ひらがなの覚え方とは?いつから教えるのがベストなの?
子供が3歳ぐらいになると「よその子はひらがなを覚えたのにうちの子はまだ・・」というママさんの声をよく聞きます。小学校に入るまでにひらがなを覚えさせておきたい気持ちはとてもよくわかります。
でも、果たして本当にひらがなを早く覚える必要はあるのでしょうか?結論を先に言ってしまえば、覚える必要はありません。子供自身が興味を示せば早く教えてもいいでしょうが、子供の興味がないのであれば教える必要はありません。
そもそも、ひらがなを覚える速度と頭の良さはあまり関係がありません。わかりやすく目に付くポイントなので、ママさんが気になってしまう気持ちはよくわかります。でも、ひらがなの早期教育としての練習帳はあまり必要ないかな?と私自身は思っています。
さて、今回はこのひらがなの覚え方や教える時期についてお話ししていこうと思っています。
目次
3歳でひらがなを覚えなくても焦る必要はないです。
一般的にひらがなを「書く」ということに意識がいくのが3歳からですよね。幼稚園に通っていると幼稚園で教えてくれるところもあります。そうした環境の中で、我が子がなかなかひらがなを覚えてくれなければ、焦ってしまうママの気持ちもわかります。
そもそも、子供の興味はどこにありますか?ひらがなを読む・書くということに注目しすぎて、子供の興味があるかないかを見落としているママさんもとても多いです。「なんでできないの!」という前に子供が必要と思っているかどうかをまずは考えてみてください。
「ひらがなを覚えようとしない」のではなく、「学習」としてひらがなを覚えさせようとしても、子供が文字を読む・書くということに興味がなければ、そもそも無理ですよね。後ほど詳しくお話ししますが、遊びの中でいかにうまくやっていくかが大切なんだと思います。
もう一つ覚えていて欲しいのが、ひらがなが早く書ける=頭がいいではないのです。
ここを押さえておけば、焦らずに取り組めるのかな?と思います。
ひらがなを覚える速さと頭の良さは関係ない
ひらがなを覚える速さと頭の良さが関係ないというと意外がられます。でも実際に練習を根気よくすれば、誰でも書けるようになるのがひらがなです。
このひらがなを早く覚えたからといって、頭がいいかというとそんなことはないんですね。むしろ頭のいい子というのは察しのいい子です。人の感情に敏感だったり一度使ったおもちゃの遊び方を覚えていたりとひらがなというピンポイントではなく、実感するところはあると思うんですね。
そのため、日常的に子供を観察していて、違和感がなければひらがなに興味を示さないからと言って、不安になる必要はないのです。
むしろ、早期に無理やりひらがなを詰め込むほうが、私はNGだと思っています。子供が興味を示していないのに、無理に詰め込むことで子供が勉強嫌いになってしまう可能性があるからです。
そうならないためにも、焦らずゆっくりと遊びの中でひらがなに触れさせることをお勧めします。
子供にひらがなを覚えさせるおすすめ方法は?
子供にひらがなを覚えさせるとなった時に、いきなりひらがな練習帳を買ってきて毎日書く練習をさせる親がいますよね。これ絶対にNGな方法なんです。自分に置き換えて考えて欲しいのですが、読めない漢字を書けますか?
子供のひらがなもそれと同じなんです。
まずは読みから!
子供にひらがなを教える時には、まずは読みから教えてください。先ほども少し言いましたが、あなたも読めない漢字を書こうと思えば、じっくりみながら「書き写す」状態になりますよね。
読めない漢字をただ書き写す作業は楽しくないですよね。子供も同じなんです。興味のないことを強制されることほど苦痛なことはありません。子供の年齢を気にせずにできることというのは絵本を読むことですよね。
その他にも「いぬ」「ねこ」といった絵とひらがなが書いてあるおもちゃもたくさんあります。私の子供は動物が好きなので、犬の写真をみて「いぬー!」と喜んでいる子供にいぬとひらがなで書いてあげます。
そして「これはいぬっていうんだよ。読んでみて」とひらがなを見せると、わかってるのかどうかは知りませんが「いぬー」と復唱してくれます。そして、復唱ができたら思いっきり褒めます。そうすることで、特別な時間を作らなくても、コミュニケーションの中でひらがなを覚えていくことができます。
筆圧を意識して
いつひらがなを覚えたのかということよりも、筆圧の方に気をつけてあげてください。指先は第二の脳と言われているぐらい脳の発達と大きく関わっています。
そのため、しっかりとした筆圧で書くことが子供の頭を賢くするポイントなのです。ある調査によると、名門の灘中学に通う子供に筆圧の弱い子供はいないそうです。私が小学生の頃は、HBが基準でした。
そんなに筆圧が強くない私でも2Bになると芯が柔らかく濃く書けすぎて使いにくかったのを覚えています。でも、今の小学生はBまたは2Bが標準だそうです。それだけ子供たちの筆圧が弱くなっているんですね。
筆圧が弱いと脳に刺激が入りにくくなります。小さな子供にお絵かきをさせても横の線がとても多いですよね。横に横に書く癖がある子供がとっても多いんです。そうではなく、強く書くことを子供の習慣にできるように教えていきたいですね。
ひらがなの練習帳よりは絵本がおすすめ
ひらがなの練習帳って楽しくないですよね。小学校に入ってやる漢字の練習帳も同じです。あの練習帳は私の中で覚えた字を綺麗に書く練習のためのものだと思っています。
では、どうやって字を覚えるのかといえば、絵本がおすすめです。子供が興味を持ってくれるのであれば、図鑑でもいいです。とにかく子供が好きなものを中心にして欲しいということなんですね。
絵本がおすすめの理由は0歳から慣れ親しんでいるものだからです。我が子も今でこそタブレットのゲームをやっていますが、0歳からずっと絵本が身近なところにありました。
絵本を読み聞かせることで、絵とママの声をリンクさせて色々なことを考えます。2歳過ぎれば、話の内容にも興味を示すようになります。そうなれば、ゆっくりと読んであげて子供が「これはなに?」と聞いてくれば答えてあげます。
こうやって色々な絵本を読んでいると、子供の好き嫌いが出てきます。1歳をすぎたぐらいから自分で絵本を持ってくるようになりました。その子供の好きな絵本を繰り返し読んであげることで、想像力や思考力を育てることができます。
絵本のいいところは、もう一つあって「読むこと」に自然に興味を持っていけることです。ママが読んでいると、そのうち子供が「私も読む」と言ってきます。今まで絵としか認識していなかった文字を「読んでみたい」と思ってもらうことが大切なんです。
無理やり興味を向けなくても、好きな絵本を読んでみたいと思わせることで、遊びの中で「ひらがなを読む」ということができますよね。あくまで自然の興味の中で子供にひらがなを教えていくことが理想なんです。
楽しめる方法をさがそう
我が子でいえば動物でしたが、乗り物が好きな子もいますよね。「でんしゃ」や「くるま」そして「しんかんせん」といった乗り物の名前をひらがなで読めるようになれば、子供はきっと楽しいはずです。
自分の好きなものにより深く触れることができるわけですからね。ひらがなを読めるようになるまでは、子供にとっては文字も絵も違いがありません。親が焦ってしまうと「なんでうちの子はこんなこともわからないのかな・・」とがっかりしてしまいます。
でも焦る必要はないんですよ。うちの子が好きだったのはひらがなが書かれたパズルです。ひらがなと動物のイラストを合わせていくんですが、正解すれば大げさに褒める。その繰り返しを根気よくしていると、私が犬の絵を持って「これはなに?」と聞くと「いぬ」と書かれたところを指差してくれるようになりました。
ここまできたら、次は書くということをしてみましょう。書くのも今覚えて読めるようになったひらがなを写すだけでいいんです。書き写すことをなんどもしているとそのうちかけるようになります。
その時に注意して欲しいのは、あいうえおにこだわらないことです。
あいうえおにこだわらないで
ひらがながあいうえおから覚えるというのは誰が決めたんですか?子供にとってよくわからない「あいうえお」という文字をただひたすら書かされるというのは、きっと苦痛だと思うんです。
それよりは子供の好きなもので読めるようになったひらがなを書き写すことをやったほうがいいと思います。その方が子供にも言いやすいですよね。例えばですが、「いぬって書いてみて」や「くるまはどう書くの?」と言うと、子供もあいうえおを書かされるよりは楽しく書くことができるんです。
小学校に入ればいやでもあいうえおやカタカナそして漢字と書き取りをさせられる時間というのはあります。もしかしたら幼稚園でも園によってはそういう時間を設けているかのしれませんね。
だとしたら、家でママと覚えるときくらいは、遊びの一環として覚える方が子供の覚えるスピードも上がっていきます。では、ひらがなを教えるベストタイミングは本当に3歳なのでしょうか?
何歳から教えるのがベストなの?
大人が思う3歳から覚えてくれたらそれに越したことはないんでしょうが、興味を示す年齢というのは人によって違います。強制は先ほども言ったように「勉強嫌い」の原因になってしまいますので、避けるようにしましょうね。
では、子供の年齢別に言葉に対する興味がどうなっているのかをみてみましょうか。
2歳の子供
ひらがなを覚えさせるというよりも、たくさん言葉を浴びて話し言葉を聞くことが大切なんです。たくさんの言葉を聞いていないと、自分で話すということができません。
話せないのにひらがなを読む・書くというのはとってもハードルが高いです。まずは楽しく会話ができるようにしていきたいですね。
3歳の子供
3歳になると、色々な絵や写真に興味を持ちます。いつもみているポスターをみて親が絵・写真・おもちゃとひらがなをかんれんづけてあげることが大切です。即効性はもちろんないので、あくまで遊びの一環としておこなってください。
うまく興味づけができたら、その後のひらがな学習がうまくいくはずですので頑張ってみてください。
4歳の子供
「読みたい」「書きたい」という欲求がみられることがとても大切です。お友達やママにお手紙を書いてみたいまたは、幼稚園のお友達が絵本を読めるようになっているなどがきっかけになりやすいです。
お友達にできることが自分にできないというのが嫌な年齢でもありますので、私も絵本自分で読みたい!となれば一緒に絵本を読む練習をしてあげてください。でもワークはまだ早いので、あくまで遊びの一環ということを忘れずに。
5歳の子供
5歳になると、かなりしっかりしてきます。大人との会話も楽しめるようになり、拙くてもいいので、お手紙を書くことが楽しいと思えるようにサポートしてあげましょう。
この頃はうまく書くというのは大切ではありません。あくまで文字で伝えることが楽しいと思うことが大切です。「もっと上手に書きなさい!」なんてことは絶対にやってはいけません。
子供の興味を削いでしまうことにもなりかねませんよ。
女の子は4歳男の子は5歳からが勝負。
年齢別に子供の成長をみてきましたが、何歳から興味を示すかはその子次第です。一般的に女の子の方が男の子よりも早く興味を示すと言われています。
その理由は、遊びの種類にあると思います。女の子は友達に手紙を書いたりママに手紙をかいたりしますよね。そういった中で文字に触れる機会が早く訪れます。
一方男の子は外で遊ぶことが好きで、なかなか文字に触れること機会がありません、そのため5歳くらいからが自然に始められると言われているんです。
小学校に入れば、名前がひらがなで書いてあります。幼稚園のようにイラストで場所を教えてくれることはありません。文字が読めないと何かと困るので、小学校入学までにひらがなを覚えておきたいと思いますよね。
そのために、理想を言えば5歳には始めた方がいいでしょう。根気よく教えることを考えたら、1年は時間が欲しいなと思うからです。子供が自然に興味を示すためにも、えほんやひらがなかるたなどの遊びを日常生活に取り入れていきたいです。
でも、いくら親が一生懸命やったところで子供に興味がなければ覚えられませんし、苦痛にしかならないと思います。小学校に入るまでにひらがなができないとダメなのでしょうか?
小学校に入るまでにひらがなができないとダメなの?
ダメではありません。今は色々な情報が入ってきますので、なにかと焦ってやってしまいがちですが、小学校でひらがなを教えるので、そこからでも問題はないんです。
うちの子がそうだったのですが、幼稚園に入って急に会話のレベルが上がりました。そして、読み書きにしても「〇〇ちゃんがやってるから」とよく言っていました。
私自身があまり詰め込むのが好きではなく、子供の興味の向くままに任せていたので、小学校に入るまでは読めるけどかけない状態でした。それが小学校に入ると周りの子達が刺激になるのか、急成長しました。
子供に「教えて」と言われない限り私は何もしませんでした、でも子供から「ひらがな教えて」というようになったので、一緒に書き取りをしたり絵本を読んだりする時間がとても楽しかったです。
子供というのは、大人が必死になってやらそうとしなくても子供同士の刺激の方がよっぽどやる気になります。そのやる気をいかに伸ばしてあげるかが親の役目なのかなと思っています。
ちなみにですが、公立の小学校の入学時点ででひらがなの読み書きができない子はたくさんいます。小学校の入学時でもそうなのですから、3歳で焦る必要はどこにもないのです。
読み書きはグロスモータースキル。
私も最初聞いた時には「なにそれ?」と思いました。人の動きは大きな動きと小さな動きに分けられます。小さな動きをファインモータースキルそして大きな動きをグロスモータースキルと呼んでいます。
読み書きは意外ですが、グロスモータースキルに区分されます。そのため、そのスイッチが入っていないと読み書きは当然できません。逆にそのスイッチが入れば今までできなくてもできるようになるのです。
一つ注意して欲しいのが、周りの態度です。本当はできるのに「この子はできないんじゃない?」という態度を周りが取ってしまうと、自分はできないんだと思い込んでしまうのです。
一度思い込んでしまうと、練習もなかなかしませんよね。そうなると本来のペースよりも遅いペースとなってしまうんです。このグロスモータースキルは、運動スキルのことなのですが、近年運動ができない子が増えています。
その理由としてベビーカーや車生活の影響で動かなっているためだと言われています。読み書きと運動能力が同じグロスモータースキルなのだとすれば、幼い頃から体を動かし、指先をしっかりと使っていく必要があります。
私の子供も一緒にジムに連れて行っているせいで、とても運動神経が発達していると周りから言われます。運動神経がいいと言われ出したのと同じぐらいから頭がいいと言われることも増えました。
つまり運動神経と脳が連動しているのかな?と私は思っています。幼児期にしっかりと体を使った遊びを経験したかどうかがかなり重要になってくると思います。
近年の子供に多い、スマホゲームや軽いおもちゃでばかり遊ばせてるのもよくないですね。毎日公園に連れて行けとは言いませんが、せめて家の中でもいいので体を動かせす遊びをしていきたいものです。
近所の散歩でもいいですし、買い物に行った時にすぐカートに乗せるのではなく歩かせるようにすることも大事ですよね。体を動かすようにしていれば、グロスモータースキルのスイッチが入りやすいとも言われているので、ひらがなの読み書きにいい影響がでると私は考えています。
このような観点からも、幼い頃のひらがなワークがいかに意味がないかというのがわかっていただけたと思います。子供にとってしっかり遊ぶことが賢くなるために必要なことなのです。
まとめ
いかがでしたか?大人の数ヶ月と子供の数ヶ月は全然違います。昨日できなかったことが今日いきなりできるようになっているのが子供です。幼稚園や小学校で同級生からの刺激を受けて、やりたい!と言った時が教え時です。
勉強は家庭ではなく学校で教えてくれます。その学校でできたことを家で報告してくれると思うのですが、そこで目一杯褒めてあげてください。
教育に焦るママは「できないこと」に目を向けがちですが、できたことを褒めてあげることで子供のやる気を引き出すことができます。学校で勉強を教えて、家庭では褒めてやる気を伸ばす。この役割分担が大切なんだと私は思っています。