところを比べると数十円違う場合もあるのです。

スワップポイントは元々の金額が少ないため、金額の違いがそのままもらえる利益に大きく影響されます。

トルコリラで取引する場合は業者ごとのスワップポイントも比較して決めましょう。

トルコリラは多くのところが円とペアにしてトルコリラ円にしていることが多いです。

そのためトルコリラ円を基準に比較をしていきましょう。

比較といえばスプレッドもそうですが、スワップポイント目当てであれば差額の利益は関係ないためそこまで重要になりません。

トルコリラのスプレッドに関しては比較せず無視していいでしょう。

トルコで注目する経済指標

トルコリラはトルコの通貨なため、当然トルコから発表される経済指標に影響を受けます。

トルコリラは金利の高い通貨であり、そのためスワップポイント狙いで取引されるのです。

特徴を考えれば金利に関わる経済指標は重要だと考えられるでしょう。

政策金利が重要なのは他の通貨も同じですが、トルコリラは特に金利が重要視されているため度合いは違います。

気をつけたいのは発表される時間帯であり、基本的に政策金利は他のメジャーな通貨だと月の上旬に発表されることが多いです。

しかしトルコの場合は下旬となっており、月の後ろで発表されます。

時間帯こと午後9時と他とは変わりませんが、発表される時期は理解しておきましょう。

内容によっては相場が激しく乱れて保持が難しくなる場合もあるため、決済して避難させる判断も必要です。

政策金利以外では雇用関係の情報も他の通貨と同じように注目したい経済指標になります。

注目すべきは失業率でありトルコ経済との関係もあって値動きへ大きな影響を見せやすいです。

失業率に関しては中旬の午後5時辺りに発表されます。

トルコは貿易により経済力をつけているため、貿易関係の経済指標も重要です。

特に注目したいのは貿易収支であり、こちらも政策金利と同じく月の終わりに発表されます。

このようにトルコは他と重要な情報の発表時期が違うため、同じ感覚でいると痛い目を見てしまうでしょう。

トルコリラでスワップポイントを狙う場合はメジャーな通貨ペアの取引とは違うと頭を切り替えなければいけません。

トルコの情勢に気をつける

経済指標以外にもトルコの情勢に気をつけましょう。

というのもトルコはアジアとヨーロッパの境界にあり、周りの国の中には今も行くのが危険と呼ばれる治安の良くないところもあります。

そのような国の近くにあるためトルコは時に争いへ巻き込まれる可能性もあるのです。

争いがあれば当然通貨を持っている危険性が高くなるため手放すトレーダーが増え、暴落が起こってしまいます。

経済指標と違いいつどのような影響を及ぼすかは分からないため、トルコだけでなく周辺にある国の情勢も確認しておきましょう。

ちなみに巻き込まれるという意味では物理的ではなく相場的な意味でも気をつける必要があります。

トルコリラで取引する時は大抵がトルコリラ円となるため、ドルや円による急変に巻き込まれる可能性があるからです。

そのため取引する時はトルコリラの相場だけでなくドル円の相場も確認しておきましょう。

トルコリラだけに拘らない

トルコリラは不安定な通貨なため、相場によっては手出しするのが危険になる時もあります。

FXにおいてリスクの高い状態で取引するのは不適切なため、危険と感じたら取引しない方がいいです。

時にはトルコリラで取引できない状況になる場合もあるでしょう。

取引できない状況を踏まえればトルコリラだけでなく別の通貨による取引も考えておくといいです。

スワップポイントもトルコリラに比べれば金額は大きく下がりますが、相場の安定という意味では保障されている通貨ヘアがドル円を始め幾つか存在します。

スワップポイントで稼ぐ場合は該当する通貨ペアで代わりにポジションを持つといいでしょう。

常にリスクを考えた取引を

スワップポイントは魅力的ですが相場の不安定さによるリスクの大きさがトルコリラにはあります。

FXでリスク管理をするのは当然なため、トルコリラを取引先として選んだ場合は最初にリスクを考える必要があるでしょう。

単に保持するだけでなく「こうなったらどうするか、いつ手仕舞いするか」も自分なりに考えておいた方がいいです。

おすすめの記事