- 試合開始前
- ウォーミングアップ時
- ラリーの練習
などの場面が一般的ですが、ただ一言に乱打といっても内容を少し工夫するだけで試合中に起こり得るあらゆる場面に対応できる技術を身に付ける事が出来ます。
ここでは色々な乱打の練習方法を解説していきたいと思います。
乱打の基本はベースラインでの打ち合い
乱打はお互いがベースライン上からストロークで打ち合うというのが基本になります。
後衛はクロス展開、前衛が逆クロス展開で乱打するというのも基本になります。
ストレート展開ももちろんOK
クロス展開、逆クロス展開とあって、ストレート展開の乱打は?
と思う方もいると思いますが、もちろんストレート展開の乱打も必要です。
コート1面で既にクロスと逆クロスで乱打をしている人達がいた場合は、センターのストレートが空いていますので、そのコースで乱打をすればストレート展開の乱打が出来ます。
クロス、逆クロス、センターストレートの3コースでの乱打が一般的という事を覚えておいてください。
大会の時などに練習コートが開放されている時は大体クロスか逆クロスから埋まっていき、センターストレートは空いているという事が非常に多いです。
センターストレートはしっかりストレートに打てる技術がないと、クロス、逆クロスで乱打している人達に迷惑をかけてしまうことがあるのですが、そこはあまり気にしないで大丈夫です。
開放コートなのですから、空いているなら使用するのは何の問題もありません。
クロスと逆クロスで乱打している人達がセンター付近にボールを打ってしまうことだってあるわけですからそこはお互い様です。
空いているならどんどん積極的にコートを使いましょう。
乱打練習メニューを作る
乱打はただ打ち合っていてもウォーミングアップなどにしかなりません。
練習メニューとして色々なパターンを取り入れることで、内容に意味を持たせる必要があります。
ここからは乱打の内容を濃くする方法を解説していきます。
片方はひたすら攻める、片方はひたすら守る
1人はとにかくシュートボールで攻め続けて、もう1人はそのシュートボールをひたすら受け続けてロブで耐えるというパターンの乱打です。
お互いミスを極力しないように意識するのは勿論ですが、攻める側は守りを固めている相手を先に崩して攻めきる意識を持ち、守る側は攻めてくる相手が崩れるのをひたすら耐えて待つ意識を持ちましょう。
ミスをしてしまった方は、結果相手の策に負けてしまったということになります。
これを何球か毎に攻める側と守る側を入れ替えたり、時間などで交代しながらやることで攻めきるスキル、守りきるスキルと両方のスキルを上げることができます。
時間耐久乱打
指定された時間、絶対にラリーを途切れさせないという意識で行う乱打です。
最初はアウトやネットインなどで2バウンドしてしまってもラリーが続けられるのであれば有効、ネットしてしまったらダメというところから始めて、レベルが上がってきたらアウトも2バウンドもダメという条件でやってみましょう。
この練習で大切なのは、自分が経験したことのない長時間のラリーを知ることです。
長時間のラリーは体力、集中力がどんどん削られていきます。
これがもし試合中だった場合、長時間続いたラリーでの得点は、その1点で流れが大きく動きます。
この1点を逃さない為に、長時間の乱打に慣れておく必要があるのです。
長期戦になる前に決着をつけに行くようなプレースタイルの方は特に長時間のラリーに慣れていません。
疲れて来て辛い状態でも我慢強くコートにボールを入れ続ける忍耐力を身に付ける練習です。
初心者にネットミスをするくらいならアウトの方が良いというのを経験させるのにもオススメの練習方法です。
やってみたらわかると思いますが、1分でも非常にキツイです。
この事を踏まえて時間を設定してみて下さい。
前衛対後衛乱打
後衛は普通にストロークを打ち続け、前衛はストロークから少し前に出てローボレー、そこから更にボレーなどを行う乱打です。
前衛の為の練習と思うかもしれませんが、後衛にも物凄く効果のある練習方法です。
前衛が前に来てローボレーを打ったり、ストロークだったり、ネット前に来られたりすると、相手から返ってくるボールのリズムが変わるので早めの準備が必要になります。
自分が思ったより早いタイミングで返ってくる展開が突然やってくるので、構え遅れで相手に簡単にボレーやスマッシュを決められてしまいます。
この状況で前衛をどう崩すかを考える事で十分後衛にも意味のある乱打となります。
人が入れ替わりながら行う乱打
4人以上で1つのコースで乱打をする時に、待機時間を極力均等にして効率よく乱打を行う方法です。
ここでは4人の場合で1人ずつA~Dと例えて説明します。
まずAさんとBさんがコートに入ります。
そしてAさんの後ろでCさん、Bさんの後ろでDさんがそれぞれ待機します。
Aさんが球出しを始めて、Bさんが打ち返し、その球をまたAさんが打ち返して1ラリーです。
そのまま2ラリー目も行います。
そして3ラリー目に入る時、BさんはAさんから返ってきたボールを打ち返したら素早くDさんと入れ替わります。
そしてAさんはBさんからの返球を打ち返したら素早くCさんと入れ替わります。
そして、DさんはAさんからの返球を打つのが1打目となり、CさんはDさんからのボールを打つのが1打目となります。
ここでは2人が1打ずつ打ったら1ラリー目終了です。
そしてCさんからの返球をDさんが打ち返して2ラリー目に入ります。
その球をCさんが返球して2ラリー目終了です。
そして3ラリー目に入るタイミングの球であるCさんからの返球をDさんが打ったら、先程同様に今度はDさんがBさんと入れ替わります。
そしてDさんからの返球をCさんは打ち返して3ラリー目終了となり、同時に素早くAさんと入れ替わります。
あとは今までの行程の繰り返しです。
この乱打はミスが多いと乱打相手以外にも迷惑をかけてしまうので、上級者向けの方法です。
ですが、時間交代や、何球交代といった方法よりも全員が均等にラリーを続けることができるので、効率が良いやり方でもあります。
もし1度もミスをしなければ、乱打開始の球出しを最初の1回だけで済ませることが出来て、人の入れ替わりもボールが空中にある間に行っているので、時間効率はあらゆる方法の中でもトップクラスです。
上級者揃いのチームが試合前のアップなどで良く使っている乱打方法です。
個人的な意見になりますが、この乱打はチームメンバー全員が出来るようになると、続けていくことでチーム全体のストローク力が格段に上がります。
理由は、この乱打は慣れてくると、ストロークスキルで球を打つというより、ボールの動きから人の動きまで全てを含めた全体の動きが一定のリズムで動くため、そのリズムを掴んでしまえばスキルに差があっても勢いとノリでついていけてしまう事があるのです。
勢いとノリでも上級者と乱打が出来ていると実感するとモチベーションが上がり、自分が気づかぬ間にレベルも上がります。
この知らぬ間にレベルアップしていたというのは、言い換えれば自分の思っていた限界を超えた瞬間とも言える非常に大事な事なので、すぐに出来るようにならなくても諦めずに、皆で協力して継続していって欲しいと思います。
以上のように、乱打は内容を濃いものにすれば前衛から後衛まで、初心者から上級者まで必要不可欠な練習という事がわかって頂けたでしょうか?
ソフトテニスが好きな人はほぼ全員乱打も大好きなはずなので、楽しみながら上達していく方法として有効活用して頂けたらと思います。