仕事を辞めるときというのは、就職するときよりも緊張するものですよね。
これまで働いていた職を離れるというのは、単純に仕事がなくなるだけではなく様々なものが不安定になることを意味します。
転職先が決まっているならまだしも、転職先や今後やることが未定で職を離れる際にはやはり心配事が尽きなくなるもの。
金銭面や信頼面、空白期間をあけることも不安要素ですし、恋人や家族がいる場合はもっと不安になりますよね。
そうした理由から実際に退職へ踏み切れない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
やめたいのにやめられない、そんな状況から一歩踏み出すために必要なのはほんの少しの勇気と自信です。
この記事を読み終わる頃には、その両方を手に入れて新たな決断に踏み切れていることをお約束します。
やめるのが不安、その理由とは
現代人にとって仕事とは、一日の大部分を占める重要なもの、積もり積もれば人生の中でも重要なファクターとなります。
そんな仕事を離れようというのですから、不安になるのは当然ですよね。
これまで一日の3割近くの時間を費やしていた就業先を変更するということは、そのまま人生の3割をどうするのか、という問題に直結します。
すなわち辞めて「どうしたいのか」という問いは「どう生きたいのか」という問いでもあるわけですね、人生の3割を何で占めるか、という問題になるわけですから。
退職を考えたり、既に決意している方は、今就いている仕事に何らかの不満があるのだと思います。
そして、その不満が残ったままでは思うような人生を生きれない、だから仕事を変えて人生をより豊かで実り多いものにしたい、と考えているはずです。
きっとここまでは誰もが共通しているのですが、問題はこの先、あなたが「どう生きたいのか」という点です。
この「どう生きたいのか」という点に関しては共通項で結ぶことができません。
ネットや本、友人や家族にたずねてもわかりませんし、どこかに答えが落ちているわけではありません。
自分で本当の望みに気づき、それを満たせるような環境に移動していく必要があります。
そのための転職、退職であるべきなのです。
ここで重要なのは「あなたが仕事を辞めることで何が変わるのか」を考えることです。
仕事を辞めるというアクションによってあなたはなにかポジティブな変化を得ようとしていますよね。
そして実際にその変化によって人生がよりよくなる必要があるのです。
しかし、それは簡単に達成できるものではありませんし、長い間悩んだり試行錯誤して見つけていくもののはずです。
ただ「逃げたいから」というだけで仕事をやめてしまうのは、人生を豊かにする上であまり得策ではありません。
今の状況から逃げても幸せになれるとは限らないからです。
「現職に就いたままでは何が、なぜできないのか」突き詰めていき、そして「それができないとなぜ不満なのか」についてとことん深掘っていく必要があるのです。
つまり、自分自身が何を幸せと思うのかについて理解していることが、後悔のない退職に踏み切るための前提条件となるのです。
誰かの言うことを聞いたり、真似したり、ましてや他人と比べての退職では、あなた自身の幸せにたどり着くことはおろか、近づく一歩すら踏み出せないまま職にあぶれてしまうでしょう。
不安を解消するための方法
そこまでは分かっていても、実際に退職に踏み切れない方も数多くいらっしゃると思いますので、不安を取り除く考え方をご紹介させていただきます。
既に上でも述べましたが、退職や転職はより大きな目的のためになされる手段でなければなりません。
現状が苦しいから逃げるためにやめる、といった退職の場合、その後就いた職でも同じことが起きたときに我慢ができなくなってしまいます。
そしてその不満が「本当にやりたいこと」のために必要だという自覚があればまだ耐えられるのですが、やりたいことのための退職、転職でない場合はその不満を受け止める受け皿がない状態になりますので、むしろ辞めない理由がなくなってしまいます。
加えて、逃げたいという気持ちで退職、転職活動を行うと行動の目的が「現職を離れる」ことに終止してしまうため、いくら吟味していたとしても「前の仕事から離れられる」というバイアスがかかった状態で物事を判断することになります。
「逃げたい」一心で条件に完全な同意ができていないまま転職の手続きを進めてしまう可能性がありますし、これでは転職の成功率を下げてしまいますよね。
今後に憂いが残る選択となる可能性があります。
まずはこうした後ろ向きな理由での退職、転職をやめることが第一です。
ではどう考えればいいのかと言えば、さきほども述べた「大きな理由」を探し、そのための手段を先に確立して、なぞるルートの延長線上として退職や転職が存在しているべきなのです。
具体的な方法としては、まず、今仕事が辛くて辞めたいという気持ちもしっかりと噛み砕いて、本当はどうなりたいのか、どう生きていきたいのかを具体的な自分の言葉で表します。
次に、そのために必要なもの(お金や学歴、経験など)をできるだけ細かく数字も交えて紙か何かに書き出します。
最後に、書き出した隣に現在の自分の状態を細かく記していき、理想の自分と現在の自分の剥離を可視化します。
見えるようになった今の自分と未来の自分の差を埋めるには何が必要なのか、具体的な制度や期間、金額などを交えてルートを編み出していきます。
そのルートをなぞるために、まず今から必要になるのはなんなのか、割り出していきます。
すると、必然的に本当に今取るべき選択肢が見えてきますよね。
もしかしたらそのあぶり出した選択肢に転職や退職は含まれていないかもしれません。
転職や退職をせずとも、ルートをなぞれるかもしれません。
その場合は無理に退職する必要がないので、もう一度よく考えてみることにしましょう、どうしても現職を辞めなければ達成できない目的なのかどうか。
精神がすり減って「もう努力なんてできない」という状態であれば別ですが、まだもう少し頑張れそうなら目標を強く意識して乗り切ってみるというのも、成長するための手段として考えてみるべきです。
退職は目的ではなくて手段、しっかりと自分の目的を理解しておきましょう。
目的がしっかりと定まったのなら、もう怖いものはありません、そのために必要なものを揃えるためにも、迷わず退職に踏み切ってしまいましょう。
まとめ
退職を不安に感じる理由から紐解いて開設してきましたが、いかがでしたでしょうか。
仕事を離れるというのはある種、宙ぶらりんの状況に身を置くわけですから、不安に思うのも仕方はありません。
これまで自分を縛りつつも一つの場所に固定し続けてくれた鎖を自ら断ってしまえば、どこへ流れていくのかもわかりません。
それでも、無理をしてそこにとどまり、意味のない仕事に就き続けるというのも、長い目で見れば決してプラスにはなりません。
自分がどこへ行き、何をしてどう生きたいのかをまずは明確にしましょう。
そこがブレていなければ、仕事をやめても、どこへ引っ越しても、宙ぶらりんにはならないはずです。
未来につながる退職の一歩を踏み出すためには、まず自分が踏み出したい方向を定めるのが先決だということですね。
その次に踏み出す第一歩を考える段になって、初めて退職や転職を考えてみましょう。
もし、そこまで考えての退職であれば、今抱いているような不安や恐怖はないはずです。
未来につながる一歩を踏み出し、あなたの今後がより明るくなるよう願っています。