「何十時間も運転席に座りっぱなしで大変そう」「体力的に自信がないと続けられないのでは?」など、一般的に「きつい」というイメージが定着しているのがトラック運転手という仕事です。
とはいえ、オフィスにこもってモクモクと仕事をするよりも、ひとりでトラックを運転している仕事の方が性格的に合っているという人もたくさんいます。
しかし、トラック運転手は長時間勤務が前提の仕事であり、体が弱い人には務まらない業務と言えます。そのため、「この先もトラック運転手を続けるのは厳しい」「きついから辞めたい...」という声が止まないのも事実です。
そこで今回は、離職者が増え続けているトラック運転手という仕事のきついところやトラック運転手として働くメリット、さらに長く働き続けるために心がけたいことなどについて色々な角度から解説していきます。
目次
だから離職者が減らない?トラック運転手のきついところ!
トラック運転手はきつい、必然的に長距離の移動になるから拘束時間も長くなる、自分の時間をしっかり確保することができないなど、デメリットばかりがクローズアップされがちです。
そして「トラック運転手の仕事がこんなに激務だとは思わなかった」「どうしてもきつい...他の仕事に切り替えたい」と言ってトラック運転手を辞めていく人は大勢います。
では、離職者が増え続けている運送業界の中でも特に大変だと言われているトラック運転手のきついところについて、見ていくことにしましょう。
ノルマがきつい!時間内に到着できないこともある?
トラック運転手の業務は、トラックに積んだ荷物を目的地に安全に届けるだけの単純な仕事ではありません。あらかじめ、荷物を届ける日時が定められていることがほとんどだからです。
「何月何日の何時までに荷物を届ける」というノルマがあります。しかし、そのノルマを確実に達成するためには数々の困難がともないます。
工事や渋滞など、さまざまな道路状況や台風・雪などの天候にも左右されますから、どうしても時間に間に合わない可能性が出てきてしまうのです。
すると、寝る間を惜しんでトラックを走らせることも多くなり、最低限の睡眠時間しか確保できなくなるということも頻繁に起こります。これでは「トラック運転手はきつい」と感じるのも無理はありません。
10時間以上は当たり前?拘束時間が長すぎる
荷台にたくさんの荷物をのせて日本全国を走り回るのがトラック運転手の仕事です。長距離を走ることになりますから当然、拘束時間は長くなります。
10時間以上の連続勤務は当たり前という世界ですから、体力的にもかなりきつい仕事であると言えるでしょう。ずっと運転座席に座りっぱなしですから、腰痛になる心配もあります。
トラックに積む荷物を手積み・手降ろしする場合にはさらに負担が増えますし、荷物の積み降ろしにかかる時間が長くかかるほど、ドライバーの拘束時間も長くなっていきます。
このように、一般的なオフィス仕事に比べて圧倒的に仕事にかかわる時間が長く、さらに体力仕事ということになれば、「トラック運転手がきつい・辞めたい」と言う人が続出するのも仕方がないことなのかもしれません。
労働時間に対して給与額がイマイチ
1日の労働時間が10時間を超えると言われているトラック運転手ですが、それほど給与額が高く設定されているわけではありません。
もちろん、会社によって給与額は異なりますし、大手の運送会社になればそれなりの給与水準をキープしているところもあるでしょう。
しかし、大半の運送会社では労働時間に対して給与額やボーナスの額は決して高いとは言えず、「こんなにきつい仕事をしているのに給与が低すぎる...」と、辞めていく人も多いようなのです。
「トラックの運転をすることが楽しい、トラックの運転をできるのであれば給与の額など関係ない!」と自分の中でしっかり割り切ることができないと、長く続けることは難しい仕事なのかもしれません。
「きつい」と感じない面もある?トラック運転手として働くメリット
ノルマがあって拘束時間も長く、賃金もそれほど高くないなど、デメリットばかりが注目されてしまうトラック運転手ですが、「きつい」点ばかりではありません。
中には「トラック運転手をしていて良かった!」「トラック運転手だからこそのメリットもあるんだ」と、声を大にして主張する人も少なくないようです。
それでは、トラック運転手として働き続けるメリットはどんなところにあるのか、すこし探っていくことにしましょう。
荷物を運ぶことが仕事!仕事の内容的に難易度は低い
体力を極限まで消耗するトラック運転手という仕事は、一見すると「きつい・苦しい・楽しくない」仕事であるとみなされがちです。
しかし、よく考えてみてください。トラック運転手は「荷物を運ぶことが第一の仕事」なのです。それはつまり、仕事の難易度的には易しい部類に入るということになります。
仕事の細かなスケジュールを立てたり、パソコンの前に座って会議の資料を作ったり、その他の細々とした雑務をこなす必要は一切ありません。
毎日同じ作業の繰り返しだというと、「単調な仕事で逆にきついと感じられるのでは?」と、思うかもしれませんが、そうした「単純作業に向いている」という人もたくさんいるのです。
人間関係に悩まされないため精神的な負担は少ない
トラック運転手は基本的にひとりでトラックを運転して、荷物を目的地まで届けるのが仕事です。ですから、上司の顔色を伺ったり、気の合わない同僚と無理に付き合う必要もありません。
そうした人間関係にわずらわされることがないため、トラック運転手は精神的にラクな仕事と言えるでしょう。ひとりで過ごすのが苦にならないという人にはピッタリです。
コミュニケーションスキルに自信がない、できるだけ人と会話をせずに済むほうが気持ち的に負担なく仕事ができるという人も、トラック運転手に向いているタイプといえるでしょう。
トラック運転手の仕事内容・体力的な面だけを見れば「きつい」と感じられる点は多くありますが、精神的な面に焦点を当ててみると、意外なメリットもあるのです。
見逃せないポイント!仕事でいろんな場所に行くことができる
トラック運転手をするうえでもうひとつ、見逃せないポイントがあります。それは仕事でいろいろな場所に行くことができるという点です。
時には何十時間にもわたる距離を移動することになるトラック運転手ですが、移動中に立ち寄ったパーキングエリアや目的地に到着したあとなどに、その土地の名産品が食べられるという隠れたメリットもあります。
美しい景色を目にして、疲れた心と体をリフレッシュすることもできるでしょう。このように、トラック運転手をしているからこそ得られる特典もあるのです。
「きつい・苦しい・楽しくない」と言われがちなトラック運転手という仕事ですが、見方を少し変えてみると、意外なほど楽しめるということに気がつくでしょう。
トラック運転手はきつい!長く続けるために心がけたいこと
「考え方によってはいろいろな楽しみ方があるかもしれないけれど、それでもやはりトラック運転手はきつい!」という人は少なくありません。
だからといって、今すぐにトラック運転手の仕事を辞めるわけにはいかない...という人も、たくさんいるのではないでしょうか。
ということでここからは、きついトラック運転手という仕事をできる限り長く続けるために心がけたいことについて考えていくことにしましょう。
休憩中に全身を動かすストレッチをする
トラック運転手の仕事で何よりきつい部分はやはり、体力的な消耗が激しいという点でしょう。何十時間も運転席に座り続けるのですから、特に腰痛には気をつけたいものです。
だからこそ、パーキングエリアなどで休憩を取る際には、全身をくまなく動かすことができるストレッチをするように心がけましょう。
同じ姿勢を取り続けていると、どうしても血行が悪くなりますから、体力の回復も遅くなります。ですから、軽いストレッチに加えてラジオ体操のような全身運動をしてみるのがおすすめです。
「体調が良くない」と感じたらしっかり休む
トラック運転手の仕事は1勤務の時間が非常に長く、一般的なオフィスワークのように途中で「早退する」というわけにはいきません。
ですから、勤務を始める前に「体調的にきつい・体の具合があまり良くない」と感じたら、無理をしないで休みを取ることが大切です。
もちろん、トラック運転手の人数やシフトの都合ですぐに休みを取ることが困難な場合もあるかもしれません。それでもやはり、体調が万全でない場合にはきちんと体を休めるべきです。
なぜなら、事故が起きたあとに、「実は体調が悪くていつものように運転ができなかったんです...」という言い訳をしても通用しないのですから。
運転中や待機時間を「楽しむ」ことが仕事を長く続けるコツ
長距離を移動中、トラックを運転している時間をどのように楽しむことができるかという点も、トラック運転手という仕事を「きつい」から「楽しい」に変えるポイントです。
トラックの車内で好きな音楽を大音量で聞きながら、カラオケ気分で大きな声で歌いながら走るというのも良いでしょう。ぜひ、自分なりに工夫してみてください。
体力的にきついトラック運転手!体調管理が難しいと感じたら転職も考えよう
離職者が増え続けているトラック運転手という仕事のきついところやトラック運転手として働くメリット、さらに長く働き続けるために心がけたいことなどについて色々な角度から解説してきました。
一般的に「きつい」と言われることが多いトラック運転手という仕事ですが、仕事に対する向き合い方次第では、楽しむ方法もたくさんあります。
とはいえ、やはりトラック運転手の仕事が体力的にきついことは間違いありません。何事も体が資本ですから、体調管理が難しいと感じた時には決して無理をせず、転職を考えるようにしましょう。