不登校生の高校受験のための6つの選択肢について詳しく解説。

不登校の中学生を持つ親御さんの中には高校受験についてお悩みの方も多いのではないでしょうか。

中学までは不登校だったけれど、高校に行ってみたいと思っているお子さんに対して、できる限りのサポートをしてあげたいですね。

この記事では、不登校生でも可能な高校受験について考えていきましょう。

どんな高校があるのか


不登校でも受験可能な高校とはどのような高校があるのでしょうか。

次の4つの種類の高校が当てはまります。

  • 私立高校
  • 通信制高校
  • 定時制高校
  • チャレンジスクール

では、次にそれぞれの高校について詳しく見ていきましょう。

私立高校

全日制の高校に進学したい場合は私立高校を選択しましょう。

公立高校では入学審査の際、入試の点数だけでなく内申点も考慮されます。

中学校で不登校になっていた場合、内申点に影響することが多いため公立高校への進学は厳しくなります。

一方、私立高校の場合、入学審査が入試の点数だけで判断されることがほとんどのため、中学校で不登校となり内申点に問題が場合でも関係ありません。

また、私立高校の入試は受験科目数が絞られていることもあります。そのため、公立高校より少ない科目数を集中して対策することにより受験がスムーズになります。

例としては、数学・国語・英語の3科目で受験できるなどです。

そのような私立高校では、3教科の受験対策をしっかりすれば合格することができるのです。

このように私立高校の受験傾向をしっかりと把握し、希望高校に絞った対策をすることで、中学校時代の不登校は影響を及ぼしません。

通信制高校

通信制高校は、オンライン学習、郵便、E-mailなどで勉強ができる高校です。

ほぼ自宅学習のため、通学時間が節約でき効率できに学習することができます。

通信制高校の入学試験は、面接や作文だけのところがほとんどなので筆記試験に自信がない場合でも気軽に受験することができます。

登校が全くないわけではありませんが、頻度も少なく、あとはレポート提出、テストなどを行えば高校卒業に必要な単位をとることができるのです。

通信制高校は中学や高校の不登校生を積極的に受け入れています。

そのため不登校経験者でも不利になることはなく、面接などでも問題になりません。

しかし通信制高校は自由度が高い分、勉強や課題には自らの意思で取り組まなければなりません。

自らやらなければいけないことを期日までに仕上げるというスケジューリングを立てることが必要になってきます。

また、通信制高校は大学受験への対策については手薄であるといわれています。

そのため大学受験を考えている場合は、通信制高校と並行して大学受験用の勉強をする必要があります。

定時制高校


定時制高校は元々夜間に授業を行う学校のことでした。3〜4年で卒業し、夜学や夜間学校と呼ばれていました。

しかし近年では日中にも授業をする学校が増えています。

午前中と夜間などを組み合わせて授業を組むことができ、3年間で卒業が可能な高校も定時制高校もあります。

漢字検定などの検定試験や高卒認定が卒業単位に換算される高校もありますので、各種定時制高校の特徴を調べてみるといいでしょう。

定時制高校はさまざまな人たちを受け入れています。

不登校経験者、全日制高校からの転入生、社会人などです。

そのため学校の雰囲気や生徒にどのような人たちがいるか見学などで確認してから入学を決めることをおすすめします。

定時制高校では、通信制高校より人と接する機会が多いです。

対人面に不安がある場合はその点も考慮して選ぶ必要がありますね。

チャレンジスクール

チャレンジスクールとは都立高校の中で不登校経験者、中退経験者のサポート充実を図っている高校です。

入試は願書申告書、小論文、面接試験で行われ内申書は必要ありません。

授業は午前、午後、夜間の三部にわかれており、生活リズムに合わせた登校が可能です。

また都立高校なので、一般的な私立高校に比べ学費を抑えることもできます。

私立高校は厳しいというご家庭は検討してみてはいかがでしょうか。

チャレンジスクールも様々な事情で全日制高校に通えなかった生徒を受け入れしているため、学校の雰囲気はさまざまです。

事前に見学し学校の雰囲気をつかんでおくといいでしょう。

チャレンジスクールは東京都にある高校です。

地方にお住まいの方は選択肢に入れることはできないかもしれません。

しかし、今後都内へ転勤や引っ越す予定がある場合は覚えておいてよいと思います。

また東京以外にお住まいの方は地域に似たような学校や制度がないか調べてみてください。

高校に進学しないという選択


ここまで、不登校生の高校進学について紹介してきました。

しかし、高校に進学しない選択肢もあります。

短期海外留学

いきなり長期留学はハードルが高いですが、短期の語学留学などもあります。サポートや環境がしっかりしているところを選べば難しいことではありません。

海外に行くことでお子さんの視野が広がる場合もあります。

日本独特の人間関係や環境もあります。

海外は日本に比べ自由度が高く、さまざまな考えを受け入れている国も多いです。

そのため海外留学することで、悩みが小さくなったり、自分の目的がはっきり見えたりなど、次のステップに進む力が得られる場合もあります。

高等学校卒業程度認定試験

高等学校卒業程度認定試験は高卒認定、高認と呼ばれ、さまざまな理由で高校を卒業、進学できなかった人たちの学力を証明するための試験です。

一番のメリットは、この試験に合格すると高校卒業と同じかそれ以上の学力があると認定され、大学などの受験資格が得られることです。

高認試験は大学、短大、専門学校などへの進学を希望する方には最短の道のりとなるでしょう。

高認試験は16歳になる年度から受験可能です。

受験のための内容にしぼって集中的に勉強することができるので、明確な目的がある方にはオススメの方法です。

また、高認試験を受ける場合は中学校レベルの学習内容はしっかりと習得している必要があります。

内容は基礎的なもので合格点は100点中40点とそんなに難しいものではなりません。

しかし小学校、中学校と基礎的な勉強を積み重ねていないとそれすらも難しくなります。

回答は選択形式なので中学校までの学力がしっかりついている方、自分でコツコツ勉強する習慣のついている方は合格しやすいでしょう。

選択肢はたくさんあることを覚えておく

不登校生の高校受験について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

このように高校進学の進路はたくさんあります。

そのため中学校で不登校になっても、必要以上に不安を抱える必要はありません。

中学までと違い、高校は自分の意思で学ぶ環境を選択できるので、子どもたちにとっても自分の将来を見据えた道を選べることで、現在の不登校の悩みが軽くなったり、良い方向に進むきっかけになるかもしれません。

学校や専門機関、その他不登校に詳しい人などに相談しながら、お子さんの状況と高校受験に向けたサポートについて考えていきましょう。

そしてその中には必ず本人の気持ちや考えをじっくりと聞いて尊重してあげましょう。

具体的な選択肢を示してあげることで、子どもが自分で考え選ぶことができるようになります。

そのために高校受験の選択肢はたくさんあるということをもう一度心に留めておいていただければ幸いです。

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