は、仕事に就いてから苦労する。
親族や知人の口利きでの転職。
いわゆる「コネ」入社は、転職活動に右往左往する必要がないので楽です。
相手先はすでに受け入れるつもりですので、応募書類や面接も形式的であり、単なる顔合わせの意味しかありません。
ですが、転職活動が楽なコネ入社は、実際に仕事に就いてから苦労するケースが少なくありません。
コネによる転職の機会が得られても、本当にその話に飛びついてよいのか、じっくりと考える必要があります。
今回は、コネによる転職で苦労する前に、そのデメリットについて考えてみたいと思います。
目次
コネ入社は辞めたくても辞められない
コネ入社の悩みとして、辞めたくても辞められないということがあります。
正確には、コネで入った場合は辞めると言い出しづらくなってしまうのです。
紹介者の尽力で入社した以上、退職すればその恩に背くことにもなりかねません。
また辞めるにしても、紹介者に無断で辞めるわけにはいきませんので、必ず話しを通しておかなければなりません。
もちろん引き留められる可能性は多分にあります。
本来雇用関係は対等なものであり、雇われている側は自分の考えで辞める自由を持っているはずです。
ですが会社以外での人間関係が絡んでくるとなると、辞めたくても簡単には言い出しづらくなってしまいます。
自由がきかないのは、少なからず精神的な負担になります。
仕事以外の人間関係にも影響する
先にあげた例と共通しますが、コネで転職した仕事を辞める場合、転職先を紹介してくれた人との関係にも影響を与えます。
紹介者にしてみれば、あなたを信頼して仕事を紹介したのですし、相手先に対しても顔が立たなくなってしまいます。
また紹介者自身は別になんとも思っていないとしても、辞める本人がうしろめたい気持ちになって、なんとなく紹介者と距離を置いてしまう場合もあるでしょう。
ある程度の年数を勤め上げた後の転職であれば大丈夫かもしれませんが、あまり短期間で転職先を辞めるようでは、人間関係に大きなひびが入ることも考えておかなければなりません。
本心では仕事を認めてもらえない
コネで転職した場合は、頑張って仕事をしても、周りから本心では認めてもらえない場合があります。
特に転職先の上層部からのトップダウンによる入社であれば、同僚にしてみれば少々面白くない気持ちになるのも無理はないかもしれません。
そのため、真摯に努力して仕事をしても「コネ入社だから」という色メガネで見られてしまい、本心ではなかなか仕事を認めてもらえないことも少なくないのです。
正当な評価を得るのが、普通に入社してきた人と比べて不利になる場合もあるのです。
周りから快く思われない
これも先にあげた例と関係しますが、コネによる転職者を快く思わない人もいます。
特に実力や経験が伴っていない人が、コネによる入社で不相応な役職や仕事を任された場合に多いかもしれません。
地道に仕事をしてきたのに、突然知らない人が自分を飛び越えて上役になったら、不満も感じるのもいたしかたありません。
これはコネ入社の場合、転職できたのが自分の実力と勘違いして、横柄な態度を取る人が少なくないのが原因です。
実際にそのような困った人が多いため、コネ入社は使えない人という先入観が持たれているのです。
謙虚に努力しようと思っている人までも、偏見の目で見られて陰口を言われたり距離をおかれたりと、辛い思いをするかもしれません。
事前の下調べがおろそかになりがち
コネによる転職の場合は、転職先に対する事前の下調べがおろそかになりがちです。
普通の転職活動であれば、相手の会社がどのような会社なのか、お給料はどのくらいか、福利厚生はどの程度か、勤務時間や各種手当はどうなっているのかなど、詳細な下調べを行います。
自分の生活に関わることなので、細かい内容まで真剣に検討するでしょう。
ですがコネ入社の場合は、紹介してくれる人をある程度信頼していという前提条件があるので、下調べをよくせずに転職してしまう場合が多いのです。
また、せっかく紹介してくれたのに、あれこれ詮索したり断ったりしづらいという場合もあるでしょう。
相手先をよく知らずに転職してしまい、仕事に就いてからギャップを感じても、紹介者への恩があるので辞められないといった、困った状況になってしまう場合もあります。
転職はあくまでも自己責任なので、しっかりと相手先を調べてから転職の判断をしましょう。
仕事に関する悩みを相談できない
コネによる転職の場合、転職先に不満や悩みがあっても、相談できる相手があまりいないという面があります。
紹介してくれた人が自分と近しい間柄であったり、お世話になっている人であれば、せっかく紹介してくれた相手先を悪く言うことはできません。
また転職先の職場の人も、後から入ってきた人に、今まで自分が働いてきた職場の不満や悩みを相談されても、快く思わないかもしれません。
しっかりとした人間関係を築いてそれなりの成果を上げた後であれば、相手も親身になって相談にのってくれるかもしれませんが、転職したての時期は悩みがあっても相談できる人が限られてしまうのです。
負い目を感じる時もある
コネ入社であることに引け目を感じて、負い目を感じてしまう人もいます。
どちらかといえば生真面目な人に多くみられる傾向があるかもしれません。
負い目があっても、それを努力する力に変えられるタイプの人であれば問題ないかもしれませんが、必要以上に自己評価が低くなったり、周りから孤立してしまうようではいけません。
コネによる転職を自分の実力と勘違いした横柄な態度もそれはそれで問題ですが、あまり気にし過ぎてストレスをためる必要はありません。
謙虚な姿勢を忘れずに、ひとつひとつ仕事をしっかりとこなしていれば、周りからもきちんと評価されるようになるでしょう。
勘違いしている人はいつか困った状況になる
紹介者が会社の役職にある人であったり、社内で評価の高い人の場合、自分までも偉い立場のように勘違いをする人がいます。
このように虎の威を借りる人は、まわりに対して横柄な態度や上からの目線で話すことが多いので、内心では周囲も快く思っていません。
そのため、紹介者の人が異動や退職で職場にいなくなってしまうと、手のひらを返したように周囲が冷たくなり、困った状況に追い込まれてしまうのです。
コネも人脈のひとつなので、まったく悪いとはいいません。
ですが先の例で再三再四述べたように、転職先では自分は新人であるという心構えと謙虚な姿勢を忘れてはいけません。
勘違いはいつか自分の身に返ってくるのです。
本当の自分の力で転職しよう
今回は、コネによる転職を考えている人に向けて、コネ入社によるデメリットについて考えてみたました。
コネを使っての転職は、転職活動の手間が大幅に軽くなりますし、内定もほぼ決まっているようなものなので、多くのメリットを感じているかもしれません。
ですが、今回あげたいくつかの例のように、入社した後に苦労する面も多くあるのです。
楽な面にばかり気をとられていないで、自分でしっかりとした転職活動を行っていくのも大切です。
転職活動は大変かもしれませんが、自分で選んだ職場であれば、後悔することもきっと少ないはずです。
転職は安易にコネにたよらずに、転職エージェントなどのサービスをうまく利用して、本当の自分の力で成功させましょう。