仕事が嫌いな人は数多くいますが、その理由の大部分を占めるのは「仕事がつまらない」というものではないでしょうか。
だれもがやりたい仕事やなりたい職に就けるわけではないですし、向き不向きもありますから、仕事を楽しいと感じるのはとても難しいことのように感じます。
でも、あなたの職場にも、やけに楽しそうに仕事をこなしている人はいませんか。
そしてそういう人ほど結果を出していたり周りに認められていたりしませんか。
そういう人が昇進していく姿を見ていると、どうして自分はダメなんだろう、と悲しくなりますよね。
生まれ持った性格や、向き不向きのせいだと諦めるしかないのでしょうか。
残念ながらそうとも言えますが、ものは考えよう。
実は向き不向きを変えることはできませんが、向いていない仕事を楽しむことって誰にでもできるんです。
その秘訣について、詳しく見ていきましょう。
読み終わり、翌日あなたが仕事に行くときには少しでも前向きになれていることをお約束します。
目次
仕事がつまらない理由とは
仕事がつまらない、という感情はどこからくるのでしょうか。
一旦仕事から離れて「つまらない」という感情に焦点を当てて考えてみましょう。
人間が「つまらない」と感じるのはどんなもの、どんなときでしょうか、もっと言えば、なぜつまらないことが人間にとって「苦痛」なのでしょうか。
良い例がナチス・ドイツに用いられたと言われるとある拷問方法です。
それは痛めつけるのではなく、ただ延々と穴を掘らせ、その穴を再度埋めさせる、というルーティーンを毎日やらせるのだそう。
次第に拷問を受ける人間は自分の行為に意味を見いだせず、狂っていくのだそうです。
軍隊の拷問にまで使われるほど「つまらない」という感情は苦痛を伴うものなのですが、この拷問内容から「つまらない」の正体が見えてきそうです。
一度穴を掘らせ、その穴をもう一度埋めさせるということには生産性や意味がありません。
意味がないと自分でも分かっていることを何度も行う時間や労力に人は多大な苦痛を感じるというのです。
この「つまらない」のメカニズムは仕事に限らず、生活のあらゆるタイミングでも自覚することができるのではないでしょうか。
自分が今行っている行為の意味がわからなかったり、意味がないと思っている場合、その行為を「つまらない」と感じるようです。
意味を感じるためには何が必要なのか
行動に意味を感じることが「つまらない」を予防するということはおわかりいただけたと思います。
では具体的に、行動に意味を感じるためにはどのような要素が必要なのでしょう、大きく分けてこちらになります。
- 行為前と行為後で明確な変化がある
- 同等の行為を自分と他人で行った場合に明確な差がある
- 行為の結果、自分が欲しい対価が得られる
- 内発的な動機がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
行為前と行為後で明確な変化がある
自分がその行為を行う前の状態に比べて、行為後なんらかの明確な変化があると人は自分の行為に意味を見出すことができます。
掃除などにやりがいを見いだせるのはこうした目に見える変化があることも大きいですね。
仕事に当てはめると、自分のしている仕事の前後で差が見られない場合、やりがいや意味を見出すことができず「つまらない」と思ってしまいます。
仕事をする上で「やる前」と「やった後」でなにか変化が生まれない、もしくはその変化に自分が気づいていないと仕事にも意味を見いだせなくなります。
対策としては自分の行っている仕事や作業の前後を見比べてみて、数字など目に見える変化に気づくことが必要です。
自分一人では気づきづらい職種もあるかもしれませんので、上長や同僚に「この仕事でだれに影響を与えているのかわからない」と相談してみるのもよいでしょう。
同等の行為を自分と他人で行った場合に明確な差がある
自分でなくてもこなせてしまう作業に関しては、個人的なやりがいを感じられなくなります。
他人でも同じ結果が得られるということは、その行為を行うのが自分である必然性がありません。
その事実に自分で気がついたとき、やる気は一瞬で削がれてしまいます。
しかし、完全にマニュアル化されている職種であればこうした感覚に陥るのは仕方がないと思いますし、むしろ誰でも同じ結果が得られるようにマニュアルを敷いていますから当然といえば当然です。
むしろそうしたマニュアルを完遂できる自分を誇る考え方もできますが、どうしても辛いという方はこういった職種でやりがいを感じるのは難しいので転職も視野に入れて考えていきましょう。
対策としては自分と他者の行為の結果をつぶさに観察して、自分の特徴を見つけ出すことが有効です。
自分の色や味を探すことで自分がやる理由を見つけることができます。
行為の結果、自分が欲しい対価が得られる(外発的動機付け)
これはお金や実績など、行為の後に報酬として自分の求めているものが与えられる場合に得られるやりがいです。
多くの方がこのやりがいをもとに仕事をしているのではないでしょうか。
得られる結果が魅力的であれば、多少やりたくない仕事であっても続けられることが多いですが、やはりバランスによります。
給料は低いけどそこまで嫌な仕事じゃないから続けよう…。
全くやりたくない仕事だけど給料が高いから続けよう…。
といった具合に、ある程度「つまらない」のストッパーとして機能するのが報酬です。
心理学的には外発的動機づけといわれますので、興味がある方は調べてみてください。
行為そのものが自分のやりたいことにつながっている(内発的動機付け)
上記の場合とは別に、自分の内側から湧き上がるやりがいも「つまらない」を抑制する効果があります。
心理学的に内発的動機付けと呼ばれる作用を指し、特に報酬や意味を与えられなくても自分から行うことが特徴です。
このやりがいはとくに他者からの承認なども必要としないので、例えば周りに「やめなさい」といわれても続けてしまうような事柄にあてはまります。
例えばナチス・ドイツの拷問の例であっても、その拷問を受ける人が「穴を掘ること、埋めること」に内発的な動機を得ていた場合は無意味であってもやりがいを感じることになります。
仕事にあてはめると、給料が低くてもやりがいが感じられるので続けている、というような場合、この内発的動機付けによって「つまらない」と感じなくなっていると考えられます。
こればかりは自力でどうにかなるものではありませんので、むしろ自分の本当にやりたいことを探す方向にシフトするのが賢明です。
仕事がつまらない状況を解消する方法まとめ
仕事がつまらないという悩みを「つまらない」という感情から切り出して考えてきましたが、いかがでしたでしょか。
仕事がつまらないと一口に言ってもその理由は千差万別、その人固有の理由があることがおわかりいただけたと思います。
しかし、もとを正せば「つまらない」という感情の理屈さえ知ってしまえば面白くする余地は残されているということでもありましたね。
そこを理解した上で、今の仕事を続けて自分で楽しくしていくのか、自分の本当にしたいことを突き詰めていくのかはこれから下す選択次第です。
どちらにせよ、どの手段を選んだにせよ、後悔のないよう改善できると良いですよね。
この記事が、そんな改善の手助けになっていることを願います。