不登校の子どもは、さまざまなストレスや外的要因から身を守るために不登校という手段を取っている状態です。
不登校はまずはしっかりと休息をとり、ストレスの要因を取り除いたり、本人が心の安定を取り戻すことで回復へと向かっていきます。
不登校児が回復へ向かうためには、しっかりとエネルギーを充電しなくてはなりません。
そのためにキーパーソンとなってくるのが母親の存在です。
家の中でゆっくり落ち着いた環境で子どもが安心して過ごすためには母親の存在と力が必要になってきます。
目次
親の顔色を伺う子どもと自分を責める母親
不登校生の心理
不登校生は学校に行かないといけないと分かっています。でも行けない。
それは子どもにとってとてもつらいことです。
そして自分が学校に行けない為に母親が困っているのではないかと思っています。そのため親の顔色をうかがってしまい、親の態度に敏感に反応してしまうことがあります。
母親の心理
一方で母親は、子どもが学校に行けないことに責任を感じています。まるで自分が子育ての方法を間違えたかのように感じ、何がいけなかったんだろう?と自分を責めてしまうこともあります。
子どもの問題が起こったときにまず責められるのは一番関わりの多い母親であるため、父親や近くにいる場合は祖父母からも母親が責められることもあります。
そんな中で母親は子どもに対してどのように接していいのか迷ったり、丁寧に接しようとすればするほど、早く学校に行けるようにしてあげたいという思いが焦りとなって態度に出てしまいます。
そんな母親の状態を見て、子どもはますます自分を責め、家に居ても安心できない様態が続いてしますのです。
これではいつまでたっても回復は望めません。
不登校生の母親が前向きになる方法
たとえ母親であっても、子どもを変えることはできません。
人を変えることはできないのです。
そして子どもにアドバイスをしたり環境を整えてあげるだけでは、子どもは変わってはいきません。
ではどうすれば変わるのか、それは親自信が気持ちを入れ替えて前向きに変わるのことです。
「親が変われば子どもも変わる」とよく言われるように、親が変わることで間接的に子どもに良い影響を与えるという方法が効果的です。
では、どうすれば母親は前向きに変わっていけるのでしょうか。
それは、母親自身も自分の気持ちや思いを誰かに受け止めてもらうことです。
一人で考えたり、ネットで同じ悩みを持つ人の意見を聞いたり、もちろんそんな時間も必要でしょう。
でも、それだけでは解決にはむかいません。
やっぱり人を癒やせるのは人なのです。
お母さんも、自分の周りの人に悩みを打ち明けたり、ただ話を聞いてもらいましょう。
時には怒りをぶちまけたり、涙を流してもいいでしょう。
心にしまってある感情を全部出してしまうことが大切です。
それだけでふっと心が軽くなり、余裕が生まれます。
それはやがて落ち着きへと変わり、家に戻って子どもと接するときに明るい笑顔で接することができたり、焦らず余裕のある対応ができます。
このように母親が前向きになることで、子どもも安心して家で休息をとれるようになります。
母親の気持ちが「良い状態」になるのと連動して、子どもの気持ちも回復していくのです。
不登校生の母親の力になってくれる人
不登校生が回復し元気に登校できるようになるには、不登校生の母親だけでなく、母親の力になってくれる人の存在が不可欠です。
前述の通り、母親が前向きになる為には誰かに気持ちを受け止めてもらうこととお話してきました。
ではそれは具体的にはどんな人たちでしょうか。
母親の周りにいる力になってくれる人について考えていきましょう。
共感し話を聴いてくれる人
父親、祖父母、友人など、母親がなんでも話せる人が身近にいることが大切です。特に一緒に子育てをする父親、自分たちを育ててくれた子どもの祖父母(自分の母親など)、同じ年齢の子どもを育てるママ友などが相談相手になってくれると心強いですね。
そして、相談相手よりは一人より二人、二人より三人と複数いるほうが心強いです。
一人の意見だけでは考えが偏ってしまったり不安が残る場合があります。
色んな人に相談して自分の気持ちを確認していける環境が理想です。
また、身近な人の中に不登校の経験者や不登校の親経験者がいる場合も少なくないので、いろんな人に相談してみるといいでしょう。
不登校は決して人に自慢できることではないので、相談相手は選ぶほうがいいのですが、信頼できる人には積極的に相談していいと思います。
相談してみると「実はうちの子も2年前に不登校だったことがある」なんていうエピソードが飛び出す場合があったり、クラスの他の不登校児の様子や学校の対応などの情報を聞ける場合もあります。
自分の気持ちに共感し、話を聞いてもらえることで、母親は子どもの良いところが見えるようになります。
学校に行けないという事実だけで子どもを全否定していた母親も、気持ちが落ち着くと「元気に生きているだけでありがたい。子どもには子どもの良さがある」という大切な事に気づけるようになるのです。
子どもの状態を的確に分析してくれる人
スクールカウンセラーや教育センターなどの臨床心理士、親の会の世話人、フリースクールの先生など、不登校生の心の状態を専門的にかつ経験的に詳しく教えてくれる人です。
「学校に行けない」という目に見える現実だけを見ると簡単な問題のように思えますが、不登校には色んな子どもの状態や要因、環境、パターンが存在しています。
とても複雑な今の状況や子どもの心の状態を、分析しアドバイスしてくれる人は母親の強い味方です。
やっぱり専門的に学んできていたり、多くの不登校を見てきた人は頼りになります。
不登校が続き生活習慣の乱れが出てくると、母親は
「このままでいいのだろうか?」
「なにかやり方を間違っているのではないか」
「ゲームばかりして目が悪くなってしまう」
などと不安と焦りでいっぱいになってしまいます。
そんなときに専門家の意見を聞けたり、子どもの心の状態を理解してくれる人からのアドバイスをもらえれば、安心しますね。
焦らなくても今は途中だということに気づくことができるのです。
必要な情報をくれる人
子どもを育ててきて思うことは、必要な情報は受動的に動かないと全く得られないということです。
不登校生や不登校生の親に役立つ情報も同じです。
知りたいことがあっても質問の仕方を間違えれば正しい情報は得られません。
そんな時に頼りになるのはここでも専門家です。
フリースクールの先生、カウンセラー、放課後等デイサービスの指導員(保育士・心理士など)、学校の先生、担任が頼りなければ教頭先生、生徒指導の先生、などにもあたってみましょう。
不登校生の対応の仕方や、今できること、これからの生活の立て直し方、進路の相談など色々な情報を得られると気持ちが楽になります。
子どもの不登校とは全く関係ない人
ここまで不登校に対する支えとなる人についてお話してきましたが、母親には子どものこと以外のことを話せる友人や知人の存在も必要です。
一日中、子どもの事や不登校について頭を悩ませていると視野が狭くなり、行き詰まってしまいますよね。
そんなときは子どもとは関係ない、全く違う環境に身をおきましょう。
そうすることで母親の気持ちもリフレッシュでき、良い考えに気持ちが向かうかもしれません。
不登校には母親が頑張りすぎないことが大事
子どもが不登校になると、お母さんは子どものことや不登校の不安で頭がいっぱいになってしまいます。
しかし、そんなときこそ自分の支えとなるものに目を向け、気持ちをしっかりと持ち、子どもを回復へと導いてあげましょう。
不登校生の回復はお母さんが元気に明るく過ごすことが一番の近道です。
ちょっとしんどいなと思ったら肩の力を抜いてフーッと息をはきましょう。
お母さんはもう十分頑張っていますから、頑張りすぎないでくださいね。