鍵盤楽器といえばピアノ。
そう思う人がほとんどかもしれませんが、鍵盤楽器にはピアノだけではなくエレクトーンもあります。
子供の習い事いピアノを選ぶ人は多いですが、エレクトーンもとても魅力的な楽器です。
楽器店のエレクトーンのデモ演奏やメディアで紹介されるエレクトーンの演奏を聞くと、エレクトーンを子供にやらせるのも魅力的に感じますよね。
鍵盤楽器なのでピアノとエレクトーンはどちらも同じと思うかもしれませんが、二つの構造は全く別物。
そこで今回は、ピアノとエレクトーンの違いを紹介します。
子供にピアノとエレクトーンとっちをやらせるか、迷ったときの参考にしてくださいね。
目次
ピアノとエレクトーンは全く違う楽器
ピアノとエレクトーン。
子供にどっちをやらせるか迷う前に、ピアノとエレクトーンは全く違う楽器であることを理解しましょう。
- ピアノは鍵盤を押すとハンマーが弦を叩いて音が出る
- エレクトーンは電源を入れて音を出す電子楽器
という特徴があります。
鍵盤を押して音を鳴らす楽器という特徴はピアノもエレクトーンも同じですが、音が出る仕組みが違います。
ピアノは鍵盤を押せば音が出ますが、エレクトーンは電源を入れて鍵盤を押さなければ音が出ません。
ピアノとエレクトーンでは鍵盤の素材や構造が違うため、鍵盤を弾くときの感触も違います。
「同じ鍵盤楽器だからどっちでもいいのでは?」
と思う人もいるかもしれませんが、ピアノとエレクトーンでは弾き方が異なるので安易に決めてしまうのはよくありません。
子供の習い事にピアノかエレクトーンか迷ったときは、それぞれの違いを見極めましょう。
ピアノの特徴
ピアノとエレクトーン、どっちをやらせるか迷ったときはそれぞれの特徴を知りましょう。
ピアノの特徴は
- 弦を叩いて音が鳴る
- ピアノの音が鳴る
- ペダルがついている
- 歴史が長い
というものがあります。
ピアノは鍵盤を押すとピアノ内部のハンマーが弦を叩いて音を出す仕組みです。
そのため、鍵盤を押すときに重さを感じますし音の調節は鍵盤を押す力加減や速さで調節します。
電子楽器ではないので、電子ピアノや消音ユニットがついているもの以外は音を消すことができません。
ピアノを演奏するときに出る音は、ピアノの音と言われて想像するようなピアノの音だけです。
エレクトーンのような電子楽器では音を変える機能がついていますが、ピアノにそのような機能はついていないため音は変わりません。
ピアノにはペダルがついています。
ダンパーペダルを踏めば音を響かせることが出来ますし、ソフトペダルを踏めば音を小さくすることが可能です。
ペダルを踏み分けることで曲の表情を変えることができます。
ピアノは200年以上前から存在しているため、とても歴史のある鍵盤楽器です。
そのため200年以上前にピアノのために書かれた楽譜が存在し、現在でも多くの人に弾かれて愛されています。
おおまかではありますが、以上がピアノにあってエレクトーンに無い特徴です。
ピアノ教室の特徴
ピアノを子供にやらせようと思ったとき、ほとんどの人がピアノ教室に通わせることを選ぶと思います。
ピアノを習ったことがある人はピアノ教室の特徴がなんとなく分かるかもしれませんが、通ったことが無い人はどんな特徴があるのか分からない人も多いはずです。
ピアノ教室にはどのような特徴があるのでしょうか。
ここではピアノ教室の特徴を紹介します。
教室の数が多い
ピアノ教室は会社が経営するものから個人の教室まで、数がとても多いです。
そのため、様々な教室を比較して選ぶことができます。
近所でピアノ教室を探せば、すぐに見つかるのではないでしょうか。
珍しい楽器などはすぐに習える教室は見つかりませんが、ピアノはそうではありません。
ピアノ教室はたくさんあるので、ピアノを習わせたいと思ったらすぐにスタートすることができます。
レッスン料金が安価なものから高価なものまである
ピアノ教室のレッスン料金は安価なものから高価なものまであります。
個人が教えている町のピアノ教室では比較的安価ですが、大手の会社が経営している教室は個人の教室と比べると比較的高価です。
また、コンクール入賞者を何人も出している教室は個人でも高価なレッスン料になります。
このように、ピアノ教室はレッスン料金がさまざま。
そのため、家の経済事情を考慮して教室を選ぶことができます。
ほとんどの先生が音大を出ている
ピアノ教室の先生は、ほとんどが音大を出ています。
音大ではピアノの指導方法の授業や個人のピアノ実技の授業があります。
音大を出ている先生は、自身もピアノのレッスンを受けているため、ピアノを教えることに慣れている人が多いです。
さらに音大では音楽理論の勉強もするため、音楽に対する知識も備わっています。
ピアノ教室の中には、ピアノを弾くことを教えるだけではなく聴音や音楽理論などを教えてくれるところもあります。
音大を卒業している先生だからこそ分かることを教えてくれるのもピアノ教室の特徴です。
ピアノを習わせた方がいい場合
ピアノとエレクトーンは構造は違いますが、どちらも鍵盤楽器です。
そのため楽譜の読み方や音の位置は両方とも変わりません。
同じ鍵盤楽器なので、ピアノとエレクトーンをどちらを習わせたらいいか迷っているひともいるのではないでしょうか。
ここでは、子供にピアノを習わせた方がいい場合と紹介します。
そのうちピアノを弾かせたいと考えている
いつかはピアノを弾かせたいと考えているなら、ピアノを習わせましょう。
ピアノとエレクトーンでは鍵盤の構造が違うからです。
いつかピアノを習わせたいのにエレクトーンを習わせてしまうと、エレクトーンの鍵盤の弾き方に慣れてしまいます。
そうするとピアノ鍵盤で音を奏でることが難しくなります。
ピアノは鍵盤を押したらハンマーを叩いて音が出る仕組みです。
ピアノの音色を変えて演奏するときは、鍵盤の押さえ方を変えなければなりません。
エレクトーンの鍵盤の押さえ方で音を鳴らしてしまうと、理想のピアノの音を出すことできずに苦労します。
いつか子供にピアノをやらせたい場合は、最初からピアノを習わせましょう。
音大受験を考えている
子供に音大を受けさせたいと考えているときは、ピアノをやらせましょう。
音大はほとんどがピアノ科で、エレクトーン科はないからです。
音大受験の課題曲はピアノ曲です。
音大は子供のころからピアノを練習し続けている人が受験をするので、ピアノの練習量が少ないと不利になります。
そのため、子供に将来は音大にいってほしいと考えているときはピアノをやらせましょう。
エレクトーンよりもピアノの方が好き
子供がエレクトーンよりもピアノの方が好きな場合は、ピアノを習わせましょう。
好きな習い事のほうが上達するからです。
子供がピアノを習いたいのに、無理やりエレクトーンを習わせてしまうとレッスンが続かない可能性があります。
現在の音楽教室では体験レッスンを設けているところがほとんどです。
そのため、ピアノとエレクトーンどっちをやらせるか迷ったときは両方の体験レッスンを受けてください。
もし、子供がピアノの方が好きだといったらピアノを習わせましょう。
ダンパーペダルの音色が好き
ダンパーペダルの音色が好きな場合は、ピアノをやらせましょう。
ダンパーペダルを踏むと響くような音がなります。
ダンパーペダルを踏んで演奏するピアノの音は、綺麗に響いてとても魅力的です。
このペダルはエレクトーンにはついていません。
そのため、ダンパーペダルの音色が好きなばあいはピアノを習わせましょう。
エレクトーンの特徴
エレクトーンは鍵盤楽器ですが、ピアノとは構造が大きく違います。
エレクトーンは電子楽器なので、様々な機能が付いています。
ピアノは学校などで実物に触れる機会がありますが、エレクトーンに触れる機会はピアノに比べて少ないのではないでしょうか。
そのため、ピアノかエレクトーンか迷っているときはエレクトーンの特徴を知ることが大切です。
ここではエレクトーンの特徴を紹介しましょう。
電子楽器
エレクトーンは電子楽器です。
これは、ピアノと大きく違います。
電子楽器なので、様々な機能が付いています。
音を変えたり、打楽器の音が出せるのでピアノよりも様々な表現が可能です。
エレクトーンを使えばゲーム音楽や映画のBGMをかっこよく演奏できます。
異なる音を同時に鳴らして曲を演奏することはピアノにはできません。
電子楽器というのはエレクトーンの大きな特徴です。
足で弾く鍵盤がある
エレクトーンには、足で弾く鍵盤が付いています。
足で弾く鍵盤はピアノにはついていません。
エレクトーンで様々な表現ができるのは、足の鍵盤を使って音を鳴らすことが出来るからです。
そのため、異なる3つの音を同時に鳴らすことができます。
足の鍵盤を使ったエレクトーンの演奏は、音に奥行きがありとても立体的です。
立体的なカッコいい演奏ができるのは、足で演奏する鍵盤があることが出来ることです。
歴史が浅い
エレクトーンは電子楽器のため歴史が浅いです。
エレクトーンは1900年代に出来た楽器なので、クラシックピアノのように貴族のサロンで演奏された歴史がありません。
そんなエレクトーンが活躍するのはライブハウスなどです。
エレクトーンの多様な表現は、ライトミュージックやポピュラー音楽でよく使われます。
音楽大学ではエレクトーンの専攻はなく、ライトミュージック系の専門学校で扱われることが多いです。
エレクトーンは誕生してから歴史が浅く、クラシックではなくライトミュージック向けの楽器であることがピアノとは異なる特徴です。
エレクトーン教室の特徴
エレクトーン教室とピアノ教室は月謝を払ってレッスンを受けるというシステムは変わりません。
けれど、教えている内容や教室の数などがピアノ教室とエレクトーン教室では異なってきます。
ここではエレクトーン教室の特徴を紹介しますので、ピアノ教室の特徴と比べてどちらをやらせるか参考にしてみてください。
教室が少ない
エレクトーン教室はピアノ教室に比べて数が少ないです。
エレクトーンはピアノよりも歴史が浅い楽器のため、教えることができる人がピアノに比べて少ないです。
大手の音楽教室でもピアノ教室は全曜日で開講していますが、エレクトーン教室は週に数回、または開講していないところもあるくらいです。
このように、エレクトーンはピアノ教室に比べて数が少ないため、教室選びがピアノよりも限定されてしまいます。
ライトミュージックが得意な先生が教えていることが多い
エレクトーン教室の先生はライトミュージックが得意な先生が教えていることが多いです。
エレクトーンはライトミュージックを演奏するときに使われるからです。
そのため、エレクトーンを教えている先生の中にはバンドマンのような見た目の人がいます。
バンドマンのような見た目でも、丁寧にレッスンをしてくれる先生がほとんどなので安心してレッスンを受けてください。
エレクトーン用の楽譜を使う
エレクトーン教室ではエレクトーン用の楽譜を使います。
鍵盤楽器の楽譜といえばピアノの楽譜のようなものを思い浮かべる人が多いと思いますが、エレクトーンの楽譜は両手と足で弾く3段の楽譜になっています。
そのため、使う教材はピアノで使われるような教材ではありません。
学校で習うような楽譜ではないので、エレクトーン教室に通うときは先生からしっかりと楽譜の読み方を教わることが大切です。
エレクトーンをやらせたた方がいい場合
ピアノとエレクトーンはどちらも鍵盤楽器ですが、使われるシーンが異なります。
エレクトーンにはピアノにはない演奏方法や機能もあるので、エレクトーンをやらせたい場合は早いに越したことはありません。
子供にはどのような場合にエレクトーンをやらせた方がいいのでしょうか?
ピアノよりもエレクトーンに興味がある
子供がピアノよりもエレクトーンに興味がある場合は、エレクトーンを習わせましょう。
エレクトーンはピアノと違い、様々な機能がついているため演奏することが楽しくなる楽器です。
音楽に初めて触れる子供にエレクトーンは人気があります。
音楽を習わせるときに大切なことは、子供が楽しんで続けられるかどうかです。
興味あがるものの方が、子供の習い事は長続きします。
そのため、子供がピアノよりもエレクトーンに興味がある場合はエレクトーンをやらせましょう。
いろいろな音を楽しみたい
いろいろな音を楽しみたい場合はエレクトーンをやらせましょう。
いろいろな音を楽しめるのはエレクトーンの大きな特徴です。
ピアノはピアノの音しか出ませんが、エレクトーンはそうではありません。
エレクトーンでは様々な音が出ますし、その音を使ってゲーム音楽やBGMなどをかっこよく演奏することもできます。
いろいろな音を楽しみたい場合は、エレクトーンをやらせましょう。
足の鍵盤を踏むことが好き
足の鍵盤を踏むことが好きな場合はエレクトーンを習わせましょう。
足の鍵盤はエレクトーンにしかついていません。
ピアノではできない表現ができるのは足の鍵盤があるからです。
足で音を鳴らせることはとても楽しいです。
足の鍵盤の演奏は慣れが必要です。
ピアノに慣れてしまうと、足の鍵盤の演奏の習得が遅くなる可能性があります。
そのため、足の鍵盤で演奏することが好きな場合は早めにエレクトーンをやらせましょう。
ライトミュージックの道に進ませたい
ライトミュージックの道に進ませたい場合は、エレクトーンを習わせましょう。
ライトミュージックで使われる鍵盤楽器は、ピアノよりもエレクトーンやキーボードなどの電子の鍵盤楽器です。
ライトミュージックでは、クラシックピアノのような楽譜ではなくコード譜やメロディ譜が使われます。
クラシックピアノの楽譜に慣れてしまうと、コード弾きはとても難しく感じてしまいます。
エレクトーンではコード弾きの練習もするので、ライトミュージックの道に進ませたい場合はエレクトーンを習いましょう。
ピアノとエレクトーン、それぞれの違いを理解しよう
いかがでしたか?
ピアノとエレクトーンはそれぞれ違いがあります。
音符の読み方はエレクトーンもピアノも同じですが、演奏方法や機能が違うため一度どちらかの演奏に慣れてしまうと変更することが大変になります。
将来的にクラシックピアノが弾けるようになってほしい場合はピアノ、ライトミュージックを演奏できるようになってほしい場合はエレクトーンをやらせましょう。
もし、どちらか決めることが出来ない場合は子供が興味を持った方をやらせてあげてください。
途中で楽器を変更することを決めたら、それぞれの演奏方法に慣れるために早めに変更することをおススメします。